特集論文
“MELSEC iQ-Rシリーズ” 安全シーケンサ
2016年11月公開【全3回】
名古屋製作所 内越正弘
第2回 製品特長(上)
3. 製品の特長
MELSEC iQ-Rシリーズ安全シーケンサの主な特長について、次の3つの観点から示す。
3. 1 同一ベースユニット上での一般ユニットと安全ユニットの混在
従来、一般制御と安全制御は別のシステム構成とする必要があって2つのシステムになるため、システム購入コストやシステム立ち上げコストが割高であった。また、2つのシステムを収納する必要があるため、制御盤が大きくなっていた。
MELSEC iQ-Rシリーズの安全CPUでは、一般制御用プログラムと安全制御用プログラムを実行できる。これによって、1つのCPUで一般制御と安全制御を統合させて使用できる。
また、一般ユニット(CPU、I/O、アナログ、位置決め/カウンタユニット)、安全ユニット(安全CPU)、一般/安全共用ユニット(電源、ネットワークユニット)を同一ベースユニット上に装着できる(図2)。これによって、一般制御と安全制御を1つのシステムで構成でき、省スペース・省配線・省コスト化が可能となる。

図2.同一ベースユニット上での一般ユニットと安全ユニットの混在
3. 2 一般制御と安全制御のネットワーク統合
従来は、一般制御用ネットワーク(一般通信)と安全制御用ネットワーク(安全通信)は別々に敷設する必要があった(図3(a))。このため、ネットワークケーブルの本数が増え、配線スペースの増加やケーブル敷設工数の増加を招いていた。
MELSEC iQ-Rシリーズ安全シーケンサでは、CC-Link IEフィールドネットワークで一般通信と安全通信を混在させて使用でき(図3(b))、敷設するネットワークはCC-Link IEフィールドネットワーク1本にできる。これによって、配線スペースの削減、ケーブル本数の削減、ケーブル敷設工数削減が可能となり、ネットワーク構築時の省スペース・省配線・省コスト化が可能となる。

図3.一般通信と安全通信のネットワーク統合
3. 3 開発環境の統合
従来のエンジニアリングソフトウェアは、一般制御用に “MELSOFT GX Works2” を使用して、安全制御用に “MELSOFT GX Developer” を使用していた。
MELSEC iQ-Rシリーズ安全シーケンサでは、エンジニアリングソフトウェア “MELSOFT GX Works3” を使って、一般制御のプログラミングだけではなく安全制御のプログラミングや各種設定操作も一元的に行うことができる(図4)。従来のように2つのエンジニアリングソフトウェアの操作を覚えなければならない煩わしさを軽減できる。

図4.開発環境の統合
- 要旨 “MELSEC iQ-Rシリーズ” 安全シーケンサ
- 第1回 製品概要
- 第2回 製品特長(上)
- 第3回 製品特長(下)