特集論文
放電加工機リモートサービス “iQ Care Remote4U”
2019年7月公開【全3回】
名古屋製作所 堂森雄平 加藤達也
第3回 iQ Care Remote4Uによる改善点の見える化
3. 2 改善点の見える化
“ iQ Care Remote4U ” は管理者を中心に好評を得ているが、今後更に分析・改善への活用を進めるため “ 改善点の見える化 ” をキーワードに次の機能を実現した。
3. 2. 1 機械稼働管理レポート(月報)機能
管理者は生産ラインの加工機の稼働率、アラーム履歴、消耗品の寿命等を日々記録して月報としてまとめている。それらの情報を “ 機械稼働管理レポート(月報)機能 ” で月報形式としてレポート出力することで、日々の作業時間を削減し、生産ラインの指標管理を可能にした。レポート内容は稼働状況、部品交換予測、消耗品コスト、アラーム発生履歴であり、ユーザーの日々の改善活動効果を見える化している。
(1) 稼働状況
月ごとの稼働時間+段取り時間(有無)の2種類の稼働率を表示し、段取り時間の無駄を見える化することで、作業者の教育や段取り用治具の導入等、改善活動の実施が可能(図9)。
(2) 部品交換予測
定期点検履歴の分析によって、交換予測日が一覧表示されるため、予防保全の観点から部品交換することでマシンダウン時間や保守時間の削減が可能。
図9.機械稼働管理レポート(月報)での稼働状況
(3) 消耗品コスト
レポート期間中の消耗品の使用個数や平均寿命が表示されるため、適正な在庫管理や消耗品を使い切ることでランニングコストの削減が可能。
(4) アラーム発生履歴
月ごとのアラーム要因別停止時間をパレート図で表示するため、アラームの変化を把握することができる(図10)。また別ページでメンテナンス不足によって発生するアラームだけを抽出して表示することで、メンテナンス実施後の時間経過の影響や変化を把握し、保守計画を立てることが可能。
“ 機械稼働管理レポート(月報)機能 ” によって、報告業務の負荷軽減、ランニングコストやマシンダウン時間削減の改善活動への活用を実現した。
図10.機械稼働管理レポート(月報)でのアラーム発生履歴
4. むすび
リモートサービス “ iQ Care Remote4U ” の基本機能の特長と改善事例及び新機能の特長について述べた。 “ iQ Care Remote4U ” はIoTを活用したサービスであり、今後も様々な市場要求に応える機能開発に努めていく。
製品紹介

e-F@ctoryによる放電加工機の生産性・保全性を支援するリモートサービス
IoT技術をいかして、生産・保守をとりまく最新情報を「いつでも、どこでも」、製造現場を支援するあなたのためのサービスです。
- 要旨
- 第1回 基本機能の特長
- 第2回 新機能の特長
- 第3回 iQ Care Remote4Uによる改善点の見える化