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新型宇宙ステーション補給機 HTV-X

提供:JAXA

HTV-Xは宇宙ステーション補給機(HTV)に続く補給機として、国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給だけでなく、軌道上技術実証や実験利用に係るプラットフォーム提供、将来の国際宇宙探査への活用などを目的とした新たな無人補給船です。当社はこれまで国内初の物資補給機であるHTVの頭脳部(電気モジュール)の開発をHTV1号機~9号機まで全て担当してきましたが、HTV-Xでは宇宙空間を飛行するために必要な全機能が集約されたモジュール(サービスモジュール)の開発を担当しています。

納入先
宇宙航空研究開発機構
打ち上げ時期
1号機:2024年度
2号機:2025年度(予定)
3号機:2026年度(予定)
打ち上げロケット
H3ロケット
打ち上げ場所
種子島宇宙センター
軌道(高度)
300~500km
質量(打ち上げ時)
総質量:約16トン/ペイロード:約6トン
ミッション期間
(ISS係留期間)
最長6ヶ月
ミッション期間
(ISS離脱後飛行能力)
最長1.5年
当社担当
サービスモジュール(SM)、運用管制システム

ISSへの補給能力強化

従来HTVでは与圧部・非与圧部合わせて約4トンの物資を輸送できたのに対し、搭載量を約5.85トンと45%増加、加えてカーゴ容積も従来比で約60%増となっています。また、ISSへの滞在期間も従来の最大60日間から6ヶ月間に延長されています。現時点ISSへの補給手段は、HTV-X以外にもドラゴン(米)、シグナス(米)、プログレス(露)などがありますが、大型の船内貨物(実験ラック等)を運搬/廃棄可能なのはHTV/HTV-Xのみです。

※ 棚構造質量を除いたNet(内容物)貨物量

将来の宇宙技術・宇宙システムへの発展性確保

技術実証プラットフォームとしての活用
HTV-XではISS離脱後も最長1.5年間軌道上にとどまり、各種技術実証実験のためのプラットフォームとして利用することが計画されています。(例:自動ドッキング技術実証、宇宙機器・センサの搭載実証、物資回収技術実証など)

将来の国際宇宙探査に向けた発展
将来の国際的な宇宙探査にHTV-Xの活用が検討されているため、様々なミッションに活用できる技術を獲得すべく、発展性を持たせています。(例:月補給機への発展性(月近傍有人拠点「Gateway」への物資輸送)、サービスモジュール単独使用に発展可能な設計仕様、居住モジュールに繋がる技術獲得など)


ISSにおけるHTV-X運用イメージ
ISSにおけるHTV-X運用イメージ

Gatewayに接近するHTV-Xのイメージ
月近傍有人拠点「Gateway」に接近するHTV-Xのイメージ

将来の国際宇宙探査を見据えたモジュール統合化(サービスモジュール)

従来HTVの電気/推進モジュール・曝露カーゴ搭載支援系を統合したものがサービスモジュール(SM)です。HTV-Xのバス機能(航法誘導制御、通信、データ処理、電力、熱制御、推力発生など)を全て集約しており、宇宙空間を飛行するための機能を有します。また、曝露カーゴ(ISS船外物資)・軌道上実証実験機器を搭載するためのサービス機能も有しています。当社はHTV-X SMでの軌道上技術実証実験で獲得した技術を生かし、将来の国際宇宙探査など様々なミッションに貢献していきます。


HTV-Xの構成
HTV-Xの構成

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