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オゾン発生原理と用途・効果

オゾンは酸素原子3個から構成される独特のにおいを持つ気体で、その効果は塩素等とは異なり、殺菌・脱臭・脱色・酸化など多岐にわたります。
オゾンの力を利用した水処理システムは、その浄化効果や環境にやさしい点などが評価され、浄水処理や下水処理、廃水処理分野での導入が進められています。また、各種工業分野でも、酸化処理や脱臭処理をはじめとする効力が注目され、新しい用途が広がりつつあります。

オゾン発生原理

誘電体(ガラス)を介した電極間に交流電圧を印加すると無声放電が生じます。
この放電空間に酸素又は空気を通し、エネルギーを与え活性化させると解離または励起された酸素の一部がオゾンに変化します。

オゾンは酸化力の強い気体で、その特性を生かして、水のカビ臭や細菌・ウィルス・有機物などの除去に使われています。

またこの気体は酸素に分解され、残留性もなく、環境負荷を与えないため、多くの浄水場、下水処理場で導入が進んでいます。

オゾンは通常、無声放電という方法で酸素から生成しますが、三菱電機では、放電方式に独自の改良を加えることによって、少ない電力で、効率よくオゾンを発生させる技術を確立しました。

オゾンの発生原理図

用途・効果

オゾンの持つ殺菌・脱臭効果は高度な水質改善に貢献するとともに、その強力な酸化力は各種工業分野でその効力を発揮しています。
また、高濃度のオゾンを利用することで、各種反応効率の改善が期待されます。ここではオゾンの持つ様々な用途・効果をご紹介します。

酸化

オゾンは自然界ではフッ素に次ぐ強い酸化力を有しており、自己分解により酸素に戻る環境に優しい酸化剤として様々な分野で利用されています。

酸化剤 標準酸化還元電位(25°C)
フッ素 2.87
オゾン 2.07
過酸化水素 1.78
塩素 1.40
酸素 1.23

各酸化剤の酸化ポテンシャルの比較

フェノール濃度グラフ

促進酸化

オゾンに過酸化水素やUVを組合せることでより強力な酸化力をもつOHラジカルを生成し、難分解性有機物などを効率よく分解できます。

酸化剤 標準酸化還元電位(25°C)
OHラジカル 2.80
オゾン 2.07
酸化ポテンシャルの比較

促進酸化の比率グラフ

有機物低減

塩素注入により生成される発がん性を示すトリハロメタンをオゾン処理により効率的に低減できます。

THMF.P.残存率グラフ

除菌

強力な酸化力により細菌の細胞膜を破壊し除去します。オゾンは、従来の塩素に比べ強力かつ速効性があります。

  • 初期状態

  • オゾン注入

  • 細胞壁破壊

消毒剤 腸内菌 芽胞菌 アメーバシスト
オゾン 0.01 2 10
次亜塩素酸
ナトリウム
0.2 100 100

各種消毒剤の99%不活化CT値(mg・min/ℓ)

脱臭(水)

水道水源に含まれる代表的な臭気物質である2-MIB(ジメチルイソボルネオール)を効率よく分解できます。

累積除去率グラフ

脱臭(空気)

オゾンの強い酸化力を利用し、臭気成分を速やかに酸化分解します。

標準脱臭能力グラフ

脱色

着色の原因となる分子の不飽和結合をオゾンの強力な酸化力で分解し、脱色します。

  • オゾン処理導入前

  • オゾン処理導入後

オゾン処理時間


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