
『1917 命をかけた伝令』
今回レポートをするのは…
※2020年6月より当面の間、おすすめ映画ブルーレイソフトのレビューとなります。
編集部員R(女性)
雨と日差しの繰り返しがもうすぐ夏だなと感じさせてくれます。
雨の日は決まって自宅で海外ドラマや映画を見ています。海外ドラマはわりとシーズンが長いものも多いので、気になる作品を見終えるまではまだまだかかりそうです。
編集部員S(女性)
今年は、初めて梅酒作りに挑戦しました。
梅酒よりも梅の実を食べるのが好きなので、味見といいながら、ちょいちょい食べています。そろそろ、食べ頃になりそうで楽しみです。
S今回のレポートは、2020年2月に公開された『1917 命をかけた伝令』です。
R第92回アカデミー賞で撮影賞、視覚効果賞、録音賞を授賞し、第73回英国アカデミー賞では、作品賞を受賞した他、最多7部門を受賞するという快挙を成し遂げてます。イギリス好きの我が家で何度か話題になり、気になっていた作品でした。
S『007 スペクター』のサム・メンデス監督が手掛けた作品ということもあり、期待が高まりますね。それでは早速、あらすじからご紹介しましょう。
第一次世界大戦真っただ中の1917年のある朝、若きイギリス人兵士のスコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)に一つの重要な任務が命じられる。それは一触即発の最前線にいる1600人の味方に、明朝までに作戦中止の命令を届けること。その1600人のなかにはブレイクの兄も配属されていた。進行する先にはわなが張り巡らされているが、戦場を駆け抜け、この伝令が間に合わなければ、兄を含めた味方兵士全員が命を落とし、イギリスは戦いに敗北することになる―。刻々とタイムリミットが迫るなか、2人の危険かつ困難なミッションが始まる。

S第一次世界大戦を舞台にしたこの映画、全編ワンカットに見えるように撮影されたということでしたが、いかがでしたか?
Rまさにサバイバルゲームの中にいるような感覚でしたね。主人公たちと一緒に目的地に向かっている気持ちで観ていました。
S同感です。映画の中に入り込んでしまうような臨場感は、ワンカットならではの映像体験です。私も一瞬で映画の世界に入り込んでしまいました。
Rストーリーは至ってシンプル。味方の兵士たちを助けるために、最前線にいる仲間へ作戦中止の伝令を伝えるというミッションを課せられ、それをクリアできるかという内容なのですが、様々な難関が待ち受けているわけですね。
S塹壕(ざんごう)という敵の銃砲撃から身を守るために作られた堀の中の細い通路を進むシーンでは、これってどうやって撮っているんだろう?と思って、後で特典映像を観たら、カメラマンが後ろ向きに進みながら撮影したり、次々にバトンタッチするようにカメラを変えたり、とにかく大変そうでした。
Rワンカットに見せるためのこだわりがすごいですね。それが圧巻の臨場感を出す手法なんでしょうね。匂いや触感すら伝わってきました。この映画は、イギリス兵が体験する一日の出来事ですが、時間の流れがあっという間に感じます。
S撮影手法だけでなく、ストーリーもよく練られているなと思うんですよ。様々な命の危険に立ち向かいながら、そこに描かれる友情や兄弟愛は、より深く尊く映ります。
Rゲームをクリアして進んでいくようなエンタメ性もあり、道中でいわゆるゲームでいうアイテムをゲットしたり、助けてくれる人に出会ったりなど、現代の若者でも入り込みやすいストーリーが用意されていましたよね。
Sはい、サム・メンデス監督は「戦争体験をしていない世代にこそ、戦争の愚かさや恐ろしさを感じて欲しかった。だからリアリティにこだわった。」と話していました。実際の戦争体験には及ばないでしょうが、十分に感じとることができました。
R周りを固める出演者も豪華で、ベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファース、アンドリュー・スコット、など英国のスター俳優が勢ぞろい。夢のように豪華なキャスティングです。
Sそうですね。特に、ベネディクト・カンバーバッチは、短い出演時間にもかかわらず、その存在感はさすが。大佐としての威厳と強固な姿勢を見事に表現していました。
R国のため、家族のためを思って死を覚悟しなくてはいけない戦時下ですが、考えてみると、1917年ってそんなに昔のことではないですよね。サム・メンデス監督が11歳か12歳の頃、第一次世界大戦に従軍した祖父から聞いた話が、今作を作ったきっかけだとか…。
S戦争を体験している人が少なくなっている時代だからこそ、この映画のリアリティが必要な気がします。映画館の大画面で観たかったです。
Rブルーレイディスクの特典映像には、ワンカットに見せるための撮影舞台裏、監督や撮影担当の解説などがたっぷりと収録されています。ぜひ、ご覧ください。
次回もお楽しみに!
2021.07.20


