地球観測衛星➁
-
今回も人工衛星ですねっ。この「いぶき2号」は地球の周り全体の温室効果ガスの観測をするんですか?
-
そうじゃ。そのため、 「ひまわり」のようにいつも同じところから地球の一部分を観測するのではなくて、地球の周りをぐるぐる回っているんじゃ。
-
ぐるぐる回るって、どのくらいの速さで飛んでいるのかしら。
-
「いぶき2号」は地上613kmの高さのところを秒速7.6kmの速さで飛んでおり、約98分で地球を一周するんじゃ。1日で地球を15周もするんじゃよ。
-
わぁ~っ、速っ! 飛んでいる高さも「ひまわり」は地上36,000kmなので、「ひまわり」に比べるとずいぶん地球に近いところを飛んでいるんですね。
-
人工衛星は目的によって、さまざまな軌道で飛んでいるんじゃよ。「いぶき2号」は地球全体を観測するために、地球の周りを飛びながら観測する地域を少しずつずらしていき、6日でまた元の場所に戻ってくるんじゃ。
-
あの~、でもそもそも、温室効果ガスの濃度って、人工衛星で観測する必要があるのですか? 温室効果ガスが発生するのは地上なので、地上で観測するだけで十分な気がするんですけど。。。
-
地上でもいろいろ観測は行われておるが、地点の数が少なく地域も限られてしまう。さらに観測センサの種類や性能にばらつきがでてしまう。それを人工衛星ならば地球のほぼ全域にわたって、ひとつのセンサで観測できるので、正確にしかも均一にデータを取得できるんじゃ。こんな感じじゃ。
「いぶき2号」が観測した二酸化炭素濃度(2019年9月)
-
へぇ~っ、人が住んでいないようなところや海の上まで、ばっちり観測できるんですね。
-
さらに、気候変動のリスクを算出・予測する上では、地上だけでなく上空までを含めた温室効果ガスの平均濃度を算出することも重要なんじゃよ。「いぶき2号」は、発電所や石油・天然ガス田・ごみ処理場などの温室効果ガスの大規模排出源を観測ポイントとして設定して詳しく観測したり、一酸化炭素を観測することで、二酸化炭素の発生源を把握することもできるんじゃ。
-
「いぶき2号」、すご~い! この人工衛星は、地球の温暖化防止に向けた取組になくてはならない存在ですね。
-
“温暖化”じゃと..? 最近は、のんびりと暖かくなっているような”温暖化”ではなく、”気候変動”、さらには”気候危機”という言葉も使われるようになっており、この問題への国際的な取組は待ったなしじゃ。「いぶき2号」は、気候科学と気候変動に関連する政策に貢献するというミッションのもと、その観測データは無償で広く一般の方々にも公開されておる。「いぶき2号」は今後、もっともっと多くの人にとって、だいぶ気に(いぶき2)なる存在になってくるぞ。
-
博士、、、寒い!? 。
いぶき2号
「いぶき2号」は、欧米に先駆けて打上げられた世界初の温室効果ガス観測専用の衛星「いぶき」(GOSAT:2009年1月打上げ)の後継衛星です。三菱電機は、「いぶき」において担当した衛星システムの開発・製造に加え、高性能な観測センサーの開発・製造、地上設備の構築、打上げ後の衛星の管制運用をトータルで担当しています。
高性能な観測センサーにより、温室効果ガスの濃度分布測定精度向上に貢献
世界の温室効果ガス計測の基準となる実用測定精度の確立を目指し、観測センサーの高性能化を実現します。
さらに、有効データが取得できない雲を避け、自律して雲の無い領域を指向・観測するインテリジェントポインティング機能を新たに搭載し、飛躍的な有効観測データ数の向上に貢献します。
観測対象に一酸化炭素を追加、さらにPM2.5などの監視にも活用
温室効果ガス観測センサーに新たな観測波長域を追加したことにより、「いぶき」の観測対象(二酸化炭素・メタン・酸素・水蒸気)に加えて、一酸化炭素も観測します。さらに、雲・エアロソルセンサーへの観測波長域追加により、微小粒子状物質(ブラックカーボン、PM2.5等)を推計し、大気汚染監視に貢献していきます。
いぶき2号による2019年2月3月、2020年2月3月の一酸化炭素濃度の全球分布 (大気全体平均)
トータルシステムの提供により、データ品質向上に貢献
衛星システム・観測センサーの開発・製造のほかに、衛星データの処理等を含めた地上設備の構築、打上げ後の衛星の管制運用もトータルで担当することで、トータル観測システムとしてデータ品質の維持・向上に貢献します。