特集論文
アプリケーションパッケージ
“iQ Monozukuri アンドン”
2018年6月公開【全3回】
名古屋製作所 林和裕 花木幸宏
第1回 背景と狙い
1. まえがき
表示器GOT2000シリーズは、 “Easy&Flexible” のコンセプトの下に、他社との差別化を図って開発された製品であり、国内外の顧客から高い評価を得ている。また、顧客ニーズの多様化、品質要求への更なる高まりに対し、製造現場の課題を解決する手段としてFAアプリケーションパッケージ “iQ Monozukuri” を提供している。
GOT2000を活用し、アンドンシステムを簡単に構築できるソリューションとして、アプリケーションパッケージ “iQ Monozukuriアンドン” を、2017年7月に市場投入した。
2. ソリューション強化の背景
2. 1 アンドン
アンドンは、製造現場の生産状況や設備の稼働状況を可視化し、保全担当者や作業管理者に情報を提示するシステムである。アンドンから、製造現場の問題点をいち早く把握し、情報共有及び対策を練ることで、製造現場の生産性向上を図ることができる。
アンドンは、日本の製造業を中心に導入されており、近年は、変種変量生産などへの対応のため、ITシステムと連携して生産情報や設備状態の見える化を強化したアンドンシステムの需要が高まっている。また、海外でも製造現場の見える化を強化するために、アンドンシステムへの新規導入需要の増加が見込まれる。
2. 2 iQ Monozukuriアンドンの狙い
当社は、FAとITの連携によって、製造業での業務全般の効率化及びTCO(Total Cost of Ownership)削減を推進する “e-F@ctory” のコンセプトを実現するために、iQ Monozukuriを展開している。iQ Monozukuriは、ものづくりでの顧客の様々な課題解決を支援し、効率的なシステム導入・拡張及び運用・保守を可能とするノウハウを集め、最適化した製品である。
アンドンノウハウをパッケージ化したiQ Monozukuriアンドンによって、生産設備から取得した情報を基に、GOT2000を通してアンドン用モニタなどに表示することで、現場の情報を共有し、生産性向上に貢献する。また、アンドンシステムの簡単導入や現場運用の容易性を実現し、システム全体でのコスト削減を図る。