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#027

人権①

画像 人権
「人権」とは?
すべての人間が生まれながらに平等に与えられる権利じゃ。
「サステナビリティ」と「人権」の関係は?
三菱電機はサステナビリティ(豊かな社会の持続)のために責任を持って人権を守ることに取り組まなくてはならないものとしておるんじゃ。
三菱電機が人権に取り組む目的は?
人権侵害といった問題発生の防止だけでなく、人権にしっかりと取り組むことを情報開示することで、社会からの信頼を獲得でき、企業価値の向上につながるんじゃ。
研究生 エコちゃん

今回はこれまでの「エコちゃんの”サステナビリティですよ。”」で紹介してきた三菱電機グループの事業を通じた社会貢献とは、ちょっと違うような気がするんですけど。。。

博士

何を言うておる。サステナビリティの実現に向け、私たち企業が求められる取組が社会への”貢献”だけと認識しておらぬか? それだけではないぞ。こうじゃ。

画像 サステナビリティの実現に向けた取り組み

研究生 エコちゃん

あら。。。 確かに”貢献”だけに目が行っていました。社会に”貢献”すると同時に、社会課題を引き起こさないようにする”責任”があるということですね。

博士

そうじゃ。”貢献”はサステナビリティの実現に向けた取組の一面にすぎんぞ。今回のテーマである「人権」は、企業が”責任”をもって取り組まなくてはならない大事な社会課題の一つじゃ。

研究生 エコちゃん

そうだったんですね。でも、そもそも、どうして企業はそこまで真剣に人権に取り組むことになったんでしょうか。

博士

近年の経済のグローバル化により世の中が豊かになる一方、企業活動による人権・社会・環境への負の影響もクローズアップされるようになってきたんじゃ。

研究生 エコちゃん

最近、海外の途上国では小さい子どもたちが重労働をさせられているというような話を聞いたことがあります。かわいそうに。。。

博士

また一方で、リーマンショック等による世界的な不況を経て、世の中が企業の将来性にいろいろな観点で注目するようになったんじゃ。人権への取組もその一つじゃ。

研究生 エコちゃん

人権について、世の中が今まで以上に注目するようになってきたということですね。

博士

そうじゃ。このような時流のもと、国連が「ビジネスと人権に関する指導原則」というものを2011年に出したんじゃ。これがきっかけとなり、欧米を中心に人権に関係する法律の整備が進み、また企業にも人権への取組が求められるようになったんじゃ。

研究生 エコちゃん

そうした取組が、人権が守られずに大変な思いをしている人のためになるといいですね。

博士

企業が人権に取り組むことにより人権侵害をなくすだけでなく、人権に真剣に取り組んでいることを情報開示することで、社会からの信頼を獲得でき、顧客や調達先との良好な関係を維持できるんじゃ。

研究生 エコちゃん

そのような人権を大切にしている会社で働きたいと思う人、たくさんいると思います。職場が明るくなり、従業員の士気も高まりますね。

博士

そうじゃ。人権にしっかりと取り組むことは、企業価値の向上につながるんじゃよ。

研究生 エコちゃん

すご~い!。。。ところで、三菱電機はどのような人権の取組をしているんですか?

博士

もちろん、ちゃんと取り組んでおるが、その前に三菱電機が人権への取組をいかに大切なものと位置付けているか、おさらいしてみよう。こんな感じじゃ。

再生時間:70秒

研究生 エコちゃん

勉強になりました~! 三菱電機は、世の中から「技術」や「品質」が評価されているという話をよく聞きますが、”私たちの価値観”で「人」がちゃんと謳われていたり、企業理念にある「活力とゆとりある社会」を実現するための重要課題のひとつに「あらゆる人の尊重」が含まれているって、なんだか安心します。

博士

お~、そこまで感じ取ってもらえたか。今回はここまでじゃ。次回は、三菱電機グループの取組について解説していくぞ。「人権」は、ポジティブ思考で、ジンケン(真剣)に取り組んでいこう!

研究生 エコちゃん

博士、、、寒い!? 。😊

#028 人権② に続く。

人権とは

すべての人間が生まれながらに平等に与えられる権利のことであり、国連で採択された「世界人権宣言」で詳しく定められています。

世界人権宣言とは

法務省ウェブサイトより引用>

 20世紀には、世界を巻き込んだ大戦が二度も起こり、特に第二次世界大戦中においては、特定の人種の迫害、大量虐殺など、人権侵害、人権抑圧が横行しました。このような経験から、人権問題は国際社会全体にかかわる問題であり、人権の保障が世界平和の基礎であるという考え方が主流になってきました。
そこで、昭和23年(1948年)12月10日、国連第3回総会(パリ)において、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」として、「世界人権宣言」が採択されました。
世界人権宣言は、基本的人権尊重の原則を定めたものであり、それ自体が法的拘束力を持つものではありませんが、初めて人権の保障を国際的にうたった画期的なものです。
この宣言は、すべての人々が持っている市民的、政治的、経済的、社会的、文化的分野にわたる多くの権利を内容とし、前文と30の条文からなっており、世界各国の憲法や法律に取り入れられるとともに、様々な国際会議の決議にも用いられ、世界各国に強い影響を及ぼしています。
さらに、世界人権宣言で規定された権利に法的な拘束力を持たせるため、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)」と「市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)」の2つの国際人権規約が採択され、その後も個別の人権を保障するために様々な条約が採択されています。これらの条約が保障する権利の内容を理解し、広めていくことが一人一人の人権を守ることにつながるのです。

世界人権宣言 (外務省ウェブサイト)
経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約) (外務省ウェブサイト)
市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約) (外務省ウェブサイト)

企業に人権尊重の責任を求める動き

国家の義務とされてきた人権を守る取組は、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を契機として、企業の責任が問われるようになりました。国際規範(法的拘束力はない)から、NAP(国別行動計画)の策定、人権の取組を義務付ける法制化へと、企業の取組を促す動きが加速しています。

「ビジネスと人権」とは? ビジネスと人権に関する指導原則 (外務省ウェブサイト)

取材協力
写真

三菱電機株式会社
サステナビリティ推進部
松尾 敏之

研究生 エコちゃん

「松尾さん、三菱電機グループの人権の取組に携わって、日々大切と思われていることを一言お願いします。」

写真

サステナビリティ推進部の松尾です。
「人権を尊重する」ということは普遍的な価値観で疑いようのないことに思えるのですが、実際は考え方の違う人や、気が合わない人を尊重するというのは容易いことではありません。さらに人種、文化、国家・企業の利益などの要素も入ることを考えると、人権を尊重することは思いのほか努力を必要とするもののように思えます。
人権は常にライツホルダー(権利保持者)中心に考えることが重要だと言われます。人権が守られるためには、まず私たちが人権をよく知る必要があります。人権がどういうものかを知ることが、他人の権利を大切にし、人権侵害を防ぐことにもつながります。
私たちはビジネス上の人権に配慮することで、職場が働きやすくなり、社会的責任を果たしながらサプライヤーと強固な関係を構築できます。自身の事業・業務が、どのような人の、どの権利に負の影響を与える可能性があるのか、また、企業(私)はその人の権利を守るために何ができるか、一度考えてみてください。