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建築基準法改正の内容
改正建築基準法に対応した「建築物のシックハウス対策マニュアル」に基づいた内容です。

改正施行後の規制

■規制対象とする化学物質
クロルピリホス(※1解説)
使用禁止
居室を有する建物には、クロルピリホスを添加した建材の使用を禁止する。

適応除外 : 建築物の部分として5年以上使用したものは除外されます。

ホルムアルデヒド(※2解説)
●内装仕上げの制限
居室の種類および機械換気回数に応じて、内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材の面積制限をおこなう。

換気設備の義務付け
ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、家具からの発散があるため、機械換気設備の設置を義務付ける。

天井裏の制限
天井裏については、下地材をホルムアルデヒドの発散の少ない建材とするか、機械換気設備を天井裏等も換気できる構造とする。

ホルムアルデヒドに関する規制の住宅のタイプ別対応方法の例
戸建住宅 集合住宅
(対策T)
内装仕上げ
(対策U)
換気設備
(対策V)
天井裏など
(対策T)
内装仕上げ
(対策U)
換気設備
(対策V)
天井裏など
F☆☆☆の場合
 床面積の2倍まで
F☆☆☆☆場合
 制限なし
換気回数0.5回/hの
24時間換気設備を設置
次のいずれか
@建材:F☆☆☆以上
A気密層、通気止め
B天井裏などを換気
F☆☆☆の場合
 床面積の2倍まで
F☆☆☆☆場合
 制限なし
換気回数0.5回/hの
24時間換気設備を設置
次のいずれか
@建材:F☆☆☆以上
A気密層、通気止め
B天井裏などを換気
戸建住宅 集合住宅


ホルムアルデヒド対策の対象となる範囲
対象となるのは全ての建築物の居室(※3解説)です。

住宅等の居室 住宅等の居室以外の居室(下記の建物は一例です)


戸建住宅 集合住宅 オフィス 病院 学校 店舗
戸建住宅 集合住宅 会社 病院 学校 店舗

・居間
・食堂
・台所
・寝室
・和室
・書斎など
・居間
・食堂
・台所
・寝室
・和室
・書斎など
・事務所
・会議室
・守衛室など
・病室
・診察室
・手術室
・薬剤室
・受付待合室など
・教室
・職員室
・保健室など

・売場
・客席
・休憩室
・厨房など

居室以外でも換気計画上 居室と一体にみなされる場合
通常は対象外と判断される廊下・トイレ・浴室等は、換気計画上
居室と一体的に換気を行う場合※に居室とみなされます。
※例:ドアに高さ1cm程度のアンダーカットがある場合等、
通風が確保される建具(※4解説)を使用する場合
(有効開口面積で100〜150cm2程度.)
居室と一体にみなされる場合
ポインタを平面図に合わせると換気計画上居室と一体にみなされるゾーンが表示されます。
:居室ゾーン
:気計画上居室と一体とみなされる場合のゾーン
一体にみなされるゾーン

収納スペースでも換気計画上 居室と一体にみなされる場合
収納スペースでも換気計画上居室と一体的に換気を行う場合※に居室とみなされます。
※例:収納スペースなどで、換気計画上居室と一体的に換気を行うため居室への給気経路となる部分。
 排気経路のみの場合は、居室とはみなされません。
ポインタを平面図に合わせると収納スペースでも居室と一体にみなされるゾーンが表示されます。
:居室ゾーン
:気計画上居室と一体とみなされる場合のゾーン
:収納スペースでも居室と一体的にみなされる場合のゾーン


適用除外の建物 ←適用除外となる建築物

ホルムアルデヒド対策の内容
T.内装仕上げの制限
@建材の使用区分
●居室の種類および換気回数に応じて、ホルムアルデヒドを発散する内装仕上げ用建材(※5解説)の使用面積が制限されます。
ホルムアルデヒドの発散速度 ホルムアルデヒドの発散建築材料 内装仕上げ
の制限
名称 新規格 従来規格
 0.005mg/m2h以下 F☆☆☆☆ JIS規格:E0、JAS規格:Fc0 制限なし
 0.005超0.02mg/m2h以下 第3種 F☆☆☆ JIS規格:E0、JAS規格:Fc0 使用を制限
 0.02超0.12mg/m2h以下 第2種 F☆☆ JIS規格:E1、JAS規格:Fc1
 0.12mg/m2h超 第1種 F☆ JIS規格:E2、JAS規格:Fc2、無等級 使用禁止

適用除外の内装仕上げ材 ←適用除外となる内装仕上げ材

A第2種、第3種ホルムアルデヒド発散建築材料を用いる場合
原則として、住宅等の居室では、0.5回/h以上、その他の居室では0.3回/h以上の換気回数を確保できる有効換気量を有する機械換気設備の設置が義務付けられている。

●第2種、第3種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積と必要換気回数(※6解説)は下記の算式が適用されます。
計算方法
(1)換気設備の換気回数を設定する。
(2)ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積を調べる。
  (第2種は何m2? 第3種は何m2?)
(3)下表から係数(第2種はN2、 第3種はN3の係数)を拾い式に当てはめて計算する。
(4)算出した数値が床面積以下なら使用可能。
換気回数を求める計算式
: 下記表の(N2)欄の数値
: 下記表の(N3)欄の数値
: 第2種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積
: 第3種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積
A  : 居室の床面積

居室の種類 換気回数 (N2)第2種の係数 (N3)第3種の係数
住宅等の居室 0.7回/h以上 1.2 0.20
0.5回/h以上0.7/h回/h未満 2.8 0.50
住宅等の居室以外の居室 0.7回/h以上 0.88 0.15
0.5回/h以上0.7回/h未満 1.4 0.25
0.3回/h以上0.5回/h未満 3.0 0.50
計算例はこちらをご参照ください。 換気回数を求める計算例
換気回数に関する注意点 天井高さと換気回数の緩和
  天井高さが高い場合は、換気回数が緩和されます。(詳細1)

U.換気設備設置の義務付け
ホルムアルデヒドを発散する建築材料を使用しない場合でも、家具からの発散があるため、
居室には(1)換気設備、(2)空気を浄化して供給する方式の機械換気設備、(3)中央管理方式の空気調和設備のいずれかに適合する構造の換気設備の設置が義務付けられます。
(1)換気設備
 有効換気量(V)が次の式によって計算した必要有効換気量以上であること。
V=右表の換気回数(回/h)・A・h

V:有効換気量(m3/h)   A:居室の床面積(m2)  h:居室の高さ(m)
居室の種類 換気回数
住宅の居室等 0.5回/h以上
上記以外 0.3回/h以上
※換気回数は、機械換気のみで必要。


機械換気設備の構造
・給気・排気共に換気経路の全圧力損失が計算された能力を有するものとする。
・ホルムアルデヒド対策のための換気設備は、常時運転できるものとしなければならない。 このため、換気システムのスイッチは容易に停止されないものとすることが望ましい。(詳細2)

24時間(常時)換気システムの種類 風の流れ: 機械換気 自然換気
換気の種類 換気の特長 注意事項
第1種換気
方式
第1種換気方式 ●給気・排気とも機械換気で強制的に行う換気方法。
●機械換気の中で最も確実な給気・排気が可能。
●空気の流れを制御しやすく戸建・集合住宅ともに適しています。
●各居室に給気機を設置
●圧力損失と送風機能力の適合性の確認は給気及び排気の両方について行うことが基本。
●給気及び排気のいずれかの風量の合計が必要換気回数以上であることが必要であり、他方の風量の合計も同程度として給気量と排気量のバランスをとる必要がある。
第2種換気
方式
第2種換気方式 ●給気は機械換気で行い、排気は排気口から自然に行う換気方式。
●建物の気密度によっては、室内の湿気が壁内へ浸入する恐れがあり、内部結露が起こる可能性が高い。 特に寒冷地は注意。
第3種換気
方式
第3種換気方式 ●排気は機械換気で強制的に行い、給気は給気口などから自然に行う換気方式。
●排気が機械換気のため、湿気が壁内へ侵入しにくい。
●高気密住宅では、低コストで計画換気が可能。
●各居室に給気口を設置
●低気密住宅の場合、換気経路が確保されにくく計画換気ができない。
●居室内が換気設備により減圧されるため、天井裏等より空気が流入する恐れがある。そのため、この機械換気方式を採用する場合、天井裏等にも換気設備が必要となる事がある。


冬期の換気量について ●利用時間帯が限定される居室の換気
居室の利用時間帯が日常的に限定される事務所等の建築物においては、夜間等の人の不在時に限って換気設備の運転を停止する運用も考えられる。ただし、停止時には相対的に高濃度化するホルムアルデヒド濃度を換気設備再稼働時に所要のレベルまで速やかに低減できるための措置を講ずることが必要である。
●冬期の換気量について
建築基準法では、夏季の室内外の温度差が少ないときには、自然換気による換気では必要な換気量が確保できないため、機械換気のみで有効換気量が確保されなければいけないと規定している。従って、冬期等において自然換気による換気が見込める条件下では、機械換気設備による換気と自然換気※による換気とを併せて必要有効換気量(住宅等の居室では換気回数0.5回/h、その他の居室では0.3回/h)以上の有効換気量が確保されていればよいとされる。
※自然換気回数はC値(※7解説)2
cm2/m2以下の場合は0.1回/h、2cm2/m2より大きな場合は0.2回/hで見積もることができる。
(例)
機械換気設備の能力としては0.5回/hに相当する換気量を確保した上で、冬季においてC値2cm2/m2以下の場合は換気回数0.4回/h、C値2cm2/m2より大きな場合は換気回数0.3回/hに相当する機械換気量まで低減可能な風量調節スイッチを0.5回/h運転用スイッチに加えて設けることもできる。
住宅の相当隙間面積 機械換気回数
C値≦2cm2/m2の住宅 0.5回/h → 0.4回/h
C値>2cm2/m2の住宅 0.5回/h → 0.3回/h

(2)空気を浄化して供給する方式の機械換気設備
 (1)の有効換気量に相当する換気換算量(Vq)を有することを告示基準に適合するか、大臣認定を受けたものとする。
Vq=Q(1−C/Cr)+V
(例)ホルムアルデヒドを除去できる空気清浄機能付換気設備
V 有効換気量(m3/h)
居室の床面積(m2
Vq 有効換気換算量(m3/h)
浄化して供給する空気の量
(m3/h)
浄化した空気に含まれるホルムアルデヒドの量(mg/m3
Cr 室内の空気に含まれるホルムアルデヒドの量(mg/m3
内装仕上げ材のホルムアルデヒドの発散量(mg/m2・h)
住宅等の居室の場合は3
その他の居室は1
(3)中央管理方式の空気調和設備
原則として次の式の数値以上の有効換気量(V)を換気する能力を有することとする。
V=10(E+0.02n・A)
(例)ビル用のエアハンドリングユニット(大規模で業務用途・一般住宅には向かない。)


V.天井裏等の対策
天井裏等(※8解説)については、以下の3通りの方法があり、いずれかの対策が必要です。
(1)天井裏等の下地による対策
第一種(F☆)、第2種(F☆☆)の建材を使用しない。
  第3種(F☆☆☆)以上を使用する。
(2)気密層または通気止めによる対策
・気密層又は通気止めにより、居室へのホルムアルデヒドの流入を抑制する。
    (参考)省エネ基準で定められた気密材料
@厚さ0.1mm以上の住宅用プラスチック系防湿フィルム
 (JIS A 6930-1997)
A透湿防水シート(JIS A 6111-2000)
B合板など
C吹付け硬質ウレタンフォーム断熱材(JIS A 9526-1999)
D乾燥木材等
 (重量含水率20%以下の木材、集成材、積層材など)
E鋼製部材
Fコンクリート部材
・間仕切り壁、外壁などでは、ホルムアルデヒドの流入の抑制に関して、気密材と同等以上に気密性を有する材料(石こうボード等)により、居室との間に通気止めを行う。

気密層、通気止め
(3)換気設備による対策
天井裏等は、基本的には「(1)天井裏等の下地による対策」及び「(2)気密層または通気止めによる対策」で対策することが望ましい。 やむを得ず換気による対策を行う場合、換気設備の種類によって以下に示す事項の検討が必要となる。
(1)居室に第1種換気設備を設ける ただし居室内部の空気圧が天井裏等の空気圧を下回らないものであること。
  
(給気量≧排気量)
(2)居室に第2種機械換気設備を設けること。
(3)居室に第3種機械換気設備を設ける場合は、居室が天井裏等より負圧にならないように天井裏等にも排気が必要となる。

その他
ユーザー(御施主)さまへの事前ヒアリング
住宅・建築物の設計を行う際、入居者等との打合せの初期の段階で室内空気質やライフスタイルについて、ヒヤリングを行い、入居者等の希望、健康状況等を確認し、その内容に応じて必要な場合には対策を盛り込んでおくことが大切とされています。(詳細3)
ユーザー(御施主)さまへの説明
住宅やその他の建築物の供給者は、今回の建築基準法改正により達成される室内空気環境の目標について、入居者やその建物の持ち主、使用者などに対して正しく理解していただくよう、十分な説明・情報提供を行うことが大切であるとされています。また、この内容については「住まいのしおり」等に明示し説明することが必要です。(詳細4)
建築基準法で達成される目標
住宅やその他の建築物の供給者は、今回の建築基準法改正により達成される室内空気環境の目標(詳細5)について、入居者やその建物の持ち主、使用者などに対して正しく理解していただくよう、十分な説明・情報提供を行うことが大切であるとされている。
■建築確認・検査
改正施行後の建築確認・検査のフローはこちらをご参照ください。 建築確認・検査フロー
■改正建築基準法に基づくシックハウス対策について
 
国土交通省のホームページにて情報が公開されています。
社団法人リビングアメニティ協会
 改正建築基準法対応住宅の換気設計事例集(詳細版) が公開されています。
 
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