プロフェッショナル
レビュー
REAL 4Kなら、小さな星のディテールもカラーも見事に再現できているんです。
天体写真家
吉田 隆行さん
吉田 隆行 / 天体写真家
1971年、兵庫県生まれ。11歳で星空に魅了され、モノクロフィルムで撮影を始める。1986年のハレー彗星ブームを機に本格的に天文写真に取り組み始め、1991年に天体写真コンテストに初入選。その後も多数の入選、優秀賞も受賞。2004年にはデジタルカメラを導入し、デジタル撮影の世界に踏み込んだ。デジタルカメラの進化と共に撮影技術も磨き、現在、デジタルカメラによる撮影でありながら、銀塩ポジフィルムのようなタッチで星空を再現する独特の表現方法で注目を浴びている。個展も多数開催し、趣味を扱うテレビ番組やラジオ放送にも出演。執筆活動も精力的に行い、月刊の天文雑誌「星ナビ」にて「宇宙は美しい」を連載中。
──吉田さんの写真は「吉田調」と呼ばれていると聞きました。それはどのようなスタイルですか?
銀塩フィルムでの天体撮影は大変でしたが、色合いや明暗の調子の点で、何とも言えない味わいがありました。私は、その銀塩フィルムならではの味わいをデジタル撮影でも再現したいと思いました。天体の持つ豊かな調子と色合いを壊さないように注意しながら仕上げた作品が、私の表現スタイルとして「吉田調」と呼ばれるようになりました。多くの方に評価していただき、嬉しく思っています。
──天体撮影ではカメラ機材も重要な役割を担うわけですね。
銀塩フィルムからデジタルに変わって、天体撮影はとても手軽になりました。しかも、デジタル機材の進化によって、高感度ノイズ耐性、解像力、色合いのバランスも向上してきましたので、非常に頼もしい。現在は『ニコン D810A』というカメラを使用していますが、3635万画素という圧倒的な解像度には驚くばかりです。
──カメラの性能が上がれば、私達には見えないわずかな光を放つ星も映し出されるようになるのですね。
デジタルカメラの性能が上がるにつれて、天体写真撮影の可能性も広がります。例えば、以前は撮影が難しかった、流れ星のような一瞬で夜空を横切ってしまう天体も、今では容易に写し出せるようになりました。デジタルカメラの性能は今後も向上していくでしょう。さらに高感度に強いカメラが開発されれば、風景写真と同じような感覚で星空を撮影することも可能になると思います。
──吉田さんは天体撮影のために様々な場所へ行かれたと思います。天体撮影におすすめの場所はありますか?
私が今一番気に入っているのは、ニュージーランドですね。ニュージーランドは、都市部の照明の影響が少ないため夜空が暗く、また空の透明度も高いので、星々をコントラスト良く撮影することができます。
日本でも星がきれいに見える場所はあります。近畿地方では、紀伊半島が星空のきれいな場所として有名で、私もよく撮影に出かけています。また春霞と言われる、霞がかった夜空では星々が潤んで写ってしまいますが、そのような空気感も日本らしい情緒として星空写真の表現に活かしたいと考えています。
──吉田さんもいつかその神秘的な宇宙に行きたいと思いますか?
実はそれほど強く望んではいません。ただ、チャンスがあれば月には行ってみたいと思います。地球上で月の満ち欠けが見られるように、月面では、地球の満ち欠けを観察できるのです。月から見た地球の姿を写真を撮れるなら是非行ってみたいです。
──なんだか夜空を撮影して見たくなりました。雄大な星空の写真を自宅のテレビで再生したら楽しそうですね。
それはとても楽しいと思いますよ。また、生の天体ショーも是非楽しんでほしいですね。今年は8月13日がペルセウス流星群の極大日で、その日を挟んで前後3日くらいが観測チャンスです。今年のペルセウス流星群は、月明かりが少ない時期と重なりますから、天気さえ良ければ楽しい天体ショーになると思います。街中でも明るい流星なら肉眼で見ることができますが、できることなら街明かりのない空気の澄んだ郊外まで足を伸ばすことをお勧めします。暗い流星まで見えますし、是非、撮影もトライしていただきたいですね。
もちろん、私も流星の撮影に出かけるつもりです。もし私の家にもREAL 4Kがあったら、友人を招いて、大画面で美しく再現した流星の写真をみんなに見せてあげたいと思います。
吉田隆行さん愛用の星空が美しく撮影できるカメラ
ニコン D810A
ニコン初の天体撮影専用超高精細
デジタル一眼レフカメラ
- FXフォーマット
有効画素数
3635万画素ISO感度
ISO 200- 12800高速連続撮影
約5コマ/秒D-Movie
フルHD 1080/60p質量※
約980g
主な特長
- Hα線に対応する専用の光学フィルター透過特性
- 天体撮影に特化した機能
- ニコンデジタル一眼レフカメラ中最高の解像力