特集論文

次世代高機能汎用インバータ
“FREQROL-A800シリーズ”

2015年1月公開【全3回】
名古屋製作所　田中哲夫　日比野槙也
先端技術総合研究所　古谷真一
設計システム技術センター　仁木雄大

第1回　製品概要

1．　まえがき

汎用インバータは、搬送機械、繊維機械、ファンポンプ等、適用用途がますます拡大している。このような中、機能・性能の向上は当然のことながら、安心・安全、使いやすさ、システム対応力、環境適合等の新たなニーズに応える必要があり、次世代高機能汎用インバータFREQROL－A800シリーズを開発した。
本稿では、FREQROL－A800シリーズで採用した、最新技術、機能について述べる。

2．　製品概要

2. 1　機種構成

FREQROL－A800シリーズの機種構成を表１に示す。
従来機種であるFREQROL－A700シリーズ（1）（2）からの置き換えに適した標準構造品（IP20／IP00）に加えて、インバータ、コンバータ分離構造品（IP00）、高保護構造品（IP55）を新たにラインアップした。

表１．FREQROL－A800シリーズの機種構成

2. 2　多重定格対応

FREQROL－A800シリーズでは、負荷定格に合わせて４つの定格をパラメータで選択できる多重定格を採用した（表２）。用途に合わせて最適なインバータが選択できるため、特に、SLD定格、LD定格ではインバータ容量よりも大きい容量のモータを駆動できるため、設備の小型化を図ることができる。
また、多重定格対応に当たり、インバータの製品形名を従来のkW表記に加えて、定格電流（SLD定格）表記を選択できるようにしたことで、グローバル統一形名となり、国内、海外に同じ形名の製品を提供できるようになる（表３）。

表２．FREQROL－A800シリーズの多重定格対応

表３．FREQROL－A800シリーズ形名（例：0.4kWの場合）