「自律的な成長を促す!」新しい人事制度改革への挑戦!Vol.3「海外OJT制度」「海外短期留学制度」

2025.02.28

#ピックアップ #インタビュー #社内制度 #採用 「自律的な成長を促す!」新しい人事制度改革への挑戦!Vol.3「海外OJT制度」「海外短期留学制度」

日本のみならず、世界各地にグループ会社を置く三菱電機は、「グローバルな人財マネジメントを支える仕組みの整備」の取り組みを進めており、長期的かつ継続的に海外を舞台に活躍できる人財育成に力を入れている。
こうした人財育成を後押しするのが、「海外OJT制度」を始めとする、さまざまな海外派遣制度だ。

今回は、人財統括部でグローバル研修制度の企画・運営を担当する長友深桜さんと、海外OJT制度を利用して三菱電機コロンビア(Mitsubishi Electric de Colombia Ltda.)から三菱電機本社へ派遣されたマリア・ロドリゲスさんにグローバル研修制度の概要やメリットなどについて話を伺った。

目次

制度の概要

― 海外派遣制度の一つ、海外OJT制度の概要を教えてください。

長友:グローバルに活躍できる人財を養成する研修制度として1997年に導入された従業員の海外派遣制度です。派遣される従業員は1年間、海外のグループ会社で現地の従業員とともに働き、業務を通じてグローバルな人脈を築くとともに、現地の商習慣などを学びます。

制度の利用人数

― 海外OJT制度を利用して海外に派遣されるのは何名くらいでしょうか。

長友:日本からは毎年約100名を世界各地の拠点に派遣しています。コロンビアから東京本社に派遣されているマリアさんのように、逆に世界各地の拠点から日本へ派遣されるケースもあり、派遣先も本社だけでなく日本国内の生産拠点などさまざまです。

マリア:私は、コロンビアで採用や人財マネジメントなどに従事した後、海外OJT制度を利用して来日しました。現在は三菱電機グループ全体の経営幹部層の研修企画や日本の人事制度の海外展開などを行っています。

応募要件について

― 海外OJT制度の利用を希望される方が多いと思いますが、応募要件などはあるのでしょうか。

長友:海外OJT制度の応募要件は、「一定の語学力」と「入社4年目以降」の従業員になります。選考スキームは、まず、希望者を管掌する人事部門にて全体の「派遣計画」を立てます。その後、当該派遣計画をもとに希望者を推薦候補者として人財統括部へ申請してもらいます。推薦候補者となった従業員は、語学試験と面談を経て最終的に派遣可否が決定されます。ただし、応募要件をクリアすれば誰でも派遣されるというわけでなく、将来的に海外での活躍が有望視される人財を送り出すという意味で、派遣計画を立てるにあたり、希望者は上長から推薦を受ける必要があります。そのためには、日頃より目の前の仕事で確実に成果を出すことが重要です。

マリア:海外OJT制度を利用したいと思ったのは、業務を通じて日本について学べるからです。日本とコロンビアの労働環境や働き方、仕事へ取り組む姿勢など、労働文化の違いを学ぶことができ、とても貴重な機会になっています。ただ、言葉の壁があり、慣れない日本語に困る場面もしばしばあります。同僚も全員が英語に堪能というわけではなく、スペイン語を話せる人もほとんどいないのが現状です。

会社としてのフォローアップ

― こうした言葉の壁や困り事など、派遣中の従業員に対してはどのようにフォローアップをされていますか。

長友:人財統括部からの定期連絡などのフォローはもちろんのこと、派遣元である所属部門の上長との定期面談や活動の進捗報告のほか、半年が経過した時点で、同じ地域に派遣しているOJT研修生を1つの拠点に集めて行う「中間集合研修」を実施しています。
また、語学面でのフォローとして、派遣前に勤務時間内で約5週間の語学研修を行っています。海外渡航が初めてという方をサポートするような語学研修もセットで行っているのも本制度の大きな特徴の1つだと思います。

マリア:私も同じ制度の枠組みで1時間の日本語レッスンを週2回受けています。その代わりというわけではないですが、ボランティアで同じ人財統括部の従業員向けに英語のレッスンを実施しています(笑)。こうした取り組みは、お互いにメリットがあると思います。

利用者の声

― 海外OJT制度に対し、利用者からはどのような感想が寄せられていますか。

長友:ポジティブな声をたくさんいただいています。この制度の狙いは、異なる文化・価値観を持つ海外の従業員と協働することに加えて、語学、異文化経験など業務以外の経験をしてもらうことにもあり、人としても成長できたという声をいただいています。本制度は、利用者の業務と関連がある海外のグループ会社に派遣されるケースが多く、必ずしも希望する国や地域に派遣されるわけではありません。しかし、1年間という限られた期間であるからこそ、新しい環境で新たなチャレンジができるのではないでしょうか。

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1年という期間について

― マリアさんは、1年という期間についてどう感じていますか。

マリア:時間に対する感じ方は人それぞれだと思いますが、私は来日して以来、日本各地を旅し、日本に恋をしてしまい、1年では短すぎると感じています(笑)。日本の文化をさらに学びたいので、もっと長く日本で働き続けたいというのが本心です。

他の海外派遣制度について

― 海外OJT以外にも海外派遣制度はありますか。

長友:2006年に導入された海外短期留学制度というものがあります。コロナ禍以降、オンラインで海外の従業員とともに業務を行う従業員が増えています。そうした従業員が3週間から8週間の任意の期間で、海外で語学を学習することができる制度です。こちらも年間で100名程度が利用しています。

今後の展望とメッセージ

― 最後に海外派遣制度に関する今後の取り組みをお聞かせください。また、従業員や求職者にメッセージをお願いします。

長友:当社グループの売上高のうち、50%以上を海外が占めています。今後はどの事業分野でもグローバル人財の育成を強化する方針ですので、研修施策の裾野を広げていくことが私たちの1つのミッションだと思います。また、海外勤務を志望される場合には、現在も入社後も海外で活躍したいという高い意欲を常に持ち続けながら、日々の業務に取り組んでいただきたいと思います。人事・研修担当としては、従業員1人ひとりのキャリアと会社の方向性を一緒に考えていくような、そんな存在であり続けたいと思います。

マリア:海外OJT制度は、ぜひおすすめしたい研修制度です。最も良かったと感じる点は、仕事だけでなく自分自身を異なる角度から見つめ直せたことです。また、海外OJT制度を通じて知り合った他国のメンバーと良好な関係を築けたことも私にとって大きな財産です。帰国後も、さまざまな人とのつながりを大切にしていきたいと思います。

プロフィール

INTERVIEWEE

三菱電機 人財統括部/グローバル人財部/グローバルタレントマネジメントセンター

長友 深桜

2022年入社。大学卒業後にカナダへ留学し、日英バイリンガルの人財を対象とした就職イベント、ボストンキャリアフォーラムを経て入社。現在は国内従業員向けのグローバル研修制度の企画・運営、海外派遣員・駐在員等の管理・フォローアップなどを担当。

INTERVIEWEE

三菱電機 人財統括部/グローバル人財部/グローバルタレントマネジメントセンター

マリア・ロドリゲス

2021年三菱電機コロンビア(Mitsubishi Electric de Colombia Ltda.)入社。人事/総務職として勤務した後、2024年4月より海外OJT制度を利用し、三菱電機本社にて勤務。グローバル人財開発を中心とした施策の企画・実行、コンサルティングなどを担当。

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