ここから本文

Factory Automation

印刷用ページ

文字サイズ変更

注目のトレンドをあなたに、
FAデジタルメディア

テクノロジーテクノロジー

三菱電機のFA技術や、ビジネスに役立つ各種レポート・コラムをご紹介します。

セミナーレポート
TCO削減ソリューションセミナー セミナーレポート

2015年11月公開【全1回】

三菱電機講演 三菱電機名古屋製作所 FAシステム第二部ソリューション推進開発グループ グループマネージャー 井野桂志

※講演者の所属は2015年9月時点のものです。

TCO削減事例紹介 ~C言語コントローラ採用事例~

既存の資産を有効活用しながらシステムの信頼性を高める

C言語コントローラはさまざまな生産現場で、TCO削減などに大きな効果を発揮しています。ここではその事例をいくつかご紹介します。

一つは弊社名古屋製作所のシーケンサ工場の例です。シーケンサの生産現場でパソコンを使用していましたが、突発的な故障のために臨時に生産を止めなければならないことがありました。復旧には、ハードの入れ替えに3時間、ウイルスチェックに2時間、再起動に10分ほどを要します。その間は生産活動を行えないため、生産性がその分低下することになります。

生産現場で使用していたパソコンを、耐久性に優れたC言語コントローラに置き換えることで、こうした突発的な故障への対応が不要になり、安定した生産を維持できるようになりました。故障対応にかかる工数も抑えられたことで、運用保守にかかるコストも6分の1に削減しております。

もちろんC言語コントローラでも故障に備える必要はあり、そのために5年ごとのオーバーホールを推奨しております。その際は止める必要がありますが、オーバーホールは計画的に行えるため、繁忙期や納期の厳しい時期を避けてメンテナンスを行うことができ、最も重要な生産業務は維持することができます。

二つめの事例は、大手ガラスメーカーの工場です。ガラスを製造するラインのコントローラとしてパソコンを使用していたのですが、やはりパソコンの突然の故障などの際は、ライン全体を止めなくてはならないため、C言語コントローラへの置き換えを進めています。現在同社ではC言語コントローラを、「次世代のFAコントローラ」と位置づけて、各所に導入を進めているということです。

三つめの事例は鉄鋼プラントの圧延ラインでの導入です。鋼片を圧延機で圧延するラインのデータ収集にパソコンを使用していましたが、OS入れ替えや古いパソコンの置き換えなどの負担に加えて、収集するデータの追加が困難という問題がありました。シーケンサと一体化できるC言語コントローラに置き換えることで、モータのトルクや荷重値などのデータ収集が高速になり、新たに収集したいデータの追加がしやすくなりました。データの取りこぼしがなくなったことで品質改善が実現しています。

四つめは鉄鋼プラントの焼結鉱製造工程の事例です。鉄鉱石と石灰石を混合して焼結鉱を作る工程の制御にパソコンを使用していましたが、同社はセンサなどからのデータをロギングして補正演算を行い、制御を高度化することを目指しました。しかし品質を維持するためには演算の信頼性を確保しなくてはなりません。

そこで同社ではパソコンをC言語コントローラに置き換え、演算プログラムをCで記述することにしました。C言語コントローラへの置き換えによりシステムの耐久性が上がったことに加えて、プログラムがCで書かれているためコーディングの内容が明示的なものになり、信頼性を確保することができたということです。

五つめの事例は人工透析用機械の生産ラインです。ここでは出荷判定のための大量のデータ処理を、パソコンをベースとしたシステムで行っていましたが、そのパソコンが止まると出荷できなくなります。パソコンをC言語コントローラに置き換え、判定のための演算プログラムをその上で動かすことで、システムの信頼性を維持しながら、大量のデータ処理が行えるようになりました。

いずれの事例も、パソコンからの置き換え時にシステムをすべて刷新するようなことはなく、既存の資産を有効活用しています。C言語コントローラはパートナのソリューションも豊富で、それらを組み合わせることでものづくりのライフサイクル全体に適用できるでしょう。

製品・ソリューション紹介

MELSEC iQ-RシリーズC言語コントローラ スタンダードモデル“R12CCPU-V”

MELSEC iQ-RシリーズC言語コントローラ スタンダードモデル "R12CCPU-V"PCサイトへ

従来のマイコンボード、パソコンなどのC言語資産を流用でき、VxWorksを搭載したコントローラにより、リアルタイム性の高い装置を実現するCPU。

「e-F@ctory」に関する詳細につきましては、お近くの支社・支店へご相談ください。
問い合わせ窓口

これまで掲載された記事はこちらから

「テクノロジー」トップページに戻る

ページトップに戻る