

聞こえない私への深い理解と配慮。その気持ちに日々の仕事で報いたい。
桑子はお寺の息子として生まれたが、聴覚の障がいが見つかり後継を断念。より大きなやりがいを求めた転職活動中には「面接すらしてもらえない」という状況にも遭遇したといいます。そうした中で三菱電機と出会い、現在では誰よりも早く出社するほどのモチベーションで仕事に取り組む日々。そんな桑子に入社のきっかけや現在の仕事、そして今後へのビジョンなどについて語ってもらいました。

リビング・デジタルメディア事業本部
静岡製作所
パッケージエアコン製造部
桑子 照雄–Teruo Kuwako-
- 1999年4月シール印刷会社 入社
- 2012年10月三菱電機株式会社 入社
- 2012年10月~
2013年9月パッケージエアコン製造部に配属され、製品の梱包作業を担当 - 2013年10月~
2016年3月製品の組立作業を担当 - 2016年4月~
2018年3月部品の供給作業を担当 - 2018年4月~
現在部品供給をはじめ、作業者へのフォロー、設備オペレーターなどサポート業務を担当
「残念だけれどお寺は継げない」と伝えた中学生のころ
桑子私は寺の息子ですので将来は僧侶になるはずでしたが、3歳のころ、両感音性難聴と診断されました。それからは補聴器をつけながら過ごしていましたが、中学生のころになると周りとあわせて念仏を唱えるのも難しくなり、両親に「残念だけれど寺は継げない」と伝えました。成長するにつれ、まったく聞こえなくなったため、手話サークルに通って手話の勉強を始めました。その手話サークル「するがの会」では2011年から13年間にわたって会長を務め、令和元年に「するがの会」が緑綬褒章を受賞した際には代表として天皇拝謁を経験させていただきました。会長の役は降り現在は副会長ですが、ろう者も健聴者も手話を通して楽しく交流できるよう、これからも活動を続けていきたいと思います。
手話を覚えてくれるやさしい先輩、仲間たちに支えられながら
桑子社会人になってからは、シールの印刷会社に就職。そこで「ものづくり」の面白さに目覚め、もっとスケールの大きなものづくりに携わりたいと思うようになりました。しかし、100社以上に面接希望を出したところ、聴覚に障がいがあることから面接をしていただくことさえかなわず…。そうした中、面接に応じてくれたのが三菱電機でした。最初は大きな会社ということもあり「たくさんの人たちと上手にコミュニケーションできるだろうか」という不安もあったのですが、面接は手話通訳者同席の上でスムーズなやりとりができましたし、とてもあたたかく接してくださいました。歓迎してくれている印象を肌で感じることができましたので「ここで働きたい!」と転職を決断したことを覚えています。
また、静岡製作所では聴覚に障がいのある従業員が現在10名ほどいますので、障がいに対する周囲の方の理解が進んでいるところもあり、働きやすさにつながっていると思います。さらに私の周りには手話を覚えて積極的にコミュニケーションしてくれる上司や仲間たちもいます。そうした方たちの存在は本当にありがたいと感じています。
後輩の成長が、まるで自分のことのような喜びに
桑子三菱電機に入社して最初に担当したのは、パッケージエアコンの梱包作業。1年後には室外ユニットのガス漏れの検査を行う作業を担当し、さらにはメインの生産ラインに部品を供給する作業を任されるようになりました。この作業は生産ラインを円滑に回すために間違いが許されない、とても重要な役割を担っています。こうした作業を任されることは、自分の仕事が信頼されている証しだと感じるとともに、経験を重ね、成長した自分にも自信がもてるようになりました。現在は作業者の指導、部品の投入、部品チェック、作業者のフォロー、組み立ての手直しなど幅広い業務を行う組立ラインのサポート作業を担当しています。私の担当するラインでは12種類のエアコンを製造しており、製造する機種に応じて部品の投入配置を換えなければなりません。その際、いかにラインを止めずスムーズに配置を換えられるかが重要であるため、その配置換えを問題なくスムーズに実施できた瞬間は「よし!」と心の中でガッツポーズをしています。また、組立ラインのサポート作業の仕事には、先ほども言いましたとおり「作業者の指導」が含まれます。作業の進め方を指導した後輩がスムーズに作業できている様子を見ると、まるで自分のことのようにうれしくなってしまいます。
自分のために導入してくれたバイブレーションによる呼び出し
桑子職場の皆さんは、手話を覚えてくださる以外にも私からのいろいろな提案を受け入れてくれました。たとえば私が働く生産ラインでは、トラブルなどの発生時に「音」や「光」でゼネラル予備員(外装部品組み立てラインを円滑に稼働させるためのサポーター)を呼び出すのですが、「音」による呼び出しに、私は対応できません。さらに「光」によるお知らせも、作業に集中しているときには中々気づくことができません。そこで、呼び出しボタンに反応する受信機を肌身離さず携帯し、バイブレーションにより呼び出しに気づく方法を提案しました。サービスエリアやショッピングモールのフードコートなどで料理ができあがった際に「ブルブルブルッ」と振動する、あの装置と同じ原理です。その提案を受け入れていただいたことで、呼び出しランプに気を取られず、より作業に集中できるようになりました。また、このことを伝えた同僚からは試してみたいと言われ、実際に使ってみてもらいました。反応としては、確かに集中できると好評で、周りの同僚はもとより、ほかのラインにも水平展開されました。
障がいの有無にかかわらず、より円滑なコミュニケーションを
桑子三菱電機 静岡製作所で採用された雇用形態は中途採用での嘱託社員としてという形でしたが、現在では正社員に登用してもらい、あらためて「障がいの有無にかかわらず、私自身を見て評価してくれる会社」ということを実感しています。また現在は外装部品組み立てを担当していますが、今後は機能部品組み立ても覚え、組立ライン全体で活躍できるようになりたいと考えています。
1日の過ごし方は?
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07:45
出社
朝は設備の点検と立ち上げ、さらには製品がちゃんと梱包されているかどうかなどの確認を行います。
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08:15
日常業務
作業者の指導やフォロー、部品の投入、部品チェック、組み立ての手直し作業など、ゼネラル予備員としての担当作業を行います。
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12:00
お昼休み
社員食堂はいつも行列ができるほど大人気。定番のメニューのほか、70周年記念弁当などイベントに応じたメニューも楽しみのひとつです!
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12:45
日常業務
午後も引き続き、ゼネラル予備員としての仕事に従事します。現場では約2時間おきに休憩があるので、無理なく働くことができています。
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16:45
終業
自宅から静岡製作所までは自転車で10分程度。仕事が終わったらすぐに帰宅できるので、プライベートの時間を充実させています!
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17:05
手話サークル
毎週水曜日は手話サークル「するがの会」に参加し、聞こえる人たちと交流しながら聞こえない人の課題や問題などを一緒に学んでいます。
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07:45
出社
朝は設備の点検と立ち上げ、さらには製品がちゃんと梱包されているかどうかなどの確認を行います。
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08:15
日常業務
作業者の指導やフォロー、部品の投入、部品チェック、組み立ての手直し作業など、ゼネラル予備員としての担当作業を行います。
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12:00
お昼休み
社員食堂はいつも行列ができるほど大人気。定番のメニューのほか、70周年記念弁当などイベントに応じたメニューも楽しみのひとつです!
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日常業務
午後も引き続き、ゼネラル予備員としての仕事に従事します。現場では約2時間おきに休憩があるので、無理なく働くことができています。
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16:45
終業
自宅から静岡製作所までは自転車で10分程度。仕事が終わったらすぐに帰宅できるので、プライベートの時間を充実させています!
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17:05
手話サークル
毎週水曜日は手話サークル「するがの会」に参加し、聞こえる人たちと交流しながら聞こえない人の課題や問題などを一緒に学んでいます。
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休日の過ごし方
休みの日は犬と遊んだり、妻と一緒に美味しいものを食べに出かけたりしています。静岡県では名産のお茶にちなんだ「かき氷」が、伊豆から浜松までたくさんあります。それを制覇したくて、県内のあちこちへ足を伸ばしています。
わたしたちの三菱電機オノマトペ
障がいの有無にかかわらず、あらゆる人が平等にイキイキと活躍できることが三菱電機の自慢です。また、それが会社の方針にとどまらず、職場の「人」に浸透していることに感謝しています。その喜びを、これからも日々の仕事で還元していきたいですね。

※記事、所属・役職及び写真は取材当時のものです。






複数社から面接を断られる中、手話通訳者同席のもとで面接をしてくれたのが三菱電機でした。入社後も私からの提案を柔軟に受け入れてくれ、毎日生き生きと働くことができています。