ヘリコプター衛星通信システム(ヘリサット)
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ヘリコプター、カッコいいですね😊。上空から撮影している映像をテレビのニュース番組でみかけることがあります。
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ヘリコプターからの映像は、ヘリコプターと地上局とが直接通信して送ることもあるが、今回紹介するヘリサットは“ヘリコプター衛星通信システム”の略で、人工衛星を中継するんじゃ。
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あの~。ヘリコプターと地上局が直接通信するほうが簡単そうな気がするのですが、人工衛星を中継するヘリサットのメリットは何ですか?
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奥深い山間部や、地上局から離れた沿岸部のように、ヘリコプターと地上局が直接通信することができないところでも、ヘリサットは心配なしじゃ。
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なるほど~。確かに人工衛星は宇宙を飛んでいるので、何も遮るものはありませんね。
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まぁ、言うは易しじゃが、行うは難しじゃ。ここで使う人工衛星は”通信衛星”と言って、地球の上空36,000km(人工衛星ひまわりと同じ)の高い所を飛行しており、ヘリコプターが速度や向きを変えても、常にアンテナは人工衛星の方向を向くようになっておるんじゃ。
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アンテナが自動で向きを変えるんですね。う~ん、カシコイ。。。ところで、ヘリコプターのアンテナってどこに付いているんですか?
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ここじゃ。外からは見えんが、このオバQみたいな形のカバーの中にパラボラアンテナがあるんじゃ。
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そこにありましたかっ! 。でも、ヘリコプターが人工衛星と通信するときに、その位置だと、すぐ真上で回っているプロペラが邪魔にならないんですか? 通信が途切れそう。。。
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スルドい質問じゃ。ヘリサットでは、高度な制御技術により、高速で回転するプロペラの羽(ブレード)に当たらないように通信するんじゃ。こんな感じじゃ。
音声なし。再生時間:49秒
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すご~い😲! 神業的な制御ですね。でも、そんなに途切れ途切れでデータを送って、きれいな画像が送れるんですか?
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もちろんじゃ。ヘリコプターから人工衛星経由で地上局に送られる映像の画質は、地デジ放送相当じゃ。さらにヘリサットは、地上局から人工衛星経由でヘリコプターへも音声やデータを送れるんじゃ。つまりリアルタイムで双方向の通信ができるというわけじゃ。
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なんだか、凄すぎますね、この優れたシステムは、どういうところに納入されているんですか。
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総務省消防庁、自治体が整備する消防・防災ヘリコプター11機、国土交通省所有のヘリコプター全てに配備されており、災害時の情報収集手段として活躍中じゃ。
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頼もし~い。「安心・安全な社会づくり」に大きく貢献しているんですね。
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そうじゃ。ヘリサットが出動するのは、緊急を要する時が多く、だからこそ、その品質には高い信頼性が求められるんじゃ。この度、お客様からの要望にお応えし、ヘリコプターに搭載する機材を小型化・軽量化し、性能もアップしたぞ。
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素晴らし~い。ヘリサットの更なる普及に期待しちゃいます。
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もちろんじゃ。私は是非とも期待の機体を見に行きたい。
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博士、、、寒い!? 。😊
ヘリコプター衛星通信システム(ヘリサット)
ヘリサットは,世界初のヘリコプター搭載型の衛星経由の映像伝送システムとして2013年3月に京都市消防局に納入して以来,総務省消防庁,各地方自治体,国土交通省といった国・地方公共団体が保有するヘリコプターに搭載されています。詳細は図1、図2のとおりで、2023年3月時点で,国土交通省で9機,各地方自治体で11機に搭載されており、運用開始以来,口永良部島噴火・御嶽山噴火を始め,近年は多発する自然災害時(台風による大雨・洪水、地震等)の被害状況確認に活用されています。