グリーン購入法とは
正式には「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」といい、平成12年5月24日に成立、平成13年4月1日より施行された法律です。
この法律は、国(国会、各省庁、裁判所等)、独立行政法人等及び地方公共団体による環境物品等の調達の推進、環境物品等に関する情報の提供その他の環境物品等への需要の転換を促進する事により、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を図ることを目的としております。
基本方針に定める「特定調達品目」は紙類、文具類及び機器など22分野288品目(令和7年1月閣議決定)であり、照明関連としては、「LED照明器具」「LEDを光源とした内照式表示灯」「電球形LEDランプ」「LED道路照明」「照明制御システム」が対象とされ、それぞれ環境物質品等としての判断基準を規定しています。
グリーン購入法適合判断基準(令和7年1月閣議決定)
照明器具
1.品目及び判断の基準等
品目LED照明器具
【判断の基準】
①投光器及び防犯灯を除くLED照明器具である場合は、次の要件を満たすこと。
ア.基準値1は、固有エネルギー消費効率が表1-1に示された基準を満たすこと、又は、固有エネルギー消費効率が表1-2に示された基準を満たし、かつ、初期照度補正制御、人感センサ制御、あかるさセンサ制御、調光制御等の省エネルギー効果の高い機能があること。
イ.基準値2は、固有エネルギー消費効率が表1-2に示された基準を満たすこと。
ウ.演色性は平均演色評価数Raが80以上であること。ただし、ダウンライト及び高天井器具の場合は、平均演色評価数Raが70以上であること。
②投光器及び防犯灯である場合は、次の要件を満たすこと。
ア.固有エネルギー消費効率が表2に示された基準を満たすこと。
イ.演色性は平均演色評価数Raが70以上であること。
③LEDモジュール寿命は40,000時間以上であること。
④特定の化学物質が含有率基準値を超えないこと。また、当該化学物質の含有情報がウエブサイト等で容易に確認できること。
【配慮事項】
①初期照度補正制御、人感センサ制御、あかるさセンサ制御、調光制御等の省エネルギー効果の高い機能があること。
②製品の原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクルにおける温室効果ガス排出量を地球温暖化係数に基づき二酸化炭素相当量に換算して算定した定量的環境情報が開示されていること。
③ライフサイクル全般にわたりカーボン・オフセットされた製品であること。
④分解が容易である等材料の再生利用のための設計上の工夫がなされていること。
⑤使用される塗料は、有機溶剤及び臭気が可能な限り少ないものであること。
⑥製品の包装又は梱包は、可能な限り簡易であって、再生利用の容易さ及び廃棄時の負荷低減に配慮されていること。
⑦包装材等の回収及び再使用又は再生利用のためのシステムがあること。
品目LEDを光源とした内照式表示灯
【判断の基準】
①定格寿命は30,000時間以上であること。
②特定の化学物質が含有率基準値を超えないこと。また、当該化学物質の含有情報がウエブサイト等で容易に確認できること。
【配慮事項】
①製品の原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクルにおける温室効果ガス排出量を地球温暖化係数に基づき二酸化炭素相当量に換算して算定した定量的環境情報が開示されていること。
②ライフサイクル全般にわたりカーボン・オフセットされた製品であること。
③分解が容易である等材料の再生利用のための設計上の工夫がなされていること。
④使用される塗料は、有機溶剤及び臭気が可能な限り少ないものであること。
⑤プラスチック部品が使用される場合には、再生プラスチックが可能な限り使用されていること。
⑥製品の包装又は梱包は、可能な限り簡易であって、再生利用の容易さ及び廃棄時の負荷低減に配慮されていること。
⑦包装材等の回収及び再使用又は再生利用のためのシステムがあること。
【照明器具(LED照明器具・LEDを光源とした内照式表示灯)に共通する備考】
1 本項の判断の基準の対象とする「LED照明器具」とは、照明用白色LEDを用いた、つり下げ形、じか付け形、埋込み形及び壁付け形として使用する照明器具並びに投光器及び防犯灯とする。ただし、従来の蛍光ランプで使用されている口金と同一形状の口金を有するLEDランプを装着できる照明器具のうち、口金を経てLEDランプへ給電する構造を持つ照明器具については、当面の間、対象外とする。また、「誘導灯及び誘導標識の基準」(平成11年消防庁告示第2号)に定める誘導灯又は建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第126の5に定める非常用の照明装置のうち、蓄電池や非常用電源により停電時のみ点灯する専用型は、LED照明器具には含まれないものとする。
2 本項のLED照明器具の「LED照明器具の固有エネルギー消費効率」とは、器具から出る全光束を定格消費電力で割った値とする(定格消費電力は、器具外部に独立型電源装置を設置する必要がある場合はその電源装置の定格消費電力とする。)。なお、調光・調色機能付器具の固有エネルギー消費効率については、最大消費電力時における全光束から算出された値とする。
3 「平均演色評価数Ra」の測定方法は、JIS C 7801(一般照明用光源の測光方法)及びJIS C 8152-2(照明用白色発光ダイオード(LED)の測光方法-第2部:LEDモジュール及びLEDライトエンジン)に規定する光源色及び演色評価数測定に準ずるものとする。
4 本項のLED照明器具の「ダウンライト」とは、JIS Z 8113:1998「照明用語」に規定されるダウンライトをいう。
5 本項のLED照明器具の「高天井器具」とは、JIS Z 8113:1998「照明用語」に規定される天井灯のうち、定格光束11,000lm以上のものをいう。
6 本項のLED照明器具の「投光器」とは、JIS Z 8113:1998「照明用語」に規定される投光器をいう。
7 本項のLED照明器具の「防犯灯」とは、道路等に設置し、犯罪の防止と安全通行の確保等を図る観点から必要な照度を確保することを目的とした照明灯をいう。
8 本項のLED照明器具の「LEDモジュール寿命」とは、光源の初期の光束が70%まで減衰するまでの時間とする。また、その測定方法は、JIS C 8152-3(照明用白色発光ダイオード(LED)の測光方法-第3部:光束維持率の測定方法)に準ずるものとする。
9 LED照明器具の全光束測定方法については、JIS C 8105-5:2011(照明器具-第5部:配光測定方法)に準ずるものとする。
10 「特定の化学物質」とは、鉛及びその化合物、水銀及びその化合物、カドミウム及びその化合物、六価クロム化合物、ポリブロモビフェニル並びにポリブロモジフェニルエーテルをいう。
11 特定の化学物質の含有率基準値は、JIS C 0950(電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法)の附属書Aの表A.1(特定の化学物質、化学物質記号、算出対象物質及び含有率基準値)に定める基準値とし、基準値を超える含有が許容される項目については、上記JISの附属書Bに準ずるものとする。なお、その他付属品等の扱いについてはJIS C 0950に準ずるものとする。
12 「地球温暖化係数」とは、地球の温暖化をもたらす程度の二酸化炭素に係る当該程度に対する比を示す数値をいう。
13 LED照明器具に係る配慮事項②及びLEDを光源とした内照式表示灯に係る配慮事項①の定量的環境情報は、カーボンフットプリント(ISO 14067)、ライフサイクルアセスメント(ISO 14040及びISO 14044)又は経済産業省・環境省作成の「カーボンフットプリント ガイドライン」等に整合して算定したものとする。
14 LED照明器具に係る配慮事項③及びLEDを光源とした内照式表示灯に係る配慮事項②の「ライフサイクル全般にわたりカーボン・オフセットされた製品」とは、当該製品のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量の算定基準に基づき、第三者機関により検証等を受けたライフサイクル全般にわたる温室効果ガス排出量の全部を認証された温室効果ガス排出削減・吸収量(以下本項において「クレジット」という。)を調達し、無効化又は償却した上で埋め合わせた(以下本項において「オフセット」という。)製品をいう。
15 オフセットに使用できるクレジットは、当面の間、J-クレジット、二国間クレジット(JCM)、地域版J-クレジットなど我が国の温室効果ガスインベントリに反映できるものを対象とする。なお、クレジットの更なる活用を図る観点から、クレジットに関する国内外の議論の動向や市場動向を踏まえつつ、対象品目及び対象クレジットを拡大する等、需要拡大に向けた検討を実施するものとする。
16 本項の「LEDを光源とした内照式表示灯」とは、内蔵するLED光源によって文字等を照らす表示板、案内板等とし、放熱等光源の保護に対応しているものとする。ただし、「誘導灯及び誘導標識の基準」(平成11年消防庁告示第2号)に定める誘導灯は、内照式表示灯には含まれないものとする。
17 本項のLEDを光源とした内照式表示灯の「定格寿命」とは、光源の初期の光束が50%まで減衰するまでの時間とする。
18 「再生プラスチック」とは、使用された後に廃棄されたプラスチック製品の全部若しくは一部又は製品の製造工程の廃棄ルートから発生するプラスチック端材若しくは不良品を再生利用したものをいう(ただし、原料として同一工程内で再生利用されるものは除く。)。
19 調達を行う各機関は、安全管理・品質管理が十分なされたものを、比較検討の上、選択するよう留意すること。
20 調達を行う各機関は、化学物質の適正な管理のため、物品の調達時に確認した特定の化学物質の含有情報を、当該物品を廃棄するまで管理・保管すること。
表1-1 LED照明器具に係る固有エネルギー消費効率の基準値1(投光器及び防犯灯を除く。)
| 光源色 | 固有エネルギー消費効率 |
|---|---|
| 昼光色 | 144lm/W以上 |
| 昼白色 | |
| 白色 | |
| 温白色 | 102lm/W以上 |
| 電球色 |
備考)
1 「光源色」は、JIS Z 9112(蛍光ランプ・LEDの光源色及び演色性による区分)に規定する光源色の区分に準ずるものとする(表1-2及び表2において同じ。)。
2 昼光色、昼白色、白色、温白色及び電球色以外の光を発するものは、本項の「LED照明器具」に含まれないものとする。
3 ダウンライトのうち、器具埋込穴寸法が300mm以下であって、光源色が昼光色、昼白色及び白色のものについては、固有エネルギー消費効率の基準を114lm/W以上、温白色及び電球色のものについては、固有エネルギー消費効率の基準を96lm/W以上とする。
4 高天井器具のうち、光源色が昼光色、昼白色及び白色のものについては、固有エネルギー消費効率の基準を156lm/W以上とする。
表1-2 LED照明器具に係る固有エネルギー消費効率の基準値2(投光器及び防犯灯を除く。)
| 光源色 | 固有エネルギー消費効率 |
|---|---|
| 昼光色 | 120lm/W以上 |
| 昼白色 | |
| 白色 | |
| 温白色 | 85lm/W以上 |
| 電球色 |
備考)
1 ダウンライトのうち、器具埋込穴寸法が300mm以下であって、光源色が昼光色、昼白色及び白色のものについては、固有エネルギー消費効率の基準を95lm/W以上、温白色及び電球色のものについては、固有エネルギー消費効率の基準を80lm/W以上とする。
2 高天井器具のうち、光源色が昼光色、昼白色及び白色のものについては、固有エネルギー消費効率の基準を130lm/W以上とする。
表2 投光器及び防犯灯に係る固有エネルギー消費効率の基準
| 光源色 | 固有エネルギー消費効率 | |
|---|---|---|
| 投光器 | 防犯灯 | |
| 昼光色 | 105lm/W以上 | 80lm/W以上 |
| 昼白色 | ||
| 白色 | ||
| 温白色 | 90lm/W以上 | 対象外 |
| 電球色 | ||
2.目標の立て方
当該年度の投光器及び防犯灯を除くLED照明器具の調達(リース・レンタル契約を含む。)総量(台数)に占める基準値1及び基準値2それぞれの基準を満たす物品の数量(台数)の割合とする。
投光器及び防犯灯にあっては、調達(リース・レンタル契約を含む。)総量(台数)に占める基準を満たす物品の数量(台数)の割合とする。
LEDを光源とした内照式表示灯にあっては、調達(リース・レンタル契約を含む。)総量(台数)に占める基準を満たす物品の数量(台数)の割合とする。
ランプ
1.品目及び判断の基準等
品目電球形LEDランプ
【判断の基準】
○次のいずれかの要件を満たすこと。
①次の要件を満たすこと。
ア.口金の種類がE26、E17又はGX53の場合は、表1に示された光源色の区分ごとの基準を満たすこと。
イ.上記ア以外の場合は、ランプ効率が表2に示された光源色の区分ごとの基準を満たすこと。ただし、ビーム開きが90度未満の反射形タイプの場合は、ランプ効率が50lm/W以上であること。
ウ.演色性は平均演色評価数Raが70以上であること。
エ.定格寿命は40,000時間以上であること。ただし、ビーム開きが90度未満の反射形タイプの場合は、30,000時間以上であること。
②エコマーク認定基準を満たすこと又は同等のものであること。
【配慮事項】
①製品の原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクルにおける温室効果ガス排出量を地球温暖化係数に基づき二酸化炭素相当量に換算して算定した定量的環境情報が開示されていること。
②ライフサイクル全般にわたりカーボン・オフセットされた製品であること。
③製品の包装又は梱包は、可能な限り簡易であって、再生利用の容易さ及び廃棄時の負荷低減に配慮されていること。
【電球形LEDランプの備考】
1 本項の判断の基準の対象とする「電球形LEDランプ」は、電球用のソケットにそのまま使用可能なランプであって、一般照明として使用する白色LED使用の電球形状のランプとする。ただし、振動又は衝撃に耐えることを主目的とするもの、人感センサ、非常用照明(直流電源回路)等は除く。
2 「口金の種類がE26、E17又はGX53」とは、JIS C 8158(一般照明用電球形LEDランプ(電源電圧50V超))に規定する口金の種類を表す記号が「E26、E17又はGX53」であるものをいう。
3 「平均演色評価数Ra」の測定方法は、JIS C 7801(一般照明用光源の測光方法)に規定する光源色及び演色評価数測定に準ずるものとする。
4 「光源色」は、JIS Z 9112(蛍光ランプ・LEDの光源色及び演色性による区分)に規定する光源色の区分に準ずるものとする。
5 昼光色、昼白色、白色、温白色及び電球色以外の光を発するものは、本項の「電球形LEDランプ」に含まれないものとする。
6 「定格寿命」とは、光源の初期の光束が70%まで減衰するまでの時間とする。また、その測定方法は、JIS C 8152-3(照明用白色発光ダイオード(LED)の測光方法-第3部:光束維持率の測定方法)に準ずるものとする。
7 判断の基準②の「エコマーク認定基準」とは、公益財団法人日本環境協会エコマーク事務局が運営するエコマーク制度の商品類型のうち、商品類型No.150「電球形LEDランプ Version1」に係る認定基準をいう。
8 「地球温暖化係数」とは、地球の温暖化をもたらす程度の二酸化炭素に係る当該程度に対する比を示す数値をいう。
9 配慮事項①の定量的環境情報は、カーボンフットプリント(ISO 14067)、ライフサイクルアセスメント(ISO 14040及びISO 14044)又は経済産業省・環境省作成の「カーボンフットプリント ガイドライン」等に整合して算定したものとする。
10 「ライフサイクル全般にわたりカーボン・オフセットされた製品」とは、当該製品のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量の算定基準に基づき、第三者機関により検証等を受けたライフサイクル全般にわたる温室効果ガス排出量の全部を認証された温室効果ガス排出削減・吸収量(以下本項において「クレジット」という。)を調達し、無効化又は償却した上で埋め合わせた(以下本項において「オフセット」という。)製品をいう。
11 オフセットに使用できるクレジットは、当面の間、J-クレジット、二国間クレジット(JCM)、地域版J-クレジットなど我が国の温室効果ガスインベントリに反映できるものを対象とする。なお、クレジットの更なる活用を図る観点から、クレジットに関する国内外の議論の動向や市場動向を踏まえつつ、対象品目及び対象クレジットを拡大する等、需要拡大に向けた検討を実施するものとする。
表1 E26、E17又はGX53口金の電球形LEDランプに係るランプ効率の基準
| 光源色 | ランプ効率 |
|---|---|
| 昼光色 | 110.01lm/W以上 |
| 昼白色 | |
| 白色 | |
| 温白色 | 98.6lm/W以上 |
| 電球色 |
備考)
次のいずれかに該当する場合は、表2に示された光源色の区分ごとの基準を満たすこと。
①電源電圧50V以下のもの
②平均演色評価数Raが90以上のもの
③調光器対応機能付きのもの
表2 E26、E17又はGX53口金以外の電球形LEDランプに係るランプ効率の基準
| 光源色 | 固有エネルギー消費効率 |
|---|---|
| 昼光色 | 80lm/W以上 |
| 昼白色 | |
| 白色 | |
| 温白色 | 70lm/W以上 |
| 電球色 |
備考)
調光・調色対応の電球形LEDランプについては、表2の光源色別の区分のランプ効率の基準から5lm/Wを差し引いた値とする。なお、当該ランプのランプ効率については、最大消費電力時における全光束から算出された値とする。
2.目標の立て方
各品目の当該年度における調達総量(個数)に占める基準を満たす物品の数量(個数)の割合とする。
公共工事(照明制御システム)
1.品目及び判断の基準等
品目照明機器 照明制御システム
【判断の基準】
○連続調光可能なLED照明器具及びそれらの照明器具を制御する照明制御装置からなるもので、初期照度補正制御及び外光(昼光)利用制御の機能を有していること。