トマト麹篇

味噌や日本酒など身近な発酵食品に含まれ、美容や健康をサポートしてくれる食品として、近年あらためて注目を集めている“麹”。
麹の力をかりると料理の風味が向上して簡単に味がきまるので、実は時短料理にもつながります。
そこで、いつもの料理に使いやすい基本の塩麹のほか、多彩な麹調味料を使用したレシピをご紹介。時短でおいしいカラダいたわる料理をぜひお試しください。

今月はトマト麹を自家製でつくり、
その麹をつかって
カラダいたわる時短ごはん6品
ご紹介します。

今回の麹でつくる調味料トマト麹

自家製トマト麹の出来上がり!

スパイスがきいていて、トマトケチャップ感覚で使える麹調味料です。たっぷり使った方がトマトらしさを味わえるので、あえて塩分濃度を8%程度にしました。ミキサーやブレンダーでピューレ状にすると、より使いやすくなります。オリーブオイルと混ぜてドレッシングにしたり、マヨネーズと合わせてオーロラソースにしたりするのもおすすめです。

【保存の目安:冷蔵で約2ヶ月間】

材料

作りやすい分量/できあがり塩分濃度約8%

  • 米麹(乾燥)100g
  • トマトジュース(無塩)250g
  • タマネギ(すりおろし)50g
  • シナモン(パウダー)3~4ふり
  • クローブ(パウダー)2~3ふり
  • 35g

作り方

  1. 1下ごしらえをする

    米麹が板状に固まっている場合は、袋の上から手で揉みほぐしてバラバラにする。

  2. 2混ぜる

    清潔な容器に米麹、トマトジュース、タマネギ、シナモン、クローブ、塩を入れ、よく混ぜ合わせたら、蓋を軽く閉める。

  3. 3発酵

    直射日光と湿気の多い場所を避け、常温に置く。1日に1回、清潔なスプーンなどでよくかき混ぜる。麹の固い粒が潰れるくらい柔らかくなったら完成。
    (目安:夏は5~10日間ほど、冬は10日~2週間ほど)

  4. 4保存

    蓋をしっかり閉め、冷蔵庫で保存する。

ポイント

トマト麹は冷蔵庫の低温でも少しずつ熟成が進み、保存中に味がまろやかに変化していくので、長く楽しめます。

これまで紹介してきた塩麹しょうゆ麹などに比べて塩分濃度が低く、保存期間は少し短いので、使い切れない分は冷凍用の保存容器や袋に入れて冷凍保存してください。冷凍してもスプーンなどで必要な分をとり出せます。

風味付けでシナモンとクローブを加えていますが、お好みで。黒コショウ、ナツメグ、オールスパイスなど、お好みのスパイスでアレンジしてもかまいません。

余った乾燥麹は、冷凍保存がおすすめです。冷凍用のジッパー付き保存袋に入れ、空気をしっかり抜いてから袋の口を閉じます。冷凍後は1ヶ月を目安に使ってください。

発酵過程で炭酸ガスが発生することがあるため、蓋は完全に閉めずに軽くゆるめておきます。また、容器は材料をすべて入れても少し余裕があるサイズを選ぶと、発酵中の炭酸ガスの逃げ場ができて安心です。

ジッパー付きの保存袋でも作れます。その場合も袋の口を完全に閉めず、ジッパーに短く切ったストローを挟んで閉じるなどして空気が通るようにすると、発酵がうまく進みます。また、材料を入れる前に袋の口を2回折り返すと、ジップ部分が汚れにくくなり袋が清潔に保たれて、発酵中に2週間前後常温で置いても衛生的に管理できます。

ほかにもたくさん!麹を使った料理

レシピを作ってくれたのは小西君枝さん

小西 君枝(こにしきみえ)
料理家 / フードコンサルタント

女子栄養大学卒業。
企業での商品企画開発を経て料理家として独立。フードアドバイザー、企業や飲食店などの商品開発、イベント調理、料理教室なども行う。素材を生かし、シンプルな調味料とハーブやスパイス、素材の組合せでワクワクするような料理を得意とする。

2025.06.02