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三菱電機のFA技術や、ビジネスに役立つ各種レポート・コラムをご紹介します。

セミナーレポート
e-F@ctoryセミナー セミナーレポート

2015年6月公開【全1回】

協賛講演2 インテル株式会社 ビジネスデベロップメント企画推進室
IoTシニアソリューション・アーキテクト 下堀昌広氏
 ※講演者の所属は2015年2月時点のものです。

IoTのトレンドと製造業における事例

IoT(Internet of Things)の世界は急拡大が見込まれています。2020年には500億台もの機器がネットワークにつながり、多種多様で大量のデータが生み出されるようになります。従来のICTの環境を包含する形で広がるIoTの世界では、一方で標準化やセキュリティなどさまざまな問題も指摘されています。

図1.e-F@ctoryセミナー セミナーレポート

インテルはIoTの時代に、3つの要素で貢献していきたいと考えています。一つはデバイスを安全にネットワークにつなぐためのIoTゲートウェイです。接続用のハードとソフトのレファレンスデザインを提供し、デバイスのネットワーク対応を短期間で実現できるようにします。二つめはハードウエアを統合する「ワークロード・コンソリデーション」です。複数のハードに分かれている機能を一つに統合したプラットフォームを提供します。三つめはエンドツーエンドでの分析機能の提供で、分析したデータの活用を支援するAPIを提供していきます。

インテル自身も製造業の一社として、IoTを実践しています。具体例の一つとして、マレーシアの半導体アセンブリ工場で、三菱電機と共同で実証実験を展開中です。製造装置から生み出される毎時5TBの大量のデータを、生産性や品質の向上に生かそうという取り組みで、三菱電機の「C言語コントローラ」やe-F@ctory Allianceメンバーの日本電能の「CIMSNIPER」を活用したパイロットシステムを構築し、実験を始めていますが、既に3つの設備で効果が現れ始めています。

一つはCPUテスタの予防保全です。テスタの誤判定による歩留まり低下を防ぐために、稼働データから障害の予兆を読み取るというものです。障害の発生前に対応することが可能になり、歩留まりの25%改善のほか、スペアパーツの使用量削減という効果をもたらしています。

二つめはCPUを基板に接続させる装置の予防保全です。接続する時の圧力をセンサで取得し、そのデータから障害発生を予測します。ここでは50%の歩留まり改善が得られています。

三つめは高解像度の画像を使った検査システムです。製品の外観検査をマシンビジョンで行う仕組みは従来からありましたが、カメラから見切れない部分は人の目で確認する必要がありました。カメラを高解像度化しそのデータをバイナリで活用することで、作業の高速化をはかっています。これら一連の取り組みにより、年間900万ドルのコスト改善が見込まれています。

もっともカメラやセンサを多用する仕組みはできても、課題を認識して解決のアイデアを考えるのはやはり「人」です。システムのインテリジェンスと人の力を組み合わせて課題を解決していくという点では、三菱電機がe-F@ctoryを通じて発信しているメッセージと共通しています。三菱電機と力を合わせて、オープンでスケーラブルなIoTのエコシステムを作っていきたいと考えております。

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