 宇宙の大きさを表す単位として、光年という言葉を使います。わたしたちがふだん使う長さの単位で、一番大きいのは「km」ですが、これは宇宙の大きさを表すには不十分です。1光年というのは光が1年かかって進む距離のことをいいますが、これをkmに直すと、なんと9兆4600億kmにもなります。
しかも、宇宙では1光年は一番小さい単位です。たとえば、宇宙には、地球のある太陽系をつつみこんでいる銀河系というものがあります。この銀河系はうずまきの形をしているのですが、直径は約10万光年もあるのです。
またこの銀河系をつきぬけて、さらに約150億光年先に、クエーサーという天体があります。これは、現在最も高性能の望遠鏡で観測できる、宇宙の一番遠い所ですが、中でも最も遠くにあるクエーサーは、光速の約91%の速度で我々から遠ざかっています。このクエーサーより外側は、ほぼ光と同じ速度で遠ざかっているために私達はそれより遠くを観測することはできません。 地球から見えるすべての銀河は地球から遠ざかっているのですが、決して地球が宇宙の中心であるわけではありません。銀河の後退は、どの銀河から見ても全く同じように見えるのです。このため宇宙は風船のようにふくらんでいて、今も膨張し続けていることがわかるのです。
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