各事業所で、生きもの調査から
始まる自然との共生を推進

地元・和歌山の自然と
調和する緑地づくり

地元・和歌山の自然と調和する緑地づくり

冷熱システム製作所では、2016年に新設した技術棟前の緑地の一部を「生きもの共生緑地」としています。このエリアに和歌山県固有の樹種を植え、事業所周辺にある緑地とつながりを持たせることで、鳥類などを呼び込もうと取り組んでいます。

そのために樹木の高さにバリエーションを持たせるほか、県木・県花を採り入れるなど、「和歌山県らしい」緑地になるような工夫も凝らしています。

事業所所在地

〒640-8686 和歌山県和歌山市手平六丁目5番66号

主な取扱製品

冷凍機、冷凍・冷蔵クーリングユニット、ユニットクーラー、パッケージエアコン、チリングユニット、業務用除湿機、圧縮機

主な取組テーマ
  • 外来種管理に向けて生きもの調査を実施[A-1-(2)]
  • 地域在来種を主体とし、鳥類などの休憩地となる緑地の造成[B-4-(1)][B-4-(2)][B-4-(3)][B-4-(4)]
  • オフィス内に緑地を導入 [C-6-(1)] [C-6-(2)]

[ ]内は 取組テーマの分類を示します。詳細については以下を参照ください。

冷熱システム製作所の活動の方向性

取組の特徴
  • 技術棟周辺に造成する緑地の一部を、生物多様性に配慮する「生きもの共生緑地」と定めて重点管理

冷熱システム製作所の活動テーマ

山に囲まれた事業所。周辺とのつながりを意識して鳥類などを呼び込む

生きもの調査実施風景(冷熱システム製作所構内)生きもの調査実施風景(冷熱システム製作所構内)

プラスチックコンテナを利用したビオトープ。規模こそ小さいが、トンボなどの利用が確認されているプラスチックコンテナを利用したビオトープ。規模こそ小さいが、トンボなどの利用が確認されている

当製作所では2016年の技術棟新設を機に、生物多様性に配慮した重点管理を行う「生きもの共生緑地」を設定しました。この技術棟は地元・和歌山の特徴を前面に出して建設しており、地域在来の樹種を植える緑地は、棟全体のコンセプトにも合致しています。

活動開始から5年が経った2021年には、構内に生息する生きものの現状を見える化すべく、社外の調査会社に依頼して生きもの調査を実施しました。調査の結果は生きものリストとしてWebサイト上に公開するほか、結果の一部を従業員向けの「生きもの図鑑」としてまとめ、イントラサイトなどを通じて発信しています。

当製作所は山や海に囲まれた地域にあります。敷地面積が小さいため大きな緑地を設けることは難しいものの、周辺の緑地や水場とのつながりを意識して設計し、鳥類や昆虫を呼び込む緑地として整備しています。この緑地の管理と並行して、プラスチックコンテナを利用した小規模ビオトープの設置などにも取り組み、生きものが立ち寄りやすい環境づくりを進めています。

事業所の緑が、周辺の緑地との中継地に

事業所の緑が、周辺の緑地との中継地に

生きもの調査を通じて環境の変化を確認

2021年度には、春(植物・鳥類)、夏(植物・昆虫類)、秋(植物・鳥類・昆虫類)、冬(鳥類)の4回にわたって生きもの調査を実施しました。調査は構内に点在する7つの緑地を対象に、生きものの種類や数を目視で確認したほか、昆虫については捕虫網(虫取り網)での捕獲調査も行いました。また冬季調査では自動撮影カメラを3か所で設置し、確認された種を記録。構内の緑地や水辺に立ち寄る生きものの種類と頻度を調査しました。
これとあわせて、事業所近隣の自然公園などの緑地についても調査を行い、地域の生物相の特徴を確認しています。

調査の様子調査の様子

自動撮影カメラに映ったチョウセンイタチ。カメラを用いた調査は、夜間の生きものの様子を確認しやすい自動撮影カメラに映ったチョウセンイタチ。カメラを用いた調査は、夜間の生きものの様子を確認しやすい

1年にわたる調査の結果、事業所構内では計202種の植物と、14種の鳥類、51種の昆虫を確認。飛翔する種を中心に多様な生きものが緑地に立ち寄っていることが確認された一方で、個体数はそれほど多くないことがわかりました。
そこで、今後は水辺のほか、より多くの生きものが利用しやすい植栽を増やすことを検討しています。例えば、チョウの仲間が利用しやすいカラスザンショウやスミレなどです。また、注意すべき外来種であるオオアレチノギクやセイタカアワダチソウも確認されたことから、今後はこの防除などにも取り組んでいく予定です。

各調査の終了後、結果をわかりやすくまとめた「生きもの図鑑」(春~冬)を作成しました。この生きもの図鑑はイントラサイトに掲載し、従業員がいつでも閲覧できるようにしています。今後も従業員の生きものや環境への興味・関心を高める取組を継続していきます。

従業員向けに作成した生きもの図鑑従業員向けに作成した生きもの図鑑

従業員向けに作成した生きもの図鑑

“和歌山らしい緑地”を目指して

技術棟の前に設けられた緑地は道を挟んで2つのエリアに分かれています。当製作所ではその片方を「生きもの共生緑地」として、環境保全課のメンバーが管理しています。地域在来の鳥類に餌場や休息地として利用してもらうため、植栽に高低をつける工夫をするほか、今後は水場の設置なども検討しています。もう一方の区画は、緑地管理を行うグループ会社が、お客様や社員の目を楽しませる憩いの場としての機能を優先して管理しています。

■ 緑地のコンセプト

「生きもの共生緑地」では

生きもの(鳥類)が利用しやすい緑地づくり

  • 主に地域在来の樹種を選定(県内産の苗)。様々な鳥類が利用できるよう、高さの異なる樹種を取り混ぜて植える。
  • 地元の山々をイメージして地面に起伏を持たせ、頂上にシンボルツリーとして付近の山に多いカツラを植えるなど、「和歌山らしさ」を意識する。

生きもの(鳥類)が利用しやすい緑地づくり

その他の区画では

お客様や社員を迎える、憩いの場としての緑地づくり

  • 目で見て楽しめるよう、きれいな花や果実をつける樹木・草を選定する(果実は鳥類の食物にもなる)。
  • 県花であるウメを植えるなど、ここでも「和歌山らしさ」をアピールする。

地域と調和する事業所へ ~地元・和歌山を感じさせる工夫~

屋内緑地の光源には太陽光を集めて活用。CO2の排出も抑え、環境に配慮した設計となっている屋内緑地の光源には太陽光を集めて活用。CO2の排出も抑え、環境に配慮した設計となっている

生きもの共生緑地とともに2016年に竣工した技術棟は、地元・和歌山県の風物を想起させるよう設計した施設です。例えば、各階に存在するフリースペースは、それぞれ海・森・空・太陽と、和歌山の自然をイメージしたデザインにしています。また、会議室や応接室の名称は県内の名所にちなんでつけるなど、事業所を訪れるお客様に地元の風物を積極的にアピールしています。そうした工夫に加えて、回廊状に配置された建物の中心には屋内緑地も設置。お客様や従業員の憩いの場となっています。
今後も緑地のみならず、構内の様々なエリアで地域と調和する環境づくりに取り組んでいきます。

管理者、担当者コメント

管理者、担当者コメント

当製作所の周辺に目を向けると、北には和歌山城、南には秋葉山、対岸には和歌川河川敷と、複数の大きな緑地や水辺が存在します。生物多様性保全活動を行う上では非常に恵まれた環境です。今回、課員が作成した「生きもの図鑑」には事業所周辺で見られた生きものも掲載していますが、それらの生きものがゆくゆくは製作所内の緑地にも飛来し、憩いの場としてくれるよう、これまで以上に努力していきます。
とはいえ、ひとつの活動にかけられる時間的・費用的コストは限られています。ですから、できる限りコストをかけずに生きものの憩いの場を創生・管理していくような、いわば「お金をかけない生物多様性保全活動」の手法も確立していきたいと考えています。

製造管理部 環境保全課 課長 津守 秀成

専門家の方とともに生きもの調査で構内を巡り、普段なら見えてこないものがたくさん見えてきました。特に興味を覚えたのは小さな虫などの顔です。ルーペで拡大してみるととても可愛らしく、見ていて気持ちが温かくなりましたので、構内で働いている他の従業員にも、この気持ちを共有したいと強く感じました。
会社の工場は第一に仕事をする場です。でも、そんな場所にも緑があり、生きものがいて、少し意識を向けるだけで温かい気持ちになれる。生物多様性保全への取組を通じて、そんな風に自然を身体で感じられる場をつくっていきたいと思います。

製造管理部 環境保全課 担当 六車 育美

今回の生きもの調査は、初夏秋冬の計4回にわたり、外部の調査会社の方とともに、早朝から陽が暮れるまで、構内のみならず近隣の緑地を駆け回ったのは貴重な経験です。どのような生きものがいるかを把握できたというだけでなく、身近な場所に多くの生きものがいること、何気なく見ている景色のなかにもその痕跡があることなど、新たな発見もたくさんありました。生物多様性への関心が一段と深まったと感じています。
この成果をまとめた「生きもの図鑑」は、他の従業員に共有するほか、見学者の方などにも配布していきます。環境との調和を意識した工場づくりに今後も取り組みつつ、多くの方にその取組を知っていただき、生きものや生態系について思いをはせてもらうきっかけにしたいと思っています。

製造管理部 環境保全課 担当 中井 裕文
製造管理部 環境保全課 専任 義本 尚史

冷熱システム製作所の活動の方向性

以下は三菱電機グループの各事業所による生物多様性保全活動の方向性を示した一覧表です。
冷熱システム製作所の活動がどの方向性に当てはまるのかを、色で示しています。

地元の自然と調和し、生きものを呼び込める緑地づくり

活動の方向性
  • A 生きものへの
    負の影響を低減する
  • 1.「開発圧※1」「外来種圧※2」の抑制  ※3
  • (1)生きものに対する影響把握
  • (2)外来種管理
  • 2.「希少種」「固有種」への注意喚起と保全
  • (1)構内生物リストの公開
  • (2)希少種、固有種の保全
  • (3)周辺の保全課題への協力
  • 3.農薬影響の管理や、緑地・天然資源の保全
  • (1)生きもの殺傷の抑制
  • (2)水や土壌等の天然資源への配慮
  • B 生きものとの
    より豊かな共生を目指す
  • 4.機能緑地の設定
  • (1)緑地管理の体制
  • (2)飛翔性生物の利用地の整備
  • (3)「みどり+生きもの」優先地の整備
  • (4)事業所周辺への「みどりの連続性」の提供
  • (5)事務所周辺の生物多様性保全活動への貢献
  • 5.緑地の単純化、特定化など、産業的志向からの
    脱却
  • (1)植生の多様化・多層化
  • (2)植物などの特性に合致した緑地管理
  • (3)地域への貢献・配慮
  • C 働く中で社員が
    自然との関係を取り戻す
  • 6.生態系サービスの職場での積極的享受
    (休憩所、フロア)
  • (1)文化的サービスの享受・場づくり
  • (2)供給サービスの享受・場づくり
  • 7.「無関心」「無関係」状態から、
    「全員が関係ある」状態へ
  • (1)理解と行動促進の教育
  • (2)職場・業務での関係創出

※1開発圧:棲みかの破壊。事業拠点を新たに建設することや、天然資源の採取などのために開発が行われること(サプライチェーンでの開発を含めて)、などが該当。操業による水の使用が周辺地域や水源、ひいては生きものの生息環境に影響を与える場合などもこれに含まれると考えられる。

※2外来種圧:その地域にもともと存在しない生きものが、外構や建物の脇の緑地、生垣などをつくる際に地域の外から樹木や草木を導入することがある。何気なく行われる生きものの移動が、地域固有の種の生息を脅かしたり、遺伝的な汚染の原因となることがある。

※3外来生物法の「特定外来生物の飼育、栽培、保管又は運搬」に関する規定に則り活動を実施。

生きもの調査結果

外部の調査会社の協力のもと、2021年5月、7月、11月、2022年2月に生きもの調査を実施しました。このうち2022年2月の冬季調査では鳥類のみを調査対象とし、他の3回は植物、鳥類、昆虫類を対象としました。

四季を通じての合計で、75科202種の植物、3目11科14種の鳥類、8目27科51種の昆虫類を確認しました。

冷熱システム製作所 生きものリスト(植物)(2021年5月、7月、11月)(PDF:142KB)PDF
冷熱システム製作所 生きものリスト(鳥類)(2021年5月、7月、11月、2022年2月)(PDF:92KB)PDF
冷熱システム製作所 生きものリスト(昆虫類)(2021年5月、7月、11月)(PDF:49KB)PDF

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