PLECS®モデルの使用方法

1.モデルの掲載場所とダウンロード方法
(1) 掲載場所

・下記のURLからシミュレータの掲載ページを閲覧ください。
< https://www.mitsubishielectric.co.jp/semiconductors/powerdevices/design_support/simulator/ >

・必要事項を記入の後、免責事項へ承認の上、ダウンロードページへ遷移します。

(2) モデルのダウンロード

・下表1にパワーデバイスの型名に対応したPLECSモデルのzipファイルが掲載されています。

・PLECSモデルを利用する際には、計算対象のパワーデバイスの型名に応じたPLECSモデルと計算環境を ダウンロードする必要があります。

・今回はIGBTモジュールの"CM450DY-24T "を利用することとし、三相フルブリッジのインバータを想定した 損失計算及び温度上昇の計算を行います。

・"CM450DY-24T.zip"および"Halfbridge_2level_inverter.zip"をダウンロードし、デスクトップなどの適切な場所 へ一時保管をしてください。

表1. モデルの掲載(例)

2. モデルの保管
(1) 計算環境の保管場所

・"Halfbridge_2level_inverter.zip"の"Halfbridge_2level_inverter.plecs"を適切なフォルダを作成し、配置します。

・今回はデスクトップ上に図1-1に示しますように"Simulation"というフォルダを作成し、移動しています。

図1-1. モデルの保管(例)

(2) PLECSモデルの保管場所

・"CM450DY-24T.zip"の"CM450DY-24T_IGBT.xml"および"CM450DY-24T_Diode.xml"を適切なフォルダを 作成し、配置します。

・今回は図1-2に示しますように"C:\"に"plecs_models"というフォルダを作成し、移動しています。

図1-2. モデルの保管(例)

3. PLECSの設定

・"Simulation"フォルダの"Halfbridge_2level_inverter.plecs"をダブルクリックして開きます。

・下図2に示しますようにタブの"ファイル" → "PLECS 設定" → "熱設定"の順に表示し、 "+"をクリックし、PLECSモデルを保管した"C:\plecs_models"を選択して"OK"をクリックする。

図2. PLECSの設定(例)

4. 素子の選択
(1) IGBT素子の選択

・ハーフブリッジのIGBTを計算対象とする"CM450DY-24T_IGBT"に選択するため、IGBTのシンボルをダブル クリックし、"ブロックパラメータ"の"熱設定"で、対象とする型名を選択する。 図3-1を参照願います。

・なお、ハーフブリッジのため、上下のIGBTの両方を同様に選択する。

図3-1. IGBTの選択(例)

(2) Diode素子の選択

・ハーフブリッジのDiodeを計算対象とする"CM450DY-24T_Diode"に選択するため、Diodeのシンボルをダブル クリックし、"ブロックパラメータ"の"熱設定"で、対象とする型名を選択する。 図3-2を参照願います。

・なお、ハーフブリッジのため、上下のDiodeの両方を同様に選択する。

図3-2. Diodeの選択(例)

5. シミュレーション・パラメータの設定

・図4に示しますように、"シミュレーション" → "シミュレーション・パラメータ" → "初期化"にて、モデルの初期化 コマンドを下表2を参考に設定し、"OK"をクリックする。

図2. PLECSの設定(例)

表2. モデル初期化コマンドの意味(例)

6. シミュレーションの実行と結果の表示

・"シミュレーション"から"開始"をクリックし、実行する。

・IGBTとDiodeの平均のジャンクション温度(Tj)、ケース温度(Tc)、ヒートシンク温度(Ts)、ジャンクション-ケース間 の温度差(ΔTj-c)、 ジャンクション-ヒートシンク間の温度差(ΔTj-s)の変化や、導通損失とスイッチング損失、モジ ュールのトータルの損失が表示されます。図5を参照願います。

図5. シミュレーション実行結果(例)

補足

・IGBTとDiodeの温度上昇の過渡応答や損失の時間変化を下図6のように図示することができます。

図6. シミュレーション実行結果(例)

7. 定常解析の方法と結果

・"シミュレーション"から"解析ツール"をクリックし、"+"から"定常解析"を選択し、"基本情報"の情報を入力して、 "解析開始"をする。図7を参照願います。

・図7-2に示しますように、定常解析の結果を出力することができます。

図7. 定常解析におけるシミュレーション実行結果(例)