Factory Automation

ビジネスコラム

愛すべき後輩たちへ

2023年11月公開【全4回】

私たちがものづくりの世界に飛び込むまで私たちがものづくりの世界に飛び込むまで

中村
そもそもみなさんは、どのようなきっかけで製造業の世界に飛び込まれたのでしょう。中谷電機の溝脇社長はいかがですか?
溝脇社長
中谷電機は父が立ち上げた会社ですので、私が物心ついたころから製造業はとても身近な世界でした。大学ではデザイン美術(染色)を学んでいましたが、卒業後は染色では就職が難しいということもあり、父の勧めで電機関係の企業へ。その後、家業を手伝うため中谷電機へ入り2016年から中谷電機の五代目を担っています。それからの7年間は、脇目もふらずガムシャラに走り続けている状況です。
中村
ずっと製造業の最前線で活躍してこられた溝脇社長にとって、ファクトリーオートメーション「FA」の魅力とは?
溝脇社長
小さな部品が複雑につながって大きな機械を動かし、そこからいろいろなモノを生み出していく──あらためて考えると、それがFAの魅力だと思います。そして、そんな世界に携われていることがとても幸せです。
中村
たしかにいろいろなものをつなげ、多くのものを生み出しながら、よりよい世の中の実現につなげていく素晴らしい世界だと思います。また、そうしたものづくりの裏側を見ることができることもFAの大きな魅力になっているのですね。
溝脇社長
本当にそう思います。
中村
次に、ピーアンドエフの太田社長にお伺いしたいのですが、まず社会人のスタートは三菱電機宣伝部でいらしたとか。
太田社長
私も理系ではなく文系出身で、おっしゃる通り社会人としてのスタートは三菱電機の宣伝部です。メディアを担当していまして、家電製品から産業製品まで幅広い分野の製品の宣伝・広告出稿する窓口業務に携わっていました。三菱電機には2年ほどしかおりませんでしたが、本当にいい環境で社会人としてのスタートを切ることができたと感じています。その後の人生のベースになる貴重な経験をさせていただき心から感謝しています。
中村
三菱電機を退社後はドイツに渡られたのですよね。
太田社長
大学でヨーロッパの文明学について学んでいたものですから、ずっとヨーロッパに憧れていまして、三菱電機退社後にドイツ、バイエルン地方のドイツ語の学校に短期留学した後、ドイツの測定機器メーカーに入社しました。その会社で働いているときに横浜市とドイツ銀行がドイツの企業を誘致する取り組みを始め、日本に数多くのドイツ法人が設立されたんです。そこで現在私が代表を務めさせていただいているピーアンドエフ社の創業者から「一緒に会社を立ち上げないか」と誘われまして。転職する気はなかったのですが「会社をつくるなんて面白そう!やってみようかな」と(笑)。
中村
ドイツといえば工業・産業の強い国ですが、測定機器メーカーでの仕事を通じて、製造業のどのような点に魅力を感じましたか?
太田社長
先ほど溝脇社長もおっしゃったように、いろいろなパーツがつながって最終的には大きな製品や装置を生み出していくことではないでしょうか。たとえば、当社の製品は手のひらに乗るような小さなものなのですが、それがお客様のものづくりを支えているというところに喜びとやりがいを感じます。私はエンジニアではないので自分自身で何かをつくるわけではないのですが、ベストな製品を生み出すためにみんなで知恵を出し合って、さまざまな要件をクリアしながらお客様のご要望にお応えしていくプロセスも大きな魅力です。
中村
そういう意味では、溝脇社長と太田社長の仕事は似ていますよね。自社で開発した製品がいろいろなモノとつながり、システムアップされることで大きな設備や装置を生み出すという。
溝脇社長・
太田社長
おっしゃる通りですね。
中村
さて、三菱電機で長年にわたり製造業のメインストリームを歩んでこられたFAシステム事業本部長の竹内さん。いつ頃からものづくりに関心を持たれたのですか?
竹内
幼いころから「内側を知りたい、裏側を見てみたい」という気持ちが強く、お人形さんを買ってもらうとすぐに手足を分解してしまう子だったんです。お人形さんの中に、何があるのかを知りたくて。分解してみたら空っぽでガッカリしたことを覚えています(笑)。
溝脇社長
そのころから「モノ」に対する興味や好奇心がとても強かったのですね。
竹内
お人形さんに飽きると時計やら家電製品やら、いろいろなものを分解するものですから親が困ってしまって。パズルを買い与えるようになって、ようやく家のものを分解されずに済むようになったようです(笑)。
太田社長
先ほど「ものづくりの裏側を見られることも製造業の大きな魅力」というお話がありましたけれど、まさに竹内さんの将来を予感させるようなエピソードです。
竹内
私は三菱電機に研究員として就職しましたので、最初に配属されたのは研究所でした。そこで製品を開発し、仲間とともに作り上げ、社会に実装される瞬間のワクワクやドキドキは今も忘れません。
中村
みなさんのものづくりを愛する気持ち、そして「もの」を生み出すFA業界に携わっている誇りが手に取るように伝わってきました。引き続きFAの魅力や醍醐味について深掘りしながら、この記事を読む若い読者のモチベーションになるような座談会を展開していきたいと思います。

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