特定チップにサージ電流が集中する原因を
世界で初めて解明し、回避に成功しました。

概要

三菱電機では、サンプル提供を2023年5月31日に開始した鉄道車両・直流送電などの大型産業機器向け3.3kVフルSiC※1パワーモジュール「FMF800DC-66BEW※2」において、新構造SBD※3内蔵SiC-MOSFET※4を適用しました。

鉄道車両用推進制御装置などの小型化や省エネルギー化、直流送電の普及促進などを通じてカーボンニュートラルの実現に貢献します。

当社は今回、パワーモジュール内の並列接続されたチップにおいて、サージ電流※5が特定のチップへ集中するメカニズムを世界で初めて※6解明し、すべてのチップが一斉に通電を開始してサージ電流が各チップ内全域に分散する新チップ構造を開発しました。

これにより、サージ電流耐量※7を当社従来技術と比べて5倍以上に向上し、従来のSiパワーモジュールと同等以上のサージ電流耐量が得られたことで、パワーモジュールへのSBD内蔵SiC-MOSFETの適用を実現しました。

開発した新チップ構造
(上:チップの断面図、下:チップを上から見た並列接続図)

ニュースリリース

※1Silicon Carbide:炭化ケイ素

※22023年5月8日広報発表。

※3Schottky Barrier Diode:半導体と金属の接合部に生じるショットキー障壁を利用したダイオード

※4Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体製の電界効果トランジスタ

※5回路からパワーモジュールに対し、定格電流を超える電流が瞬間的に流れる突発的な動作。

※62023年6月1日現在、当社調べ。

※7サージ電流が発生した場合にパワーモジュールが耐えられる限界電流。

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