液晶テレビの枠を超えたクリアで臨場感のある
音質を実現する技術開発に取組んでいます。

概要

液晶テレビは大型化や高画質化と共に、まさにその場に身を置いたようなリアリティの高い再生音が求められています。当社ではDIATONE®で培ってきたスピーカー技術と最新のデジタル信号処理技術を駆使し、テレビ内蔵スピーカーの枠を超えた高音質化を進めています。さらにデジタル放送で用いられる圧縮して伝送される音声信号の高音質化にも取組んでいます。

技術ポイント

DIATONE®の伝統と最新技術が融合した高音質スピーカー

DIATONE®スピーカーのナチュラルで繊細な音づくりの思想を忠実に継承しつつ、最新のシミュレーション技術を駆使し、液晶テレビのための高音質スピーカーを開発しました。当社の液晶テレビの一部のモデルでは、迫力のある低音が再生可能なスピーカー方式として、パッシブラジエーター方式を採用しています。パッシブラジエーター方式とは、通常のスピーカ-に加え、駆動力を持たない振動板のユニットをスピーカーボックスに配置し、スピーカーの振動に合わせて振動板を共振させることで、低音のエネルギーを増強して再生するものです。今回、低音の再生効率をさらに高めるために、共振周波数の異なる2つの振動板を備えたユニットを用いたデュアルパッシブラジエーター方式を採用しました。この方式は、2つの振動板ユニットの共振周波数の組み合わせ方によって特性が大きく変化するため、従来は何度も試作を行い、試行錯誤を繰り返して最適な構成を探る必要がありました。そこで当社ではスピーカーと2つの振動板ユニットの挙動や特性を同時、かつ正確に解析できる独自のシミュレーション技術を開発。この技術を設計に活用することで最適なユニット構成を得ることに成功しました。

スピーカーの能力を限界まで引き出す信号処理「音ハッキリ」

スピーカーの動作をリアルタイムに把握し、再生音が歪み始める限界ギリギリまでスピーカーが本来もつ低音再生能力を引き出す、新しい信号処理技術「音ハッキリ」を開発しました。迫力のある低音を再生するためには、スピーカーに大きな信号を入力する必要があります。一方、スピーカーの振動板の振幅は低音ほど大きいという特徴があり、低音域に大きな信号が入力されると振幅の限界を超えて音が歪んだり、最悪の場合には破損に繋がります。そのため従来は、いかなる再生音量でもスピーカーの振幅限界に至らないよう低音域の入力信号をフィルターで大胆にカットし、低音域の再生を控えめにする設計が一般的でした。しかし、これではスピーカー本来の低音の再生能力を生かしきれません。特に小さな音量で聴くときには、スピーカーの動作に余裕があるにも関わらず、貧弱な低音しか再生できないという欠点にも繋がります。当社が新たに開発した「音ハッキリ」では、入力信号のレベルや周波数成分からスピーカーの動作を常に予測し、スピーカーの振幅限界を超えないように低音の再生帯域を瞬時に自動制御します。これにより大きな音量域でも歪を発生させることがなく、小さな音量域では豊かな低音が再生できるという、これまでの二律背反の課題を解決することに成功しました。

失われた音を再現する音声補間技術「DIATONE® HD」

スピーカー高音質化に加え、再生する音源のさらなる高音質化を行う技術「DIATONE® HD」を開発しました。デジタル放送などに用いられる圧縮音声は、圧縮過程で高音成分や音の拡がりを表現する成分がカットされる傾向があり、圧縮前の音声に比べ立体感や奥行感が損なわれる可能性があります。圧縮過程で失われた音の成分を予測補間する技術「DIATONE® HD」により圧縮前の音声が有する立体感や奥行感を再現し、臨場感のある音を実現しました。

「DIATONE®」「ダイヤトーン」および、そのロゴは当社の登録商標です。