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夕暮れの西の空に細く眉のように見える三日月は、日を追うごとに満ちてゆき、上弦を経て満月になります。満月を過ぎると今度は欠けてゆきますが、次第に月の出は遅くなり、下弦を経て新月になります。さまざまな表情を見せてくれる月は、ポイントさえつかめば簡単に写すことができます。 月を撮影するのに特別なカメラは必要ありません。デジタルでも、銀塩でもどちらでも構いませんが、スローシャッターになりますから三脚は必要です。最近のカメラはオートフォーカスで露出もカメラまかせが主流です。もちろんそれでも写りますが、マニュアルで露出やシャッタースピードを変えて数コマ写してみると、その中に息をのむような雰囲気のある月の写真が含まれて、ハッとさせられるときがあります。 |
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夕明かりの空に三日月が見えだしました。勝鬨橋(かちどきばし)にグリーンの照明が灯され、三日月と鮮やかなコントラストを見せています。肉眼で見る月は大きく感じますが、いざ撮影してみると思いのほか小さく写ります。試しに五円玉を持って腕をいっぱいに伸ばして月をみてみると、穴の中に月がすっぽり入ってしまいます。 (100ミリF2.8 ISO50 露出3秒) |
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新月から満月になる間の半月で、日没のとき南の空に見えます。真夜中に弓の弦を上にして沈むところから「上弦の月」と呼ばれ、「上つ弓張(かみつゆみはり)」とか「上の弓張(かみのゆみはり)」という呼び名もあります。三日月のころに比べると光量が増してきました。高さを強調するため木立ちや建物などを入れ、明るいうちに撮影することをおすすめします。 |
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上弦を二日過ぎた月(月齢9.5)です。このくらいの月齢になると月の光量はさらに増し、日が高いうちから月がみえるようになります。それでも昼間の月は空の明るさにまぎれて気づかないときもあります。あらかじめ新聞などで月齢を調べておけば、月の見える時刻や方角がわかります。旅先で気軽に写真を撮る要領で、月に向かって「はい、チーズ」。 (70ミリF2.8 ISO50 露出250分の1秒) |