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#020

プラスチックリサイクル①

画像 プラスチックリサイクル
こちらは、
使用済みの家電やOA機器等の資源リサイクルを事業とする三菱電機グループの関係会社の建物じゃ。
ここが特長!
冷蔵庫・洗濯機といった白物家電から、コピー機や業務用の空調設備まで幅広く電化製品のリサイクルを取り扱っておるぞ。
ここがスゴい!
ここで処理された電化製品の「97%」が鉄やリサイクルプラスチックなどに分解され、リサイクル素材として、また新しい製品に使用されることになるんじゃ。
研究生 エコちゃん

「資源が有効活⽤され、持続的に循環する社会」を意味する“サーキュラーエコノミー”という言葉を最近よく聞きますね。

博士

今回紹介する「㈱ハイパーサイクルシステムズ」(HCS)は、業界で初めてとなる家電リサイクル工場の稼働を1999年に開始したんじゃ。

研究生 エコちゃん

もうその頃からリサイクルに取り組まれてたんですね。

博士

そうじゃ。その頃はすでに3R (Reduce, Reuse, Recycle)が話題にあがるようになっており、製造業者に「引取りとリサイクル(再商品化等)」を義務付ける家電リサイクル法が施行されたのは2001 年じゃが、それに先立ち、会社を設立し、リサイクルを始めておったということじゃ。

研究生 エコちゃん

どのくらいの家電がHCSでは処理されているんですか。

博士

家電リサイクル法で回収とリサイクルが義務付けられている、エアコン・洗濯機(乾燥機)・冷蔵庫(冷凍庫)・テレビを「家電4品目」というんじゃが、それらの2021年度の処理重量は約3.6万トンじゃ。「家電4品目」以外の電化製品も含めると約4.1万トンじゃ。

研究生 エコちゃん

4.1万トン . . . !? ちょっとイメージしにくいのですが。。。

博士

他に例えれば、こんな感じじゃ。

画像 HCS

HCSは「特定家庭用機器再商品化法」に基づいて経済産業大臣と環境大臣から許可されている処理工場の一つで、小売業者や市町村で回収された使用済みの家電(廃家電)をたくさん処理しているんじゃ。

研究生 エコちゃん

すごい量ですね! HCSでは古い家電をどのように処理しているのかしら。

博士

まずは「手解体」といって、素材価値の高い部品や、環境に影響のある物質を含む部品や素材を中心に分解・回収を行うんじゃ。その後、「破砕機」といって、手解体で少しだけ身軽になった廃家電を粉々に粉砕する大きな機械に投入するんじゃ。

研究生 エコちゃん

粉々にしちゃったら、その後の分別が大変そうなんですけど、大丈夫ですか?

博士

そこで発揮されるのが、HCSならではの高度な分別技術じゃ。

①風力選別
風力により、素材化の難しいダストなどの軽量物を取り除く
②磁力選別
強力な磁石により鉄を選別し、回収
③ふるい
金属を効率よく選別するため、大小の2種類の大きさに分別
④非鉄選別
渦電流選別機により、銅やアルミニウムなどの非鉄金属を回収
⑤ふるい
異物を取りやすくするために、粒の大きさをそろえる。
⑥比重選別
金属片を取り除き、純度の高い混合プラスチックとして回収

このような選別処理を経て、リサイクル素材として廃家電の97%がふたたび有効活用されることになるんじゃ。

画像 リサイクル実績

画像 リサイクルプラスチック

リサイクルプラスチック

研究生 エコちゃん

すご~い。。。あの~、リサイクルプラスチックって、いろいろ混ざっているようですが、そのまま使えるんでしょうか。

博士

いゃ、リサイクルプラスチックは、製品に利用するための高純度プラスチックに再生するために千葉市にある「㈱グリーンサイクルシステムズ」(GCS)に送られて処理されるんじゃ。詳しくは次回お伝えするので、チバらくお待ちを。

研究生 エコちゃん

博士、、、寒い!? 。

#21 プラスチックリサイクル②に続く。

循環型社会の実現に向けて

ハイパーサイクルシステムズでは、高い技術と専用設備により、使用済み家電製品から純度の高いリサイクル素材を生み出しています。

リサイクル事例 リサイクル事例
取材協力
写真

株式会社ハイパーサイクルシステムズ 
製造技術部 環境推進担当者
千葉 哲司

研究生 エコちゃん

「千葉さん、プラスチックリサイクルの事業に携わって印象に残ったことを一言お願いします。」

写真

粉々に粉砕した破砕物から、鉄・非鉄金属を取り除いたプラスチック残渣は、プラスチックとして利用するには不純物が多く含まれています。不純物を取り除くための選別装置は、最近では金属センサーや色彩画像センサー、更にはAIを活用したものまで登場していますが、古くからある技術、例えば、穀物の種から不純物を取り除く、お米から石やもみ殻を選別する、といった技術をプラスチックに応用した選別装置も沢山あります。他業種にも目を向け、トライ&エラーを繰り返し、現在の選別ラインを構築してきました。今後も材料の変化などにも対応した選別の最適化を目指していきたいと思います。