冬にぴったり!せいろで作るヘルシーであたたかい蒸し料理レシピ3選冬にぴったり!せいろで作るヘルシーであたたかい蒸し料理レシピ3選

寒い季節にうれしい、やさしい蒸気の力で仕上げるせいろ料理。
せいろは、蓋についた水分が水滴になって落ちたりする心配がないので、小麦粉を使った蒸しパンや、肉まんなどの調理にぴったり。
今回は、せいろの魅力を存分に楽しめる3品をご紹介します。
ふっくらとした皮が魅力の肉まん、主菜と副菜を一度に仕上げる蒸しおかず、そして素朴な甘さがうれしい昔ながらのカスタードプリン。せいろならではの穏やかな加熱が、素材の旨みや甘みをしっかり引き出します。

ふっくら手作り肉まん ふっくら手作り肉まん

ふっくらと蒸しあがった生地に、豚バラ肉やたけのこ、干し椎茸のうまみをぎゅっと閉じ込めた本格肉まん。
しっとりとした皮と、香味野菜と調味料が織りなす風味豊かな肉だねが絶妙に調和します。
手作りならではの素朴なおいしさを、気軽に楽しめる一品です。

材料(直径8~10cmくらいの肉まん6個分)

<肉まんの皮(皮1個55g)>

  • 薄力粉200g
  • きび砂糖20g
  • 1g
  • ベーキングパウダー5g
  • ラード10g(ない場合は米油や太白ゴマ油で代用可)
  • インスタントドライイースト2g
  • ぬるま湯(25℃くらい)90g

<肉だね>

  • 豚バラスライス150g
  • スライス干し椎茸5g
  • タケノコ(水煮)20g
  • 長ネギ20g

〈A〉

  • おろしニンニク少々
  • きび砂糖3g
  • しょうゆ15g
  • オイスターソース5g
  • 片栗粉5g
  • コショウ少々
  • 五香粉お好みで少々
  • 打ち粉適量

作り方

  • スライス干し椎茸は小さく手でちぎり、水30gにひたして、柔らかくもどしておく。6cm角に切ったクッキングシートを6枚用意しておく。
  • 生地を作る。ボウルに薄力粉、きび砂糖、塩、ベーキングパウダーを入れ混ぜる。ここにラードも加える。別のボウルにぬるま湯とインスタントドライイーストを加え、きれいに溶けるまで混ぜる。
    これを粉類が入ったボウルに加え手で混ぜる。粉っぽさがなくなってきたら、台の上に出し、なめらかな生地になるまで手で5分ほどこねる。
    生地の表面をきれいに張らせて丸め、閉じ目を下にしたボウルにもどす。
    上面をラップで覆い生地が2倍~2.5倍の大きさになるまで、60分~90分発酵させる。
    *23℃くらいの室温で90分ほどが目安です。
  • 発酵している間に肉だねを作る。豚バラスライス、タケノコ、長ネギはみじん切りにして、ボウルに入れる。水でもどした干し椎茸もみじん切りにし、ボウルに加える。残った戻し汁も全てボウルに入れる。
  • ③のボウルにAをすべて加える。手で少し粘りがでるまで混ぜる。6等分に分けて丸め、生地の準備ができるまで冷蔵庫に入れておく。
  • ②の生地が発酵したら、薄く打ち粉をした台の上に取り出し、6等分に切り分ける。それぞれを丸くまとめ、台の上に並べる。濡らしてかたく絞った布巾を上からかけて生地の乾燥を防ぎ、そのまま15分ほど生地を休ませる。
  • 生地をめん棒で直径13cmくらいの円形にのばす。(*生地の中心部分を少し厚めに残して、外側を薄くすると包みやすく、仕上がりもきれいになります。生地が台にくっつく場合は打ち粉をして作業してください。)生地の中心に肉だねをのせる。片手で生地の端を少しつまみ、もう片方の手で時計回り(逆回りでもOK)に少しずつひだを寄せる。最後に口をしっかりとつまんで閉じる。閉じ目を上にして、クッキングシートの上にのせる。再び、濡らしてかたく絞った布巾を上からかけて生地の乾燥を防ぎ、そのまま15分ほど生地を休ませる。
  • 発酵を待つ間に、湯を沸かして、すぐに蒸せるように、蒸し器の用意をしておく。発酵がおわった生地をせいろに間隔をあけて並べ、蒸し鍋にセットする。中火で15分ほど蒸す。蒸しあがったらできあがり。

ワンポイントアドバイス

せいろのサイズ:直径21cmのせいろに肉まん3個が入ります。21cmのせいろが2つ(2段)あると肉まん6個を同時に蒸すことができます。使用するせいろのサイズの目安にしてください。

肉まんの魅力のひとつは、ふんわりした蒸し生地。発酵が不十分だと、生地が固く密になってしまい、食感が重くなります。十分に発酵させることで、やわらかく、口当たりのよい皮に仕上がります。

豚バラスライス・タケノコ・干し椎茸はすべて細かく刻み、調味料とよく練り合わせてから冷蔵庫で休ませると、うま味がなじんで一体感が生まれます。

蒸す際に具が出てしまわないよう、ひだを丁寧に作り、口をしっかり閉じてから蒸しましょう。

おすすめのほかの具材の組み合わせ

  • *豚挽肉に大きめみじん切りキャベツとザーサイの漬物を混ぜる。
  • *合い挽き肉にたっぷりの粗挽き胡椒とキクラゲの千切りを混ぜる。
  • *豚肉とむき海老をたたいたものに、粗みじん切りにしたレンコンを混ぜる。

一度に主菜と副菜を。せいろ2段で作る蒸しおかず 一度に主菜と副菜を。せいろ2段で作る蒸しおかず

主菜→鮭と舞茸の蒸し物、豆豉だれ添え
副菜→サツマイモとニンジンのクミンオイル蒸し

せいろを2段に重ねて蒸すだけで、メインの主菜と彩り副菜が一度に完成。鮭と舞茸は豆豉だれで風味豊かに、副菜はクミンの香りがやさしく広がる根菜の蒸し物です。せいろごと食卓に並べて、温かさをそのまま楽しめます。

材料 作りやすい分量(2人分)

  • 生鮭2切れ(200g)
  • 20g
  • 舞茸100g

<タレ>

  • 豆豉12g
  • しょうゆ10g
  • ゴマ油20g
  • サツマイモ160g
  • ニンジン160g
  • クミンシード小さじ1/2
  • 米油大さじ1
  • 適量

作り方

  • 蒸し鍋に湯を沸かす。鮭は3~4等分に切り分け、酒をまぶしておく。舞茸は手で食べやすい大きさに割く。サツマイモとニンジンは1.5cm厚さの輪切りにし、サツマイモは水に5分ほどさらし、ザルにあけて水気を切る。
  • サツマイモとニンジン、クミンシード、米油をボウルに入れあえる。
  • せいろ2段それぞれにオーブンペーパーをしき、一方には②を入れる。もう一方には生鮭と舞茸を入れる。
  • 蒸し鍋にせいろをおき、中火で15分蒸す。蒸している間にタレを作る。豆豉はみじん切りにし、しょうゆ、ゴマ油を合わせる。
  • 蒸しあがったせいろを食卓に並べ、タレと塩を添えてできあがり。

ワンポイントアドバイス

せいろのサイズ:家庭で使いやすいサイズ(直径15~17cmくらい)のせいろを2つ(2段)使って作ります。

熱が伝わりにくい上段に根菜類、下段に鮭と舞茸を配置すると、火通りと香りのバランスが良くなります。蒸気は下から上に抜ける性質があるため、食材ごとの特性に応じた配置をすると良いです。

サツマイモとニンジンは厚さ1.5cmにそろえ、鮭も食べやすいサイズに切ることで、15分の蒸し時間で全体に火が入りやすくなります。

せいろで作る甘いもの昔ながらの定番プリン せいろで作る甘いもの昔ながらの定番プリン

しっかり蒸して、なめらかに仕上げる懐かしい味わいの「昔ながらのプリン」は、卵と牛乳、きび砂糖だけでつくる素朴なおいしさ。
カラメルのほろ苦さと、やさしい甘さが口の中で溶け合います。
せいろで蒸すことで、湯せん焼きとはひと味違う食感が楽しめるのも魅力です。

材料(120ml入るプリン型6個分)

  • 全卵150g
  • 卵黄75g
  • きび砂糖35g+35g
  • 牛乳300g
  • バニラオイル2,3滴
  • グラニュー糖40g
  • 20g
  • ラム酒20g(ない場合は水で代用可)
  • ホイップクリーム適量

作り方

  • カラメルソースを作る。小鍋に水、グラニュー糖の順に入れ、中火にかける。濃いめの茶色になったらすぐに火からおろし、ラム酒を加える。(この時カラメルがはねるので、手袋をはめることをおすすめします。)鍋の取っ手を持ち、カラメル全体を回して、すぐに型底に均等になるように流し入れる。カラメルが冷めて固めるまで、ぬれ布巾の上などに置いておく。
  • 卵液を作る。牛乳を鍋に入れる。きび砂糖の半量も加え、中火にかける。時々混ぜながら、人肌程度まで温める。
  • ボウルに卵を割り入れる。泡立て器で溶きほぐし、残り半量のきび砂糖とバニラオイルを加える。滑らかになるまで混ぜたら、②を少しずつ流し入れ、混ぜる。こし器で濾す。①の型に流し入れる。
  • 鍋にお湯を沸かし、蒸篭にプリン液を流し込んだ型を並べる。鍋にセットし、弱火で20分ほど蒸す。
  • 竹串を中心に刺して何もつかなければ加熱を終える。粗熱が取れてから、冷蔵庫に入れ、24時間以上おく。(型に入ったままの状態で、冷蔵庫にて2,3日保存可。)
  • 型とプリン生地の間にナイフを差し込み、型の周りを一周させる。器を蓋のように型にかぶせてひっくり返し、型からはずす。お好みでホイップクリームを添えても良い。

ワンポイントアドバイス

せいろのサイズ:直径22cmのせいろだと、今回使用した上面直径7cm・底面直径4.5cmのプリン型6個がおさまります。

カラメルは焦がしすぎないことが大切です。濃い茶色になったらすぐに火を止めるのがコツ。余熱でさらに色づくので、タイミングを見誤ると苦みが強くなりすぎます。

お子様用には、カラメルのラム酒のご使用は控えて作っていただいても美味しくいただけます。

卵液は混ぜすぎず、最後に濾すことで口当たりのよさが格段にアップします。こし器がなければ、ザルで代用しても良いです。

弱火で静かに加熱することで、すが立ちにくくなります。

2025.11.04

レシピ:村山 由紀子 (むらやま ゆきこ)料理家

季節の食材を生かしたシンプルな料理が定評となり、メディアや企業への料理レシピ開発提供などで活躍中。
近著に「スパイスを楽しむケーキとお菓子」山と渓谷社、がある。

Instagram:@yukiyucca

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