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三菱電機Presents スペース・キッズ・プラットフォーム2011 取材レポート 2011年8月30日、財団法人日本宇宙少年団主催のイベント「スペース・キッズ・プラットフォーム2011」が開催され、公募によって選ばれた子どもたちが東京、仙台、名古屋の3会場から国際宇宙ステーションに長期滞在中の古川宇宙飛行士と交信しました。その模様やワークショップなどイベントの様子をご紹介します!

宇宙飛行士のように身体を鍛える!

2011年8月30日、財団法人日本宇宙少年団主催のイベント「スペース・キッズ・プラットフォーム2011」(三菱電機 特別協賛)が開催された。東京、仙台、名古屋の3会場から子供たちが国際宇宙ステーションに滞在中の古川聡宇宙飛行士と交信した様子は前回お伝えした。今回は、同日東京会場で行われたワークショップや、日本科学未来館の施設見学をレポート。ワークショップ「ミッションX」はNASAが世界の子供達向けに開発したプログラム。「宇宙飛行士のように身体をきたえよう!」が合い言葉。さてその内容とは?

落下する物差しをキャッチ・・何秒でできる?

古川飛行士との交信前に、子供達が熱狂したのがワークショップ「ミッションX」。2011年1月にNASAが発表したプログラムで、宇宙飛行士の訓練や健康管理のノウハウを、世界の子供達の健康な食事や運動習慣に活かそうというもの。世界の宇宙機関が協力して取り組んでいる。この日のワークショップも「重力を感じよう」をテーマにJAXA宇宙医学生物学研究室の山田深さんが、東京会場の子供達に指導。かんたんな運動をやっていくうちに、自分では気づかないけれど、地上の重力に合わせて身体がうまく連動して働いていることを実感できる。

石垣島天文台上空の星空。夏は晴天率40%!
ワークショップ「ミッションX」で。ペットボトルをとられると、手はどう動くかな・・?

たとえば2人一組になり、一人の手のひらの上にペットボトルを乗せる。それを相方の子が取り上げる。すると、ペットボトルがとられた瞬間に手のひらが上に動いてしまう。「動かさないように」と言われてもわずかに動いてしまうのだ。ところが右手に乗せたペットボトルを自分の左手でとると、不思議なことに右手は動かない。なぜだろう?

JAXA山田さんによると「ペットボトルの重さを右手が感じて脳に信号を送ると、脳は重さを支えるだけの力を右手に上向きに加えるよう指令を送る。だからペットボトルをとられると、支えている力の分だけ右手は上にあがってしまう。でも自分の左手でとるときには、右手と左手は脳につながっていて力を加減する指令を送るから、右手があがらないんですね」と解説。なるほど・・身体ってうまくできている。

その他にも目をつぶって片足でバランスをとるなど、重力に適応するため目と耳と手足が連携していることを実感。そしてみんなの興奮が最高潮に達したのは、宇宙飛行士の選抜試験でも行われたことがあるという「物差しキャッチ」。2人一組になり、一人が上から垂直に落とした物差しを、もう一人がどれだけ素早くキャッチできるかを競う。目で見たことを身体に伝えて素早く動けるかが勝負だ。参加者の最高記録は3cm! ゲーム感覚で楽しみながら身体の働きが実感できる。これは家でもやってみたいと見守る保護者の方々も興味津々だ。

地球はつながっているージオ・コスモス

 ワークショップ後は日本科学未来館の宇宙関連の展示を特別に見学。圧巻はシンボル展示の「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」。三菱電機製の有機ELパネルを約1万枚使った世界初の球体ディスプレイだ。宇宙から見た光り輝く地球の姿はもちろんのこと、植物プランクトンの繁殖の様子や植物プランクトンを餌にする魚を食べる渡り鳥の移動まで映し出し、地球上ですべての生き物がつながっているという食物連鎖をありありと目にすることができる。東日本大震災で起こった大津波が太平洋上を伝わっていく様子を映し出すと子供達は息を呑んだ。

日本科学未来館の「ジオ・コスモス」に映し出される地球の様々な光景は見るものを魅了する。

日本科学未来館には国際宇宙ステーションの「未来館版」居住棟「こちら宇宙ステーション」があり、トイレやシャワーが完備されている。見学する子供達は宇宙での生活や仕事に思いを馳せる。また月・惑星探査計画の展示では、科学コミュニケーターのお姉さんの解説に熱心に聞き入り、質問にも次々に手があがる。何事にも全力投球!な参加者たちに、科学コミュニケーターの田端萌子さんも驚いていた。

宇宙や健康についてたくさんのことを学んだ子供達。宇宙との交信で古川聡宇宙飛行士は「不思議だなと思う『科学の心』を大切にして下さい」とくり返し語りかけていた。この日の感動体験と共に、子供達の心に深く刻み込まれたことだろう。

photo Snap

  • 「物差しキャッチ」の様子。

  • 壁を使っての重力体感実験。

  • 日本科学未来館が誇る「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」。

  • 小山宙哉さんの登場に会場のボルテージも上がります!

  • 未来館の施設見学では宇宙の解説ボードに熱心に見入る。

  • 科学コミュニケーターのお姉さんも子ども達の熱意に、わかりやすい解説で応えてくれました。

  • 宇宙と医学のお話をしてくださった小児科学会栄養委員会委員長、児玉浩子先生。

  • JAXA有人宇宙環境利用ミッション本部で宇宙飛行士の健康管理を担当する松本暁子先生は宇宙での身体の変化のお話しを。

  • 科学コミュニケーターのお姉さん、田端萌子さんはDスペェスケと!