海外レポート
モンクット王工科大学ラートクラバン校(KMITL)チーム、「三菱電機杯 全国大学生電気・自動化コンテスト(MECA)タイ大会2025」で優勝
2026年1月公開【全2回】
第1回 産業の未来を切り拓く学生たち

タイMECA大会には、タイ各地の大学から2~3年生の3人グループが参加し、全15チームのうち4チームが決勝に進出。決勝は2025年10月9日~10日、バンコクから1時間ほどのチョンブリにあるプラパー大学で開催された。
今年の優勝チームはKMITLのChalongkrungチームである。彼らには、王室トロフィーが贈られ、さらに10万バーツの賞金と2026年に開かれるMECA世界大会への出場権が授与された。
その他、2位のラジャマンガラ工科大学タワン・オク校(チーム名:Autogen)、3位のマハサラカム大学(チーム名:Greenovator)、4位のモンクット王工科大学ラートクラバン校(チーム名:Greendynamic Trio)、そして、一般投票1位を受賞したモンクット王工科大学北バンコク校(チーム名:FAlogic)が決勝戦まで残った。トロフィーと賞金に加え、これらの学生には、卒業前に三菱電機での就業経験を積む機会が与えられる。
優勝チームのスピーチ

優勝チーム(チーム名:Chalongkrung)は、KMITLの学生であるAphisit Lakhonket氏、Weerasit Surindarporn氏・Phonthakorn Wongwattan氏の3人で構成されている。チームのプロジェクトは、界面活性剤製造における歩留まり改善と環境負荷削減のためのAIモデル開発である。その目指すところは、原材料の無駄とエネルギーコスト削減に向けた製造業者の取り組みを支援すると同時に、品質合格率の向上を図るというものだ。チームは、プロジェクトの課題点と高い技術力を明確に示した上で、三菱電機のSCADA・表示器GOT2000・MELSOFT MaiLabを活用し、監視と工程から取得したデータの分析を行うソリューションを設計した。
成果としては、まず研究室での試験用サンプルが不要になり、最大60%の生産性向上が見込まれることを示した。次に、パラメータの設定時間を削減することが可能となる。これまで手作業で行っていたパラメータ制御やデータ収集といった作業が、三菱電機のMELSOFT MaiLabを使用することで、主要制御の自動処理が実現するのだ。その結果、製造業者は是正措置を即座に取って問題に対処できる。さらに、3つ目の利点は、廃棄物と不良品の削減により電力消費量を2.61%削減することが可能になること。またライフサイクルアセスメントによって、二酸化炭素排出量を17.70%も削減できることを示した。

三菱電機の支援に感謝する優勝チーム
勝因を尋ねられたチームは、業界課題を明確に理解し、工程の無駄を削減できる点を挙げた。さらに、プレゼンテーションの準備を十分に行っていたため、審査委員会の質問にも自信をもって答えることができたという。
また、学生たちの可能性を発揮する機会を提供した三菱電機に対しても、感謝を伝えた。Weerasit Surindarporn氏は、「このコンテストを通じて、製造工程における地球温暖化と炭素排出量への長期的影響を認識することができました。三菱電機が実施してくれた炭素削減とシステム分析の研修に刺激を受け、世界的なサステナビリティに貢献する技術について知見を得ることができました」と語る。Phonthakorn Wongwattana氏は、セミナーやMELTが主催する実用的なイベントに出席する機会を得たことことで、新たな世界が広がったと述べた。ダッシュボードの作成方法やSCADAソフトウェアの利用法を学ぶといった技術的な部分に加え、例えば、人間性の向上といったソフトスキルも学ぶことができたという。こうした全てのスキルを融合させた結果、チームのプレゼンテーションは一層優れたものとなった。
チームは、2026年のMECA世界大会を数か月後に控え、製造会社でプロジェクトを実施して、さらなる性能向上を図る予定だ。だがその前に、5月と6月に三菱電機でのインターンシップを控えている。その経験は、彼らにとって素晴らしい機会となるだろう。