私は、DIATONEスピーカーとともに育ってきた世代で、その影響もあって大学でも音響関係を専攻しました。20年ほど前、三菱電機京都製作所のテレビ関係部隊に配属された時も、迷わず「音がやりたい」と志願したのです。それ以後、ずっとテレビの機構設計、特に音関係の設計に関わってきました。

音というのは難しいもので、材料の特性や形状だけでは、わかりません。実際のマシンで聞いてみて、カットアンドトライしていくことが必要なのです。技術者の耳と経験が何よりもものを言う世界ですね。そういう意味では、DIATONEをはじめとする技術の蓄積は、他社にない強みだと思っています。

DIATONEは、私たちにとって特別のブランドです。過去のDIATONEの名に恥じない商品だけがDIATONEを名乗ることが許されていますし、DIATONEという名に期待される多くのお客様の信頼に応え続けなければなりません。高いハードルですが、技術者としては挑戦しがいがありますね。