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これだけは知っておこう、『中学⽣からの環境⽤語』 これだけは知っておこう、『中学⽣からの環境⽤語』

SX SX

気候変動や新型ウイルスによるパンデミック、資源の枯渇など、今までにないほどの大きな変化が起きている現在、経済や社会の仕組みを持続可能な形にサステナブル)、根本から変革(トランスフォーメーション)していこうという動きのことを言います。

ビジネス分野では、「収益性か社会性か」という二元論ではなく、社会課題の解決をしながら企業の成長も果たしていく、そのために企業にはこれまでの枠組みを超えた変革を考えていくことが求められます。そして、それがESG(環境・社会・ガバナンス)の評価にもつながるといった好循環を目指します。

経済産業省でもSXを“サステナブルな企業価値創造”のための戦略として取り上げています。ここでは、SXの実現には「企業のサステナビリティと社会のサステナビリティ(社会課題、将来マーケット)の同期化」が必要であると示しています。

*この記事は2022年1月の情報を元に掲載しています。

SXがどうして注目されているの? SXがどうして注目されているの?

SX(サステナブル・トランスフォーメーション)が注目される背景にはどのようなことがあるのでしょうか。今、時代は大きな変革期を迎えています。

最も懸念されるのが気候変動による自然災害の多発、生物多様性の減少です。これらの問題の原因となっている温室効果ガスを減らすために国際的な枠組み「パリ協定」が締結され、日本を含む多くの国で2050年までにカーボンニュートラルを実現することが求められています。このため、組織から市民に至るまで、いかにして温室効果ガスの排出を減らすかという大きな課題に直面しています。

加えて、プラスチックゴミや食品ロスの問題も浮上し、資源をいかに有効に循環させて使うか(サーキュラーエコノミー)という課題解決も求められています。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うパンデミックによる社会活動、経済活動の変化、グローバル経済に対しての先行き不透明感、働き方の変化なども、SXを考える上で外せません。国内外での経済格差の拡大、貧困率の拡大などもパンデミックが影を落としました。

一方で、投資家たちはこれらの問題を解決するESG投資に注目し、その投資額は年々急拡大しています。

このように環境、経済、社会のあらゆる面で大きな構造的な変化が起こりつつある時に、将来世代のことも考え、これらの課題を少しでも解決するSXが求められているのです。

SX

既存の枠組みを超えるオープンイノベーション 既存の枠組みを超えるオープンイノベーション

SXを推進するには、これまでのビジネスの枠組みを超えた発想とイノベーションが必要となります。そのために注目されているのが「オープンイノベーション」という仕組みです。これは、組織の枠を超えて、他社や大学・研究機関、自治体など、異業種、異分野が持つ技術やアイデアなどを有機的に結合させることにより、持続可能な社会をつくるためのイノベーションを促進していこうという方法です。

たとえば、家庭用品を販売する大手日用品化学メーカー数社は、洗剤やシャンプーなどの使用済み詰め替えパックの回収や研究開発を共同で行い、将来的にはフィルムからフィルムに再生する「水平リサイクル」を目指しています。
電動化、脱炭素の波が押し寄せる自動車業界もSXの必要性に迫られています。大手自動車メーカーは新たなサービス案を社外から募集、実現するプログラムを実施しています。

三菱電機も環境対策などの技術資産を社外連携するための「Open Technology Bank」活動を始め、これまでの枠組みを超えた連携でSXを推進しています。

https://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/chiteki/otb/

「Open Technology Bank」の一例

「Open Technology Bank」の一例(衛星観測ソリューション)

SDGsの解決へ導く、パートナーシップや協働で推進するSX SDGsの解決へ導く、パートナーシップや協働で推進するSX

SXを推進していくには、1事業者だけでなく、同じ課題の解決を目指す企業やNGO/NPO、行政など異なる関係団体と協働していくことが変革を起こすための大きな力になります。特にSDGsで目標とされているグローバルな課題の解決には欠かせません。

たとえば、トイレなどの水まわり製品と建材製品を開発、提供するグローバル企業LIXIL(リクシル)は、SDGsの目標6に「安全な水とトイレを世界中に」の達成に向けて、2018年から国際連合児童基金(ユニセフ)と連携してアフリカで活動しています。世界の約17億人が安全なトイレを利用できないでいる中、ユニセフのネットワークや知見を活かしながら衛生教育を行い、安価で機能性に優れた同社の「SATO」ブランドの簡易式トイレや手洗い器の開発や設置などを通じ、学校や地域で290万人の衛生環境の改善に貢献しました。

世界20カ国以上でリサイクル事業を手がける米国のベンチャー企業が進める再利用可能な容器ボトルの循環システムも多くの企業と協働するプロジェクトです。これは、再利用可能な容器ボトルを販売し、使用後に容器ボトルを回収し、洗浄、再充填の後に再販売することでごみを減らします。日本でも大手食品メーカーや大手流通企業が参加し、導入が始まっています。このプロジェクトはSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」の「再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する」というゴールに寄与します。

ケニアではスツール式トイレ「SATO」が障がいを持つ子どもたちのトイレ環境を改善(写真提供LIXIL)

ケニアではスツール式トイレ「SATO」が障がいを持つ子どもたちのトイレ環境を改善(写真提供LIXIL)