「産業用モーターの設計を支援する人協調型AI設計支援システム」のイメージ

三菱電機株式会社は、一般社団法人 日本電機工業会が主催する「第72回 電機工業技術功績者表彰」において、東芝三菱電機産業システム株式会社(以下、TMEIC)と共同で開発した「産業用モーターの設計を支援する人協調型AI設計支援システムの開発※1」が、IoT・AI・DX部門で優秀賞を受賞しました。このほか、当社の「分電盤・制御盤用遮断器「KCシリーズ」スプリングクランプ端子仕様の開発」が重電部門で奨励賞を受賞しました。

IoT・AI・DX部門 優秀賞受賞案件について

 従来、産業用モーターの設計は、大きさや電力効率、発熱量など背反関係にある各性能のバランスを見ながら希望性能を満たす設計仕様に調整する必要がありました。特にすべての性能をバランスよく満たす設計仕様に調整するのは困難で、設計初心者であれば何度も設計変更を繰り返して設計仕様を調整し、さらに熟練設計者による確認も必要でした。

 当社とTMEICが共同で開発した産業用モーター設計支援システムは、当社のAI技術「Maisart®(マイサート)※2」を用いて、設計者が希望性能をAIへ入力し、AIが提示する過去の設計仕様の性能に基づき希望性能を微調整して再入力する作業を繰り返すことで、より希望性能に近い過去の設計仕様を得ることができます。本技術で得た希望性能に近い過去の設計仕様に基づき、AIが新たに最適な設計仕様候補を提示することで、短時間で熟練設計者による設計と同等の性能を実現します。これにより、従来1日(設計初心者で3日)程度かかる設計の調整作業を、3時間程度と約8分の1に短縮できます。これらの技能伝達の効率化や設計の性能向上に貢献する取り組みが高く評価されました。