ごく普通の映画好き編集部員による試写会レポート

第92回
『博士と彼女のセオリー』

今回レポートをするのは…

※2020年6月より当面の間、おすすめ映画ブルーレイソフトのレビューとなります。

編集部員R(女性)

あっという間に2021年の終わりが近づいてきました。
日々断捨離を心がけていますが、1つ捨てると1つ新しいものを買ってしまい、なかなかうまくいきません。そろそろ大掃除を始めないと…ですね。

編集部員S(女性)

お休みの日、天気が良かったので家中の窓を磨いてカーテンを洗いました。ピカピカのガラスに清潔なカーテン、それだけで部屋の中が見違えるようにぐんと明るくなりました。

S今回のレポートは、2015年に日本で公開された『博士と彼女のセオリー』です。

Rエディ・レッドメインが、“車椅子の天才物理学者”スティーヴン・ホーキング博士を熱演し、第87回アカデミー賞で「主演男優賞」を受賞したことで、話題となりましたね。

Sスティーヴン・ホーキング博士のお名前は聞いたことがあったのですが、実話を元に作られた作品ということで、どのようなストーリーなのか楽しみです。まずは、あらすじからご紹介します。

あらすじ

1963年、ケンブリッジ大学で理論物理学を研究するスティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)は、中世詩を学ぶジェーン・ワイルド(フェリシティ・ジョーンズ)と出会い恋に落ちる。ところが、時を同じくしてスティーヴンは筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症、余命2年と宣告される。それでもジェーンは、将来を悲観したスティーヴンや周囲の反対を押し切り、彼と結婚する道を選ぶ。ジェーンの献身的な支えを受け、スティーヴンは意欲を取り戻し研究に打ち込むようになる。やがて研究が認められた彼は時の人となるが、次第に介護と育児に追われるジェーンとの間にすれ違いが多くなり、さらには病状も悪化していく。

S世界的に有名なスティーヴン・ホーキング博士の半生を描いた映画。ご覧になってみて、いかがでしたか?

R博士の天才的な頭脳についてはもちろんですが、病気の苦悩や家族との関わりについて、とても丁寧に描かれていましたね。

Sこの作品は、実話を元に作られているとのことですが、かなり驚きの内容でした。

Rスティーヴンがケンブリッジ大学の大学院に在籍中にジェーンという女性に出会うのですが、彼が「余命2年」と宣告されたにもかかわらず、彼を支えながら一緒に病気と闘っていく決意をして、結婚。これだけでも相当すごいことだと思います。

S私には、とても真似できません。スティーヴンを献身的に支える妻ジェーンの愛が、深すぎる!

R三人の子供にも恵まれ、家庭を築き上げていきますが、スティーヴンのALSの病状が悪化していくにつれて、ジェーンへの負担が大きくなり、二人の関係も少しずつ変わっていきましたね。

S厳しい現実を目の当たりにして、二人とも辛そうでした。少しずつ体の自由が利かなくなり、病状が進行していく姿をエディ・レッドメインが見事に演じていました。

Rあの演技は、圧巻としか言いようがありません。小刻みに震える手足、瞳の動き。さすが、アカデミー賞の主演男優賞を受賞しただけのことはありますね。

Sスティーヴンは、自分の介護と子供の世話に追われる妻の負担を少しでも和らげるため、ジョナサンという男性が家に出入りするのを受け入れることにします。介護の手助けをしたり、子供たちの世話をするうちに、ジョナサンはジェーンの心の支えにもなっていくわけですが…。

Rスティーヴンとしては、様々な心の葛藤があったでしょうね。この後、3人がどうなったのかは、映画をご覧いただくとして、ホーキング夫妻には、普通の夫婦愛を超えるものが感じられました。お互いを尊重し合い、認め合う広くて深い心。

Sそうですね。それから、あんなに大変な難病を患いながらもスティーヴンはどこかチャーミングで、ユーモアがある。人としての彼もすごく魅力的なんですよね。実際にホーキング博士がスピーチをしている動画を見たのですが、ジョークで周りの人を笑わせていました。

Rホーキング博士は、映画の公開をとても喜んでいたみたいですね。残念ながら2018年に亡くなったとのことですが、21歳で余命2年と言われてから50年以上病気と闘い続けて、偉業を成してこられたのは、奇跡としかいいようがありません。

S最後に映画の中で印象に残ったセリフをご紹介したいと思います。「人間の挑戦に境界はない。どんなに不幸な人生でも生きていれば希望はある」。スティーヴンの言葉だからこそ、重みがあります。

Rまさに名言ですね。この映画を通じて、夢を持つことの大切さをあらためて教わった気がします。ブルーレイディスクの特典映像には、未公開シーンや撮影現場を見学するホーキング博士と妻ジェーンのインタビューなどが収録されています。

S皆様もぜひ、ご覧になってみてください。

次回もお楽しみに!

2021.11.17