海外レポート
智能製造への貢献度の高さを印象づけた
「中国国際工業博覧会」
2017年12月公開
第1回 上海市市長や行政幹部が中国国際工業博覧会の三菱電機ブースを視察
中国国際工業博覧会は中国・上海で毎年開催される工業関連の総合展示会です。中国の工業政策を担う工業情報化部など中央政府の主要機関と上海市人民政府が主催し、毎年11月に行われるイベントです。中国でのものづくりがグローバルで注目されるようになるにつれて、その中国で開かれる総合展示会の位置付けも中国国内だけでなくグローバルを対象とするものに発展し、規模は拡大を続けています。2017年の中国国際工業博覧会には、工場の自動化ソリューションや工作機械、ロボットやエネルギーなど、ものづくりを支えるソリューションを提供する企業2500社以上が出展。国内外から多くの製造業関係者を集めて開催されました。


三菱電機はこの中国国際工業博覧会に出展し、「智能製造」実現につながるソリューションを中心に展示しました。


三菱電機は智能製造実現に必要な全体のコンサルティングやデザイン、構築と稼働後のメンテナンスまでトータルで提供できることを、今回の展示会で紹介しました。ものづくりでの目標を定義し、そのために何を見える化するか、生産現場のどの機器をどのようにつなぐかを設計していくことで、智能製造は目的を達成することができます。三菱電機はその一連のサービスを提供していることを紹介するとともに、結果としてできあがった生産ラインのモデルも展示しました。モデルとして展示した生産ラインでは、模型の製品が加工や組み立て、検査など一連の工程を経て完成する流れを、IoTによるリアルタイムでの見える化も含めて紹介しています。
三菱電機のトータルでのコンサルティングが可能にする例としてもう一つ紹介したのが、「マスカスタマイゼーション」フォトフレーム個性化オーダー生産ラインのモデルラインです。モデルラインではフォトフレームがユーザーの好みなどに合わせて作られる様子を再現。三菱電機のソリューションで変種変量生産にどのように対応できるかを紹介するとともに、そのラインの様子を来場者がVR(仮想現実)で体験する試みも行っています。
大がかりなシステムの展示は他社の展示ブースでも見られましたが、三菱電機はそれだけでなく、中国の生産現場を踏まえた小型のソリューションも展示している点が特徴です。その一例が、ネジ締めなど用途に特化したパッケージ「iQ Monozukuri」です。用途に特化することで導入に要する期間やコストを抑えるソリューションは、短期間・低コストでのシステム導入を期待する中国の実情に通じた三菱電機ならではのソリューションと言えるでしょう。
VRでフォトフレーム個性化オーダー生産ラインを体験する来場者
「iQ Monozukuri」による正確な作業支援
それらが並べられた三菱電機のブースが周りから大きな注目を集めた出来事が、会期初日にありました。上海市の市長をはじめとした多くの行政や業界の首脳が、開幕に先立ち三菱電機ブースを訪れたのです。
行政や業界との良好な関係を象徴

三菱電機のブースを視察に訪れた上海市の市長応勇氏(左から2人目)、
工業情報化部部長苗圩氏(左から1人目)、
工程院院長周济氏(左から3人目)
訪れたのは、上海市市長の応勇氏、主催団体の一つで中国の工業政業政策を担当する工業情報化部部長の苗圩氏、その工業情報化部で具体的な政策の企画立案を行う工程院院長の周济氏と、各組織の関係者です。三菱電機自動化(中国)有限公司総裁の王堅が案内役を務め、三菱電機が提供するさまざまなソリューションを見学。行政や業界の幹部が展示会初日に主なブースを視察にまわるのは恒例ですが、三菱電機は視察の中で訪れた唯一の日本ブランドであり、マスコミ関係者のカメラも多く向けられました。
行政や業界の幹部が見学に訪れた理由の一つが、中国が進める国家プロジェクト智能製造の実現に対する三菱電機の貢献です。智能製造は2025年を目標に「製造大国」から「製造強国」への転換を目指す計画で、実現手法の一つとして位置付けられています。智能製造は生産現場の情報化と自動化をはかり、両者を融合させることでスマートなものづくりを進めようというものです。
三菱電機が業界でもいち早く2003年から、この智能製造の実現に有効なソリューションであるe-F@ctoryを、日本だけでなくグローバルで提供しています。中国でも実績は数多いため中国の政府や業界からの信用が厚く、智能製造とそれによる中国国家プロジェクトの目標達成のキーとして認識されています。今回の中国国際工業博覧会で行政や業界の幹部が真っ先に三菱電機ブースを訪れたのは、それによる良好な関係を象徴していると言えます。

三菱電機自動化(中国)有限公司総裁の王堅(右)が展示内容を説明

注目度の大きさから報道機関による取材も活発な三菱電機ブース
上海市市長などによる視察の様子が報道された反響もあり、会期2日目からはさらに多くの来場者が三菱電機ブースを訪れました。ロボットによるカクテル作りなどのユニークな出展は特に多くの関心を集め、その高い精度や速度に見入る様子が見られました。

ロボットがカクテルを作るコーナーには行列も
- 要旨 智能製造への貢献度の高さを印象づけた「中国国際工業博覧会」
- 第1回 上海市市長や行政幹部が中国国際工業博覧会の三菱電機ブースを視察
- 第2回 中国ユーザーに聞く「e-F@ctoryに決めた理由」