


2023.06.29
みなさんこんにちは!
アメリカはボストンMitsubishi Electric Research Laboratories(略称:MERL)の山﨑です。早いものでこの連載も最終回となりました。ここまでお付き合いくださりありがとうございます!
さて、感動の最終回のテーマは私的「これだけは言わせてくれ!」です。この記事にアクセスしてくださっている方の多くは今、就職を考え弊社や海外勤務に興味を持ってくださっている方だと思います。そんなあなたに伝えておきたいこと、エールを僭越ながらこの場を借りてお贈りさせていただきます。
【海外で働くという事】
最近はインターネットの発達や、リモートワークの普及によって海外のスタッフと気軽にコミュニケーションが取れるようになってきました。世界が急速に身近になっている中、あえて海外で働くことはどんな意味があるのでしょうか?
・視点を変えることで見えるものがある
自分が所属する日本の組織と距離を置いて、相手(海外拠点)と同じ立場でコミュニケーションをとることで、自分たちの知らなかった強み/弱みに気づくきっかけになりました。
例えば強みだと、技術を製品化し販売できること。そんなの電機メーカーなら普通じゃないの?と思うかもしれませんが、MERLの研究者にとって自分の研究成果がアカデミックなエリアを飛び出して製品として世の中に出ることはとても魅力的なことだといいます。そして、三菱電機は日用家電からインフラ、なんと宇宙まで幅広い分野で活躍することができる可能性を持っているということも。
一方、弱みです。それは、MERLがどれほど凄い技術を持っていても、日本の製作所のニーズとうまくマッチングさせなければ宝の持ち腐れになってしまうことです。MERLの研修者は製品研究開発に対し情熱をもっていてもっと積極的に日本の各場所と連携したいと思っていてくれているのに対し、日本側でMERLの技術を把握し製品と結びつけることができる部門は主に研究拠点です(製作所とMERLが直接コミュニケーションする取り組みはまだ始まったばかり)。
MERL研究者の思いを含め、このような気付きができたことは今後の自分のミッションを明確にするうえでとても有意義でした。MERLで学んだ技術を次の製品開発に生かすのはもちろん、繋がりを生かしシナジー効果(相乗効果)を高め革新的な新製品を開発することで今後の事業に貢献していきたいと考えます。
・異文化理解を通して人として成長する
他の地域の文化は、知っているのと体験するのでは全然意味が違います。日本に長くいると忘れがちですが、海外に出ると本当に、言語、食べ物、習慣、そして考え方――なにもかもが違います。郷に入っては郷に従え、といいますか、つまりまずは自分が相手の考え方に合わせるのが大前提にとなるのです。いの一番に「日本だったらこうだ…」とか、「日本ならもっと…」とかそんな風に考えていると全然なじむことはできないし、お互い長続きしないように思います。考えが全く異なる状況で相手を受け入れ、そして自分を受け入れてもらう、こんな体験をできるのは海外勤務ならではの貴重な人生経験だと考えます。