ハーブティーで心も体もあたたかくハーブティーで心も体もあたたかく

心を癒やし、体を内側から温めてくれるハーブティー。材料選びや入れ方のコツを押さえると、いっそうおいしく楽しめます。
今回は、葉山でレストランを営む石光映美子さんから、ハーブティーの基本や冬におすすめのレシピについて教えていただきました。
香り豊かなハーブティーをご家庭に取り入れて、冬の寒さを乗り切りませんか?

自然の効能を、豊かな香りとともに 自然の効能を、豊かな香りとともに

ハーブティーとは、植物の葉や花などにお湯を注いで作る飲みものです。自然の効能をいただくものとして、古来より親しまれてきました。紅茶との大きな違いは茶葉を発酵させないこと。そのため植物の本来の香りをより楽しめるのがハーブティーの良さです。

ハーブティーの種類は大きくふたつ。生のハーブで入れる「フレッシュハーブティー」と、乾燥させたハーブを使う「ドライハーブティー」です。旬のハーブの香りをダイレクトに楽しみたいときは、フレッシュハーブティーがおすすめ。新鮮さが命なので、飲みたいときにそのつど買ったり庭で摘んだりするといいでしょう。一方、旬を過ぎても楽しめるのがドライハーブティーの良さです。ドライハーブは密閉容器に入れると1シーズンほど日持ちします。

たっぷりのハーブを、熱々のお湯で たっぷりのハーブを、熱々のお湯で

おいしいハーブティーを作るために大切なのは、農薬の使用量が少なく新鮮なハーブを選ぶことです。インターネット通販でも手に入りますが、初めて買うならハーブティーの専門店に足を運ぶのがおすすめ。手に取ったり、香りをかいでお気に入りに出会うのも楽しみのひとつです。好きな香りやどんな気分になりたいかをお店のスタッフに伝えると、ぴったりのハーブを選んでくれます。

ハーブティーを入れるときには、香りを十分に抽出しましょう。そのためのポイントはふたつです。1つ目はハーブをふんだんに使うこと。紅茶の場合、茶葉を入れ過ぎるとエグみが出ますが、ハーブティーではその心配はありません。もうひとつ、大切なのはお湯の温度です。紅茶を入れるときは熱湯を少し冷ました80~90度が適温ですが、ハーブティーでは沸騰したお湯を使いましょう。

レシピ1 セージ&生姜のフレッシュハーブティー レシピ1 セージ&生姜のフレッシュハーブティー

レシピのポイント

摘みたてのフレッシュなセージを使ったハーブティー。冬になると多くの種類のハーブがしぼんでしまいますが、セージは寒さに強いのが特徴です。爽やかさと少しの苦味を併せ持ったセージの風味には存在感があり、肉料理のアクセントとして使われることも。生姜のピリッとした風味をプラスした、体をじんわりと温めてくれる1杯です。強い刺激が苦手な方は、3分蒸らした後にハーブと生姜を取り除きましょう。

材料(2~3杯分)

  • セージの葉7~8枚
  • 0.3cmにスライスした生姜2枚
  • 熱湯350ml

作り方

  • 1.温めたポットにセージと生姜を入れる
  • 2.熱湯を注いで3分蒸らす
  • 3.温めておいたカップに注いででき上がり

レシピ2 ルイボスティー&マリーゴールドのドライハーブティー レシピ2 ルイボスティー&マリーゴールドのドライハーブティー

レシピのポイント

ルイボスティーは、近年ポピュラーなハーブティーのひとつ。ノンカフェインでお子さんや妊娠中の方でも楽しめるのが人気の理由です。ほのかな甘味とすっきりとした後味が特徴のルイボスティーには、マリーゴールドの花びらで見た目と風味に華やかさを添えます。刺激が少なく胃腸にやさしい、朝におすすめのハーブティーです。ミルクや豆乳、オーツミルクを加えるとまろやかな味わいになります。

材料(2~3杯分)

  • ルイボスティーの茶葉小さじ1
  • ドライマリーゴールド大さじ1
  • 熱湯350ml

作り方

  • 1.温めたポットに、ルイボスティーの茶葉とドライマリーゴールドを入れる
  • 2.熱湯を注いで3~5分蒸らす
  • 3.温めておいたカップに注いででき上がり

レシピ3 カモミール&レモングラスのドライハーブティー レシピ3 カモミール&レモングラスのドライハーブティー

レシピのポイント

りんごに似たほのかな甘さと爽やかさが特徴のカモミールは、ハーブティーの材料の代表格です。リラックス効果があることで知られています。さっぱりとした酸味のあるレモングラスを合わせることで、バランスの取れた味わいに。仕事や家事、勉強の合間などで、ひと息つきたいときにおすすめのレシピです。

材料(2~3杯分)

  • ドライカモミール大さじ1
  • ドライレモングラス大さじ1/2
  • 熱湯350ml

作り方

  • 1.温めたポットにドライカモミールとドライレモングラスを入れる
  • 2.熱湯を注いで3~5分蒸らす
  • 3.温めておいたカップに注いででき上がり

レシピ4 りんごのフルーツハーブティー レシピ4 りんごのフルーツハーブティー

レシピのポイント

りんごと蜂蜜を合わせたような風味を持つのがエルダーフラワー。寒さや乾燥で体調を崩しがちな冬におすすめのハーブです。ローズレッドはアロマオイルとしても使われるほどの華やかな香りが特徴。赤い花びらはお湯を注ぐといっそう鮮やかな色合いに変化します。これらハーブに合わせるのは、冬が旬のりんご。優雅な気分になりたいときにおすすめのハーブティーです。メープルシロップや蜂蜜を加えてもおいしくいただけます。

材料(2~3杯分)

  • 0.5cmの輪切りにしたりんご2枚
  • エルダーフラワー大さじ1/2
  • ドライローズレッド大さじ1
  • 熱湯350ml

作り方

  • 1.温めたポットにりんごとエルダーフラワー、ドライローズレッドを入れる
  • 2.熱湯を注ぎ、蓋をして3~5分蒸らす
  • 3.ポットからりんごを取り出して温めておいたカップに入れ、ハーブティーを注いででき上がり

石光映美子(いしみつ・えみこ)さんフードセラピスト

葉山を拠点として、食と暮らしの企画・プロデュース「La lettre(ラ・レットル)」を主宰する石光さん。ケータリング、出張料理、レシピ開発、食空間プロデュースなどを手掛けています。2022年5月には、葉山アトリエに完全予約制の貸し切りレストランをオープン。季節に合わせたさまざまなハーブティーを提供しています。「LIFE CREATION SPACE OVE」(東京・南青山)でも活動しており、そこを利用したお客さんが葉山アトリエを訪れることも多いそうです。

2023.01.11

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