次に辛かったことですが、やはり1番はコロナ禍の渡航規制です。着任してから半年ほどは、コロナ対策で中国本土⇔香港の往来が厳しく制限されていたこともあり、香港から出るハードルが非常に高い状況でした。資材部員として海外赴任するからには、現地のサプライヤーに足しげく通い、海外での製造業の市場動向やものづくりの考え方を存分に吸収しようと意気込んでいたものの、本土や海外のサプライヤー訪問が叶わず、私が来た意味ってあるんだろうか…と悩む日々でした。しかし、自分だけでなく世界中が様々なコロナ規制の中でなんとかビジネスを続けていると思い直し、私もとにかくできることから進めようと心を入れ替えることができました。それからは、現地に行けない分、取引先の方や日本側とのコミュニケーションをより密にすることを心がけました。また、こちらの仕事の仕方として、日本と比較するとかなりスピーディーに何事も進んでいく印象があるので、そのスピード感に置いて行かれないよう、日本側を含めた連携に努めました。このように気持ちを切り替えるにあたっても、自分ひとりでは思い詰めるばかりだったと思います。苦しいときも支えてくれる人たちに出会えたことに感謝しながら、少しずつでも恩返ししていけたらと思います。