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口の中でお米を楽しむ
時間が長く続きます。(宮城県産ササニシキを試食)

料理研究家

小田 真規子 さん

雑誌やTVでオリジナルの料理やお菓子のレシピを発表。番組や広告媒体へのメニュー提案やフードコーディネートも手がける。
『料理のきほん練習帳(1・2)』(高橋書店)、『つくりおきおかずで朝つめるだけ!弁当(シリーズ1~4)』(扶桑社)など著書多数。

炊きたてごはんのご感想は?

ごはんがキラキラと輝いて粒がよく立っている。それに香りがしっかり出ていますね。口に含んだ瞬間はほろほろっとほぐれて軽やかなのに、噛むと心地よい粘りと歯ごたえを感じます。そして飲み込む際に舌の両脇からじわーっと甘みが沸き上がり、そのあとにふわっとお米の香りが戻ってくる。その香りは、口の中が空になってもまだ鼻腔に残っていて食欲をそそります。こんなに時間をかけて、五感のすべてでお米を楽しませてくれる炊飯器ははじめてですね。

冷めたときのお味は?

あら熱が取れたあとでもツヤは変わらず、冷めた状態でもきちんと香りが残っていることに驚きました。しかもラップでしっかり結んでも、口にしたときの粒々感が温かいときと同じように楽しめる。甘くもっちりしていながら、さくっとほぐれる食感というのはすばらしいですね。おにぎりにするとさらっと軽い感じになるので、いくらでもいけそうです(笑)。それでいて、あとあとまで甘みや香りが残っているので、しっかり食べた満足感を味わえます。

今までの「本炭釜」との違いは?

これまではどちらかというと、コシヒカリなどのポピュラーなお米の特性に合わせて、もっちり感や粘り、甘みを重視した炊き上がりだったと思います。これはこれでとてもおいしいんですよね。でも年齢とともに、甘みよりも食感や食べたときの軽やかさ、食後のお腹へのたまりにくさなどを求めるようになったのも事実。その点、新しい「本炭釜」は、ササニシキという市場に出回りにくいお米の特性をうまく引き出し、今までにないさらさら感や軽やかさまでをも楽しませてくれます。今の時代に合った進化だなと感じました。

お米にはどんなこだわりを?

お米選びや炊飯で大事にしたいのは、香りと食感ですね。お米の香ばしさや粒々感は、他の食材では決して味わえないもの。いくら食べてもこれだけは飽きることがありません。とはいえ、食事においてはごはんだけが際立っていてもダメなんです。大切なのは、お米とおかずでおいしさと栄養のバランスを整えること。ごはんとおかずを交互に味わう独自の文化は、和食の原点といえます。おかずに合わせてお米を選んだり、炊き方を工夫してみるのもごはんの楽しみ方のひとつ。おかずとの口中調和や食感・味の組み合わせを考えて、ごはんをより豊かに味わいたいですね。

塩むすび RECOMMEND

小田さんが考えるこのごはんの一番おいしい食べ方は?

ごはんそのものを楽しみたいので、塩むすびですね。炊き上がって蓋を開けたときの香りのよさとにぎりやすさ、時間を置いて出てくる甘みや粘り。どの瞬間にも満足できそうです。