特集論文
グラフィックオペレーションターミナル
“GOT2000シリーズ” の
トラブルシュートソリューション
2016年4月公開【全3回】
名古屋製作所 出口洋平 林和裕
第3回 製品特長(下)
5. 駆動連携機能
GOTでは、従来シーケンサとの連携機能を中心に開発してきた。今回、当社駆動機器との連携の強化による国内及び海外での三菱製品群のプレゼンスの更なる強化を目的とし、駆動連携機能を開発した。この機能はFA総合メーカーである当社ならではの機能であり、現場でのトラブルシューティングをより効率的に行うことが可能となった。
駆動連携機能とはパソコンレスでサーボの立ち上げ、調整、保守作業の効率化を目指すものである。具体的には、立ち上げ時に発生するサーボゲインの調整サポートを行う “ワンタッチチューニング機能” 、予防保全である “機械診断機能” “アンプ寿命診断機能” をGOTで実現している。それぞれの画面構成は指でのタッチ操作を前提としているため、スキン、メニューの並び等を統一し、各画面で同じ操作性を実現した。
5. 1 ワンタッチチューニング機能
ワンタッチチューニング機能は、ボタンをワンクリックするだけで、負荷慣性モーメント比の推定、ゲイン調整、機械の共振制御など、サーボ性能を最大限に引き出すためのパラメータ調整を自動で実施する。調整後には整定時間やオーバーシュート量で調整結果を確認可能である。なお、ワンタッチ調整後にマニュアル設定で、更に性能を追求したい場合には、チューニング画面で制御ゲインを微調整することも可能である(図6、図7)。

図6.ワンタッチチューニング画面

図7.パラメータ調整画面
5. 2 機械診断機能
機械診断機能は、サーボアンプの内部データから、装置の摩擦、負荷慣性モーメント、アンバランストルク、振動成分の変化を解析し、機器部品(ボールねじ、ガイド、軸受け、ベルトなど)の変化を検出する。これによって、現場で駆動部の早急なメンテナンスが可能となった(図8)。

図8.機械診断画面
5. 3 アンプ寿命診断機能
アンプ寿命診断機能によって、通電時間累積や突入リレーのON/OFF回数が確認可能である。これらはサーボアンプの有寿命部品のコンデンサやリレーの交換時期の目安情報として使用可能である(図9)。

図9.アンプ寿命診断画面
6. むすび
“Easy&Flexible” のコンセプトの下、FA総合メーカーであるメリットを活かし、現場での保全作業に活用可能なグラフィックオペレーションターミナルGOT2000シリーズのトラブルシュートソリューションについて述べた。
今後は当社FA機器との連携の更なる強化、一連の製品群とサービスをセットとしてユーザーへ付加価値を提供するソリューションを推進する。
製品紹介

GOTは進化を遂げる。
FA機器との連携はもちろん、操作性を追求したGOT2000は、生産性の向上、効率化に貢献します。
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