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  • 準天頂衛星みちびき打ち上げレポート 01:「世界一美しい」発射場で追った、「みちびき」打ち上げ

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2010年9月11日 種子島 準天頂衛星みちびき 打ち上げレポート 2010年9月11日、準天頂衛星みちびきが種子島宇宙センターより打ち上げられました。現地に飛んだ「読む宇宙旅行」の林公代さんが、打ち上げの様子や打ち上げを支える方々のお話をご紹介します。

「世界一美しい」発射場で迫った、
「みちびき」打ち上げ

 種子島に「みちびき」打ち上げ取材Go!の指令が下されたのは、8月末のある日のこと。「8年ぶりの種子島だ!」と浮かれつつ島入りしたのが、打ち上げ前日の9月10日。空港は新しくなっていたが、島は8年前と変わらない。延々と続くサトウキビ畑、真っ赤なハイビスカス、青い海、そして夜には天の川。時の流れが東京と違う〜。

 だがロケット打ち上げは8年前と劇的に変わった。当時は打ち上げに延期はつきものだった。だが最近は天候条件さえ整えば定刻打ち上げが続いている。「今回も行けるんちゃう」と楽観的にプレスセンター入りすると、作業は極めて順調。わかっていたがほっと胸をなで下ろす。夜10時頃、交差点でタンクローリーと遭遇した。地元民が「ロケットの液体水素燃料だよ」と教えてくれる。

大型ロケット組み立て棟から約250mの距離から、機体移動を取材
大型ロケット組み立て棟から約250mの距離から、機体移動を取材
H-IIAロケット18号機。全長53m、質量287トンの機体は軽やかで美しい。
H-IIAロケット18号機。全長53m、質量287トンの機体は軽やかで美しい。
20時17分、定刻通り打ち上げられたH-IIAロケット。夜の打ち上げはドラマチックだ。(提供:JAXA)
20時17分、定刻通り打ち上げられたH-IIAロケット。夜の打ち上げはドラマチックだ。(提供:JAXA)

 9月11日、打ち上げ当日朝7時、早朝とは思えない強い日差しの中、H-IIAロケットが大型ロケット組み立て棟(VAB)から顔を出した。射点まで約500mの距離を約25分かけてゆっくり進んでいく。三菱重工の森健さんは「ロケットを見るとアドレナリンが出ますね〜」と嬉しそう。「苦しい時ほど明るく」をモットーにチームを引っ張ってきたプロジェクトマネージャーだ。

 打ち上げ時刻は20時17分。一般客の見学場所の一つ、長谷公園には前日組も含めてゾクゾク人が集まっている。宿でご一緒した夫婦は横浜から駆け付けたと聞いた。18時半頃海を朱色に染めて陽が暮れると一気に暗くなる。竹崎展望台は斜点から3.6kmの距離。発射予定の30分前に上っていくと、天の川がくっきり見えるほど真っ暗で、うっかり三脚を蹴飛ばしてしまいそうだ。記者達は打ち寄せる波音に耳を傾け、時折天を仰ぎ、ロケットと共に静かにその時を待つ。

 そして打ち上げ。夜空を一瞬で昼に変え報道席がまぶしく照らされた。遅れて轟音とバリバリバリと空気を引き裂く振動。「光、音、振動」が発射の醍醐味だ。固体ロケットブースターをはらはらと落下させ、ロケットは木星の傍らを天を目指し飛んでいった。発射から6分半以上、第一段主エンジン停止まで肉眼で見えたのはここ数年でも珍しい(7分以上見えたという人も!)。NASAのスペースシャトル打ち上げと比べれば力強さではかなわないが、星と波音に彩られ繊細で美しい「風光明媚な」打ち上げだ。