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三菱電機のFA技術や、ビジネスに役立つ各種レポート・コラムをご紹介します。

セミナーレポート
TCO削減ソリューションセミナー セミナーレポート

2015年11月公開【全1回】

三菱電機講演 三菱電機名古屋製作所 e-F@ctory推進プロジェクトグループ グループマネージャー 石田誠

※講演者の所属は2015年9月時点のものです。

ものづくりの将来像とFA統合ソリューション ~e-F@ctoryのご提案~

デジタル空間を活用した将来のものづくりを支援するe-F@ctory

ものづくりの環境変化は、データ通信、収集技術、解析技術それぞれの進化によってもたらされています。いままで取得できなかったようなデータもセンサで取得・デジタル化が可能となり、通信技術の発達により、リアルタイムに大量のデータを収集・伝達でき、高度な解析技術により各種のシミュレーションが出来るようになってきました。こういったIT (*) の進化、インフラの進化によって、ものづくりの各工程におけるデジタル空間の活用が進んでいます。

e-F@ctoryは生産現場とITシステムをつなぎ、生産現場の最適化を実現すると共に、デジタル空間を活用した将来のものづくりを支援するソリューションです。生産現場を可視化し、分析・改善を行うことで、開発から生産、保守というものづくりのフロー全体を通したTCO削減や、品質や生産性向上など、ものづくりに求められるテーマの解決に貢献します。

e-F@ctoryの中核となっているのが、生産現場とITシステムをリアルタイムでつなぐFA-ITインタフェースです。両者の中間レイヤーとして生産現場からリアルタイムで収集した情報をITに提供するとともに、ITで分析した結果を生産現場にフィードバックします。

工場の生産・品質・安全に関わる全てのシステムをネットワークで有機的に結合しどこで何が起きているかを可視化し、そのデータを使って最適な経営を実現します

生産現場のリアルタイムなデータ収集を実現する要素技術としては、広帯域の産業ネットワーク「CC-Link IE」、機器間をシームレスにつなぐ「SLMP」、機器の共通プロファイルの「CSP+」、ツールと機器間のアクセスライブラリの「EZ Socket」などです。「CC-Link IE」は1GBの広帯域を制御用と情報用で分けて通信するため、生産にまつわる情報の収集や配信を、制御に与えることなく行えます。SLMPはネットワークの階層を制約されない通信を可能にします。CSP+は機器を共通のエンジニアリングツールで管理する共通仕様で、EZSocketはエンジニアリングツールと機器のデータ連携を実現します。

e-F@ctoryはものづくり全体をカバーするソリューションのため、当社単独では到底提供しきれません。そこでハード/ソフト/SIの各分野に長けたパートナによる「e-F@ctory Alliance」を構成しています。e-F@ctory Allianceには291社が参画してソリューションを提供しており、その事例は全世界で130社5200件以上に及びます。

具体的な事例のイメージをつかんでいただくために、当社内の例をご紹介します。一つは岐阜県の可児工場における「ロボット組立セル」です。従来大きな生産ラインで同じ製品を大量生産するしかなかった可児工場の工程に、現場の作業者をロボットで取り囲むようなセルを導入しました。作業者による柔軟な段取り替えとロボットによる大量生産を組み合わせたことで、生産性は30%アップ、稼働率は60%アップする一方で、工程数は55%削減、作業面積は85%削減することが可能になりました。また名古屋製作所内でサーボモータを生産するラインでは、不良品の原因究明を現場のデータの相関分析により行うことで、分析に要する時間を大幅に短縮したほか、焼きばめのための加熱の最適化による省エネも実現しています。

  • (*)IT(Information Technology):情報技術

e-F@ctoryのアーキテクチャは、生産現場からのビッグデータ活用にも効果を発揮します。e-F@ctoryでは現場のデータを現場のFAで一次処理します。個々のデータを分析する際は生産方法や現場の環境などとひもづける必要があり、それら背景を無視してすべてIT側で分析しても意味がないからです。

生産現場のビッグデータ活用に適したe-F@ctoryのアーキテクチャ

生産現場のビッグデータ活用に適したe-F@ctoryのアーキテクチャ

それを実証したのが、e-F@ctoryの技術を活用した米インテルの半導体工場の事例です。生産ラインのセンサのデータとコマンドを収集し、どのような作業を行うとどんなデータが発生するかを分析することで、設備の予防保全を実現し、製品の歩留まり向上などにより年間9億円のコスト削減を実現しました。

ものづくりの将来像については、政府や学会でさまざまな研究会が立ち上げられ、ロボットやITを活用した新しいものづくりを追求する動きが盛んです。当社はその活動のいずれにも参画し、さらに関連技術をオープン化することで、製造業のビジネスモデル全体に貢献できるプラットフォーム構築を進めていく方針です。

製品・ソリューション紹介

e-F@ctory

三菱FA統合ソリューション e-F@ctory

e-F@ctoryは、「生産情報の見える化」「エネルギーの見える化」「安全の見える化」の実現による企業のTCO削減、企業価値向上を支援します。

e-F@ctory Alliance

e-F@ctory Alliance

e-F@ctory Allianceとは、弊社FA機器との接続親和性の良いソフトウェア・機器を提供するパートナーとそれらを活用しシステムを構築するシステムインテグ レーションパートナーとの強力な連携により、お客様に最適なソリューションを提供するためのFAパートナープログラムです。

「e-F@ctory」に関する詳細につきましては、お近くの支社・支店へご相談ください。
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