水蒸気量の僅かな変化を捉えて豪雨を早期に予測。
迅速な避難を実現し、人・暮らしの安全を守ります。

研究ジャンル

  • 暮らし
  • 防災

研究の目的・特長・期待する効果

  • 安心
  • 安全
  • 快適
  • 高齢化社会

概要

大気中の水蒸気量を高精度に計測し、豪雨の早期予測を可能にする水蒸気・風計測ライダーを開発しました。

近年、地球温暖化に伴う異常気象が世界中で増加しており、特にゲリラ豪雨については、住民の安全な避難行動を促すために、より早期の警報発令が求められています。ゲリラ豪雨の際、安全に避難するために豪雨発生の90分以上前の予測が必要とされていますが、従来の気象レーダーの観測では積乱雲の発生から予測するため、豪雨発生の約30分前しか予測できませんでした。

当社では風計測ライダーの技術を応用した、「水蒸気・風計測ライダー」の開発に取組んでいます。今回、水蒸気・風計測ライダーから、水蒸気に吸収される波長と吸収されない波長のレーザーを同時に送信し、それらがエアロゾル(大気中のちり)に当たって跳ね返ってきた際の受信強度比から水蒸気量を精度0.8g/m3で計測する技術を開発しました。さらに、当社がこれまで培ってきた風計測ライダーの技術で上昇気流も同時に計測することで、積乱雲の発生前の“雲の卵”をいち早くキャッチ。ゲリラ豪雨の約90分前の予測を支援することを目指し、研究開発を推進しています。

ニュースリリース

技術ポイント

ライダーによる水蒸気検出の原理

まず、ライダーから大気に向けて、二つの波長のレーザー光を同時に出力します。一つの波長は大気中の水蒸気に吸収される波長、もう一つの波長は大気中の水蒸気に吸収されない波長です。

これら二つの波長のレーザー光を同時に出力し、大気中のちりに当たって跳ね返って戻ってきたレーザー光を同時に受信。レーザー光の受信強度を比較することで水蒸気量を計測します。

豪雨早期予測向け水蒸気・風計測ライダー

水蒸気計測ライダーの開発

今回、水蒸気を計測するために(1)波長安定化光源 (2)高出力レーザー増幅器 (3)高感度受信器を開発しました。

  1. 波長安定化光源は、送信するレーザー光の波長を高精度で一定に保つことが可能です。
  2. 高出力レーザー増幅器は、30kmまで到達するレーザーを出力します。
  3. 高感度受信器は、微弱な反射光のわずかな波長の変化を受信します。

これらの開発により、水蒸気量の精度0.8g/m3という豪雨の早期予測に必要な僅かな変化を捉えることに成功しました。

さらに今回の開発では、水蒸気量の計測と併せて、当社がこれまで培ってきた風計測ライダーの技術で上昇気流を同時に検出することも可能であり、積乱雲の発生前の“雲の卵”をキャッチし、豪雨の早期予測に貢献します。

今後も災害の予防に役立てるよう研究開発を推進していきます。

豪雨早期予測向け水蒸気・風計測ライダー

ライダー:LIDAR (LIght Detection And Ranging)