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若田光一宇宙飛行士 アジア初のISS船長に!2013年11月。ISS長期滞在のため、4度目の宇宙に飛び立つ若田飛行士を打ち上げ前から追いかけます。若田飛行士の旅立ちを「読む宇宙旅行」ライター林公代さんが、カザフスタン共和国・バイコヌール宇宙基地からレポート。宇宙滞在中や、ISS船長としての活躍の様子、さらに元気な着陸の様子までご紹介します。

打ち上げレポート@バイコヌール

若田光一宇宙飛行士、いよいよ宇宙へ!
ソユーズ打ち上げ現場から準リアル中継!

 若田光一宇宙飛行士の打ち上げ現場カザフスタン共和国 バイコヌールに、林公代さんが潜入!打ち上げ前から国際宇宙ステーション(ISS)ドッキングまでの様子を追いかけます。また、バイコヌール宇宙基地をはじめ、現地のレア情報もお届けします。


2013年11月7日

到着後、家族との交信で大爆笑

 ロケットで打ち上げられたその日にISSに到着。そして到着から約2時間後の18時44分には、ハッチが開き、若田さんは元気にISSの中に入ってきた。疲れも見せずに笑顔で待ちかまえていたISSの宇宙飛行士とハグ。



 ISSは若田さんらの到着で9人が滞在することになり、間もなく全員そろってJAXA理事長やご家族との交信が行われた。

 奥様のシュテファニーさんが「コウイチ、まだ私のこと覚えてますか?」と話しかけるとクルー一同、大爆笑。「打ち上げは素晴らしくて一緒に見てほしかったほどよ。やりがいがあったことでしょう。笑顔が見られて嬉しい」と話した。長男の晶雄さんには「誇りに思っているよ。宿題がんばれよ」と激励。そしてお母様のタカヨさんが「お母さんですよ、わかりますか?」と続けると、場がほっこりと和む。「打ち上げは素晴らしかったですよ。カザフスタンはいいところですね。どうしてかというと、それはあとでお話ししますね」と言うと、また爆笑。若田さんを支える女性たちは肝っ玉母さんであり、笑いをとるセンスもある素敵な人たちだ。

2013年11月7日

ドッキング成功!なんと打ち上げからたったの6時間

 朝10時14分に打ち上げられたと思ったら、もうドッキングだ!6時間、つまり地球を4周した後、カザフスタン東部上空で無事に国際宇宙ステーションのロシアモジュールにドッキング。会場となったバイコヌール市内のAgatホールでは大きなスクリーンにNASAテレビの映像が流され、ご家族やJAXA関係者などが見守っていた。

 ドッキングの瞬間、自然に大きな拍手が巻き起こった。NASA管制チームからは「コングラチュレーション コーイチ」という声がかけられた。おめでとうございます!それにしても、宇宙って近い!

  • 徐々にISSに近づくソユーズ宇宙船を見守る。
2013年11月7日

ワカタへの高い期待—第二のコマンダーを生むために

  • 「若田さんと自分の間にはこんなに大きな差があるのを実感した」と語る金井宣茂(かないのりしげ)飛行士

 打ち上げ成功を受けて、JAXAの金井宣茂宇宙飛行士と長谷川義幸理事の囲み取材が行われた。金井さんはソユーズロケットの打ち上げを見るのは初めてだそう。「近くで(打ち上げを)見られて、迫力があり胸が熱くなった。日本の有人宇宙飛行がまた一歩進んだと感動した」と同時に現場に来て、自分に求められるものと現状との『差』を実感したともいう。

 若田さんとも打ち上げ前日に面会したが「自信に満ちてリラックスしていると同時に、シャープで研ぎ澄まされた感覚を感じた」と言い、自分との差について「たとえば経験。若田さんはシャトルの事故や『きぼう』の開発など数々の困難を乗り越えてきた。話をしているときも、二手三手先を読んで話をする」と例をあげてくれた。

 一方、長谷川理事は、若田さんに続く第二第三のコマンダーを日本から出すためにも、今回、若田さんがコマンダーとしてどれくらい活躍できるかが分かれ目になるという。

 「ワカタへの期待は高い。まとめて引っ張っていく力がある。ISSでは一週間に仕事ができる時間が43〜44時間だが、できるだけ仕事を前倒しで行い、空いた時間でより多くの各国の仕事をしてほしい。『さすがワカタ。まとめる力がある』ことを見せるとともに、活躍ぶりを言葉で伝えてほしいと思います」とのこと。

 打ち上げ前日の若田さんの面会時の様子を「すごく元気で前回より落ち着いている」。宿題があったら下さいというほどだそうだ。

 お二人の話を聞きながら内心、こんな期待を背負ってしまって、若田さんが宇宙で頑張りすぎないといいなぁと、思ったのであった。

2013年11月7日

ついに飛び立った!強烈な光を放ち、まっすぐ宇宙を目指す

 ロケットがこんなに近く見えるなんて!バイコヌールでロケット打ち上げを見るのは2回目。でも以前は夜の打ち上げでした。今回昼の打ち上げに初めて来て改めてロケットと対面して、わが目を疑うほど、距離感が近い。赤茶けた砂漠の中に、無防備に立っている感じ。ロケットと向き合うという、不思議な感覚なのだ。これほどロケットとの距離が近い発射場は世界中のどこにもない。しかし、近いがゆえに何かあった時に大丈夫?とも感じる。JAXA関係者によれば、観覧席の下には防空壕が作られており、何かあった際は走って逃げ込むそう。

 そして打ち上げ。今回強烈だったのは「光」。青空の中の打ち上げで太陽の日差しも強いのに、さらに強烈な光がはなたれ、まるで身体を射るようだ。ロケットはまっすぐ天を目指した。ロケットと言えば白い噴煙の通り道、ロケットロードを残しながら飛び立つという印象があるが、ソユーズは固体燃料を使っていないため、跡を残さない。

 そして何より心に響くのは、その先端にわれらが若田さんが乗っているということ。行ってらっしゃい!若田さん。



2013年11月7日

宇宙飛行士出発式

 ホテルを朝4時過ぎに出発した若田飛行士たちは、バイコヌール宇宙基地内のビルディング254へ。ここで打ち上げの時に着る「ソコル宇宙服」に着替え、気密漏れがないかどうかをチェックする。その後、打ち上げ約3時間前(7時過ぎ)に外に出て、3人が並んで歩き、VIPに最後の挨拶「宣誓式」を行い、発射台に向かう。

 今回のメディアツアーは、ロシアの宇宙機関ロスコスモスの長官が新しくなったこともあり、この宣誓式が見られるかどうか、現場に行くまでわからなかった。ところがうれしいことに、宣誓式だけでなく、ソコル宇宙服に着替えた後の若田飛行士の様子まで取材・撮影がOKになったのだ!

 部屋に入ると、宇宙服を着た若田飛行士がご家族とガラス越しに和やかにお話をされているところだった。息子さんには「宿題をちゃんとやるんだよ」、弟さんには「お母さんをよろしく頼んだよ」と。こんな大事な時間に私たちを入れてくれるなんて、若田さんの余裕が感じられる。私も思わず手を振ると、「あ、林さん」と名前まで読んでくださった!たくさんの人が出入りする部屋で、私にまで声をかけて下さる心遣い・・このあたりが世界中の人々の人望を得る所以なのだと実感する。

 そして7時過ぎ、3人の宇宙飛行士たちがビルから出て、VIPが経っているところまで数十メートルを歩く。若田さんの表情は一転、きりっと引き締まっていた。「行ってきます!頑張ってきます!」若田さんは何度もそう繰り返したが、頑張りすぎず、ぜひ宇宙を楽しんできてほしい。

  • 宇宙服に着替えたあと、ご家族と最後の会話をする若田さん

  • ビルから出て、宣誓式の場所まで歩く。宇宙服は座席に座るよう作られるため歩きにくい。

  • きりっと引き締まった表情で宣誓式に臨む
2013年11月7日

打ち上げ当日朝、ホテルからバイコヌール宇宙基地へ

 11月7日打ち上げ当日、4時過ぎ、若田さんたち3人はコスモノートホテルから姿を現した。


 ロシアには打ち上げ前の儀式がいくつもある。打ち上げ前夜には「砂漠の白い太陽」という映画を見る、サウナに入る。そして当日はホテルを出る前に、ドアのホテルにサインし、ロシア正教の神父さんから聖水をかけてもらう。 「若田さんはたっぷりかけてもらってびしょびしょになってましたよ」と見守っていた古川飛行士は笑っていた。

  • ホテルから出て宇宙服に着替える工場に向かうところ。目の前にいる奥さんと息子さんに手を振っていました。
    ホテルから出て宇宙服に着替える工場に向かうところ。目の前にいる奥さんと息子さんに手を振っていました。

 ホテルから出るときにかけられる曲も決まっている。「トラバウドーマ」(家の近くの庭)という意味で、宇宙から地球を懐かしむ曲。歌っているのはゼムリアーニン(地球人)という名のグループ。80年代、旧ソ連時代の軽快なロックだ。

 ホテルから並木道をゆっくり歩き、見守る人たちに「ありがとう」と手を振りながら歩く。バスに乗り込んだ後は、ガラス越しに奥様や息子さんと手を合わせたはじける笑顔が印象的だった。

 頑張れ、若田さん!

2013年11月6日

若田さんは「パーフェクトコマンダー」 チームメイトが絶賛

 11月4日にバイコヌールに入ってから、やっと若田光一宇宙飛行士に会えた!記者会見だ。11月6日11時から、宇宙飛行士たちが宿泊するコスモノートホテルの記者会見室で、若田さんのチーム3人とバックアップクルー3人がそろって記者会見が行われたのだ。

  • 左:和気藹々の若田チーム。左から若田光一飛行士、ロシアのミハイル・チューリン飛行士、NASAのリチャード・マストラキオ飛行士
    右:ガラス越しのプライムクルー(左側3名)とバックアップクルー(右側3名)

 宇宙飛行前に病気に感染しないため、会見はガラス越しで行われた。ブルースーツで登場した若田さんは元気そう!いつものように穏やかな笑顔を浮かべて、集まった100人ほどのプレスや家族に手を上げたり、笑顔を向けてアイコンタクトしたり。

 そして、押し合いへしあいのプレスの中で、必死に司会者の女性にアピールしあててもらって質問。若田さんにこたえてもらうことができました!(しかも頑張って英語で!)

 まず若田さんに聞いたのは「今回は初めてのロシアのソユーズ宇宙船での飛行。しかも6時間で到着するから忙しいですよね。どう思いますか?」ということ。

 若田さんは「これまではスペースシャトルで宇宙に行っていたから、ソユーズで宇宙に行くのはわくわくします。しかも、6時間でドッキングしてしまう。ロシアの宇宙プログラムは成熟している。自分の体の変化も含めて楽しみです」とのこと。

 そして、もう一つの質問はチームの二人に対して。「若田飛行士は日本で初めてISSのコマンダーになりますが、彼はどんなタイプのコマンダーですか?」と。

 ロシアのチューリン飛行士は、「彼はコマンダーだけでなく、友だち。長く一緒に協力しあってきて、人間として、友だちとして、指揮官として尊敬している。『パーフェクトコマンダー』だよ」、NASAのマストラキオ飛行士は「コウイチはGreat!コマンダーであるだけでなく、とてもハードに仕事をする」と二人とも大絶賛なのであった。

2013年11月5日

「すごいクルー、まったく問題ない」古川飛行士が太鼓判!

 11月5日朝、7時に工場を出たソユーズロケットが約2時間半かけて発射台へ移動、垂直に起立させる作業が行われる頃、古川飛行士とJAXA長谷川理事の囲み取材が行われた。その詳細をご紹介。

 古川聡宇宙飛行士は過去、このロールアウトをこれまで3回見ているそうだが、「天気もよく澄み切った青空の中で、本当にきれいなロールアウトだと思います」とのこと。「ロケットに特別なデコレーションが施されていて、素晴らしい絵柄」とも。

 船長=「コマンダー」の任務を務める若田飛行士については「尊敬する先輩。素晴らしい能力、お人柄、リーダーシップが世界に評価された」と嬉しそう。

 今回はロケット発射から6時間でISSに到着するが、ソユーズ宇宙船でフライトエンジニア(非常時には船長に代わって操縦する船長の片腕)を務めた古川さんは「ISSに早く到着するのは有利です。でも作業はすごく忙しいし、打ち上げ前からドッキングまでを考えるととても長い一日になるので体調を整えるのが大変ですね」と経験者ならではのコメント。でも「若田さんたちはすごいクルーです。まったく問題ない!」とにっこり笑って太鼓判をおしてくれました。

 一方、JAXA長谷川義幸理事は「若田さんが船長になることは20年前には考えられなかった。貨物船『こうのとり』や『きぼう』日本実験棟の継続をNASAが評価し、ようやくこの時代が迎えられた。次のコマンダーを出せるよう、若田さんの活躍に期待したい」と語った。

 古川飛行士や長谷川理事は5日午後、ガラス越しに若田さんと面会。「準備ができていて、いつも通りの若田さんでした。打ち上げに向けてわくわくしているのではないでしょうか」(古川飛行士)

2013年11月5日

射点へ向かうソユーズロケット

 ロールアウトの後、車で移動して、発射台まで約10kmの線路上をゆっくりと運ばれてくる全長約50mのロケットを待ちかまえます。午前8時ごろには朝日が昇ってきてロケットを照らす様はとても幻想的でした。


  • ロケットの到着を待つ発射台。
    ロケットの到着を待つ発射台。

 発射台を背にするJAXAの長谷川義幸理事と古川聡宇宙飛行士。「道中気をつけて、素晴らしいミッションを」と古川さんは若田飛行士にエールを送った。今日の午後、お二人は若田さんとガラス越しに面会する予定だそう。


 バックアップの宇宙飛行士は、このロケット移動を見ることができるが、実際に宇宙に行く若田さんたちクルーは、ロケット移動を見ないことになっているのが、ロシアのげんかつぎの一つ。


  • XXXX

 バックアップ宇宙飛行士の一人、ロシア人のマキシム・スライエフ宇宙飛行士。野口飛行士と前回、長期滞在をともにし、来年はISS長期滞在でコマンダーを務める予定。東京に来日した際、お会いしたことがあり、そのことを話したら「覚えてるよ!」とにっこり笑ってくれた!

2013年11月5日

ソユーズロケット ロールアウト!

 11月5日朝7時すぎ。ソユーズロケットが工場から出てきた瞬間です!大きい!でも人が乗るところは意外に小さい。ロケットとの距離わずか3メートルぐらい。触れるぐらい近寄れるなんて感激です!

  • (左から順に)工場の扉があいて、いよいよロケットが姿を現した!→ 連結が終わり、もうすぐ出てきます。→ ロールアウト!
    (左から順に)工場の扉があいて、いよいよロケットが姿を現した!→ 連結が終わり、もうすぐ出てきます。→ ロールアウト!

  • 左:ソユーズロケットの機体には、2020年のあのスポーツ祭典でロシア選手も着用する、ロシアの伝統的なデザインが。右:横倒しになって列車で運ばれるロケット
    左:ソユーズロケットの機体には、2020年のあのスポーツ祭典でロシア選手も着用する、ロシアの伝統的なデザインが。
    右:横倒しになって列車で運ばれるロケット
2013年11月4日

「宇宙への玄関口」バイコヌールってどんなところ?

  • バイコヌール行の飛行機。ご家族やJAXA、NASA関係者、メディアなど約100人でほぼ満席。
    バイコヌール行の飛行機。ご家族やJAXA、NASA関係者、メディアなど約100人でほぼ満席。

 やってきました!世界中の発射場の中で「もっとも古く」、「もっとも数多く」のロケットを宇宙に送り出してきた、「ロケットの聖地」=バイコヌール宇宙基地に。

 11月4日朝、モスクワ南西部のヴヌークヴォ国際空港から約3時間。バイコヌールに到着。雨のモスクワから一転、バイコヌールは晴天!青空を背景に最高の打ち上げが期待できそうだ。にしても、空港の周りは見渡す限り地平線・・なにも、ない。

 バイコヌール宇宙基地は中央アジア、カザフスタン共和国にあり、ロシアが借りる形となっている。空港からしばらく車で走ると、巨大なモニュメントが見えてきた!

  • バイコヌール市街地の入り口にあるモニュメント。
    バイコヌール市街地の入り口にあるモニュメント。

 1955年に基地建設のために街が作られたことを記念するモニュメントであり、その奥には数百ものアパート群が並ぶ。壁面には歴代のロケットの絵が描かれている。市街地を抜けて、基地に入ると、火星のような風景が広がる。赤茶けた土砂漠が延々と広がり、時おり、草をはむラクダの姿が見られる。そして傍らには線路が。ここではロケットを横倒しにして列車で運ぶのだ・・。