“Trick or Treat”（「お菓子をくれないと、いたずらしちゃうぞ」）で知られるハロウィン。日本でもすっかり定着しましたが、アメリカではハロウィンの10月31日が近づくと、有名店の店頭にキャラメル・アップルがずらりと並んだり、家庭でも作られたりするようになります。

もともとハロウィンは1年の終わりを10月31日とする古代ケルト民族の暦に由来するお祭りでした。ほかにも11月1日には、ローマ人が果実や果樹園の女神でりんごを象徴とした女神、ポーモーナを讃える祭りをしたとも言われています。

そしてこの頃は、りんご収穫の最盛期。収穫期に行われる祭りには古くからりんごの関わりがあったのです。もっとも現在のように、アメリカでハロウィンとりんごの関係が深くなったのは、この100年くらいのこと。

りんごに甘いシロップ状のものをかけるのは、1908年にアメリカ・ニュージャージー州の菓子職人がクリスマス商戦の主力商品だったシナモン・キャンディのディスプレイのために、真っ赤なキャンディ・アップル（日本のりんご飴とよく似た飴がけのりんご）を作ったことから始まったと言われています。

さらにキャラメル・アップルの起源をたどると、キャラメルを手掛けるアメリカの食品メーカーの従業員が余ったキャラメルの活用法として思いついた、など諸説がありますが、1950年頃に生まれた、甘いキャラメルと甘酸っぱいりんごの素晴らしいマッチングは、季節の風物詩となっていきました。

最近ではりんごにキャラメルをまとわせた上に、砕いたクッキーやナッツ、カラースプレーをかけたり、キャラメルの上からチョコレートをまとわせる甘味の“二重奏”タイプなどバリエーションも豊富になり、見た目もますます華やかに。お祭り気分を甘～く盛り上げてくれます。

ちなみにハロウィンが行われる10月31日は、アメリカでは“National Caramel Apple Day”――「全国キャラメル・アップルの日」。キャラメル・アップルが、いかにこの日のための特別なスイーツとなっているかをあらわしているかのようですね。