MMSDⅡを搭載した計測用車両(線路走行時の状態)

「MMSDⅡ」の特長

  1. 線路上を自力走行しながら計測を行い、全体の作業時間を短縮
    • 計測用車両が時速約50kmで線路上を自力走行しながら、8Kラインカメラによる高解像度の画像データと、高密度レーザーによる毎秒200万点相当の高密度三次元点群データを取得
    • 従来、作業員が目視で実施していたトンネルのひび割れ確認や内空断面の検査作業と同じレベルの検査作業を、計測車両で取得したデータの解析作業で実現し、現地作業時間を短縮
    • ソフトウエアにより変状展開図※2や変状台帳などのドキュメント作成作業を省力化
    • ※2

      トンネル壁面を平面に展開し、ひび割れなどの変状を記した図面

  2. ひび割れとトンネルの形状変化の相関関係を把握し、より的確な補修工事を実現
    • 8Kラインカメラでトンネル覆工面の幅0.1mm以上のひび割れの高解像度画像データを取得
    • 当社独自の高精度測位技術により、GPS電波が届かないトンネル内でも正確な位置情報(緯度・経度・標高)を持つ高密度三次元点群データを生成
    • 高解像度画像データと高密度三次元点群データを統合し、位置情報付きの画像データを作成
    • 画像データを解析することにより、ひび割れとトンネルの形状変化との相関関係を詳細に把握し、より的確な補修工事を実現
  3. 過去と現在の解析結果の差分比較により、トンネル維持管理業務の高度化に貢献
    • 過去と現在の高解像度画像データ・高密度三次元点群データの解析結果を差分比較し、トンネル形状の経時変化を把握
    • 経時変化による劣化の進行の見逃しを防ぎ、適時・適切な維持管理計画の策定に貢献

今後の展開

当社は今後、トンネル検査の高度な専門知識を不要とする鉄道トンネル検査システムの実現に向けて、AIを活用した健全度判定機能を開発します。

また、跨線橋(こせんきょう)・法面(のりめん)・擁壁(ようへき)など、トンネル以外の構造物検査への適用についても検証を進め、鉄道インフラ全体の維持管理業務の効率化とライフサイクルコストを低減するアセットマネジメントを実現し、鉄道のさらなる安全・安定運行に貢献します。