Factory Automation

ビジネスコラム

愛すべき後輩たちへ

2023年11月公開【全4回】

あらゆる「モノ」の生みの親──FAの魅力あらゆる「モノ」の生みの親──FAの魅力

お父様の勧めで機器メーカーに就職し、やがて家業を継がれた溝脇社長。憧れのドイツを巡ったご縁からドイツ企業の日本法人代表にまで上り詰められた太田社長。そして、運命に導かれるようにものづくりの道へ進んだ当社の竹内。製造業の世界に飛び込んだきっかけは、まさに三者三様です。そんな彼女たちが感じる「FAの魅力」とは。ぜひ、みなさんの考えと照らし合わせてみてください。

中村
製造業の世界に入られたきっかけとともに、ものづくりにおける生産工程の自動化を図るファクトリーオートメーション「FA」の魅力や醍醐味について伺ってきました。当社でFAシステム事業本部長を務められている竹内さんにとって、あらためてFAの魅力・醍醐味とは?
竹内
溝脇社長や太田社長のおっしゃる通り、現在はあらゆるものがファクトリーオートメーション機器によりつくられ、世の中に生み出されているということではないでしょうか。身の回りにある「モノ」の元をたどれば、すべてFAに行き着く。そういっても過言ではないと思います。
中村
身近な家電製品をはじめ人工的に作り出されるモノのほとんどは、FA機器が動かす製造ラインから生み出され、また、世の中の社会インフラやシステム、電車、自動車など、製品だけでなくありとあらゆるものを動かすベースにはFA機器があるということですね。

先端技術総合研究所の技術展示会での説明風景。各製作所に研究所成果を売り込む展示会で女性初のユニットリーダとして技術説明(写真左)

竹内
そうです。現代では私たちが目にするモノのほとんどがFA機器により作り出され、動き続けています。ある意味、世の中はFAによってつながっているのです。そして、そのようにものづくりをつなげ、世の中をつなげているFAが、今日は同じ業界で働く私たちをつなげてくれました。
中村
世界経済フォーラム(WEF)が2023年に発表した「世界男女格差報告書」によると、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位という残念な結果になりました。また、2019年の情報*ではありますが、製造業における女性の労働者率は約20%、さらに、そのうち女性管理職の比率は5%未満というデータが総務省から発表されています。
(* 女性活躍の推進に関する政策評価─実地調査結果の中間公表─平成31年3月8日 総務省行政評価局)
こうした現状にありながらも、製造業やFAの世界でひたむきに頑張る女性を応援したい──そんな想いから今回の座談会を企画させていただきました。
たとえば太田社長は、ドイツの製造業における男女比率に関してはどのような印象をお持ちですか?

2023年の日本のジェンダーギャップ指数は世界125位(出典:Global Gender Gap Report 2023)

太田社長
私が初めてドイツの本社工場を訪問した時の印象では、やはり男性が多かったと思います。それからは時代とともに少しずつ女性が増えている印象ですね。
中村
そのなかで、女性ならではのご苦労というものはありましたか?
太田社長
女性だから──という苦労は実感としてほとんどありませんでしたね。それよりもジェンダーギャップという点で印象に残っているのは、新社会人として入社後受けた研修で「みなさんは当社社員のお嫁さん候補です」といった内容の挨拶があったことです。当時まだ23歳だった私は、もうビックリしてしまって。とはいえ、いま振り返れば悪いことばかりではなく、お茶の出し方などのお作法を学べたことは人間的な成長にもつながったのではないかと思っています。

シンガポールで開催されたFA Sales Conferenceの親睦DinnerでPEPPERL+FUCHS GroupのCEO Dr. Gunther Kegel(左)と。

中村
当時は女性がクリスマスケーキに例えられ「24歳までに結婚しなければ売れ残り」といった風潮がありましたからね。竹内さんはジェンダーギャップにまつわる忘れられない思い出などありますか?
竹内
私自身も「女性だから、、」という苦労を感じたことはありませんが、太田社長とは反対の意味で印象に残っていることがあります。私は技術研修生として入社したのですが、男女雇用機会均等法ができた翌年ということもあり基本的に研修内容はすべて男性社員と同じ。体力研修というものがありまして、朝起きたら伊丹工場のまわりを何周も走らされ、重いハンマーを振るう研修もさせられました。私は体育会系でしたのでなんとか耐えられましたけれど、なかには途中で体調を崩してリタイアする女性社員もいたほどです。中村さんも総合職ならではのジェンダーギャップを感じる瞬間があったのでは?
中村
私はFAシステム事業本部の文系女性総合職第一期生ですが、入社時に上司から言われた言葉は忘れられません。「君は男として入っているからよろしくね」という言葉。一般職は女性、総合職は男性と性別で分かれていましたから、「総合職の君は男性だ」となるわけです。研修期間の宿泊部屋も男性と同室で。これは単なる間違いだったんですけど(笑)。
溝脇社長
竹内さんの経験された研修内容や、中村さんのおっしゃる“総合職は男性”という考え方に時代を感じますね。私が歩いてきた中小企業のほうが、反対にそういった風潮は少なかったような気がします。
中村
そうなんですね。ただ、そこから社会の風潮やジェンダーに対する考え方も変わり、今では製造業でも女性の活躍の場が広がってきたように思います。だからこそ私たちの後輩に伝えたいのは「今のFA業界は女性にとって働きやすくなったんだよ」ということ。先ほど紹介したデータからもまだまだ男性社会であることは否めませんが、さまざまな制度や風潮の面から男女の格差はほとんど感じなくなっているはずです。反面、男女関係なく“1人の人間”として評価される厳しさとも背中合わせということを忘れてはなりません。その中で、女性としてこのFA業界でどのようになりたい自分を実現していくのか。そのための具体的なアドバイスを中心に、引き続きお話を伺っていきたいと思います。

今回、皆様にお茶とともに楽しんでいただいたクッキーは、三菱電機グループが社会貢献活動の一環として障がい者の人々に働く場所を提供することを目的に設立されたメルコテンダーメイツ株式会社のもの。愛情のこもった、とてもやさしい味です。このコンセプトに賛同するFAシステム事業本部では、グローバルスローガンである「Automating the World」を刻印したクッキーを1箱に1枚入れた特別仕様で準備しています。

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