事業等のリスク

第150期有価証券報告書(2020年度)より

三菱電機グループは、重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器、その他の広範囲の分野にわたり開発、製造、販売等の事業を行っており、またそれぞれの事業は国内及び北米、欧州、アジア等の海外において展開されております。そのため、様々な要素が三菱電機グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

具体的に三菱電機グループの財政状態及び経営成績や、投資家の判断に影響を及ぼす可能性がある要因のうち、主なものは以下のとおりです。

①新型コロナウイルス感染症の影響について

三菱電機グループは、新型コロナウイルス感染症の影響が出ている各国・地域の拠点においても事業を遂行しています。今後も感染拡大防止策を十分に講じながら事業を継続してまいりますが、感染が更に拡大・長期化した場合、需要減少などにより三菱電機グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルス感染症が景気に与える影響に依然として不確実性は残るものの、米国や中国を中心とする各国・地域での経済対策等の効果もあり、総じてみれば景気回復が進展することが見込まれますが、収束時期の遅れやその後の市況回復の状況変化、感染症を契機とした社会の価値観や行動様式の急変による需要構造の変化などで、現段階で想定している以上に業績が変化する可能性があります。

②世界の経済状況・社会情勢及び規制や税制等各種法規の動向について

三菱電機グループは、重電システムから家庭電器まで広範な領域で事業を展開し、売上高のおよそ40%が海外向けとなっています。また、日本国内向けの売上には国内で利用される製品だけでなく、顧客の製品に組み込まれて海外に輸出される製品も含まれています。したがって、世界の各国・地域の経済状況・社会情勢等により経済成長が想定以上に減速し、当社製品の需要や、当社製品を組み込んだ顧客の製品の販売動向が変化した場合には、三菱電機グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、海外向けの売上のおよそ半分をアジアで占めているため、米中貿易摩擦、米国国防権限法の動向等に起因した輸出産業の停滞や個人消費の低迷などでアジア各国の成長が鈍化した場合には、設備投資や耐久財の販売動向の変化により産業メカトロニクス事業を中心に三菱電機グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

各国の経済安全保障政策の急激な変化に対応すべく、社長直轄組織である「経済安全保障統括室」において、政策動向や法制度の調査・分析、全社における輸出、情報セキュリティー、投資、開発等に関わる経済安全保障の観点から見た統合的なリスク制御を行っています。

③為替相場について

三菱電機グループの売上は北米、欧州、中国がおよそ10%ずつを占めていることに加え、当社における米ドル建てやユーロ建てでの輸入部材購入、アジア地域の製造拠点における当該地国以外の通貨建て輸出売上や輸入部材購入があります。為替予約等で為替の変動の影響を回避するようにしていますが、為替レートの急変により、当社の想定している為替レートから大きく変動すると、三菱電機グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④製品需給状況及び部材調達環境について

昨今のニューノーマルへの対応やカーボンニュートラルに向けた取組みにより、通信事業の5G化や自動車の電動化等が加速しています。更に新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済停滞からの回復や各国の経済対策等を背景とした世界的な需要拡大が続き、部材調達環境は、一部の部品・材料の急激な価格上昇や調達困難が見込まれ、三菱電機グループの生産活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

三菱電機グループが競争力のある製品を市場に供給するために、原価改善活動を強化し、競争力のある価格での部品、材料の購入を目指します。また多様化するリスクに対応可能な柔軟かつ持続性のあるサプライチェーンを構築し、生産活動の継続が可能な「安定調達」に向けたBCP対策を強化してまいります。

⑤地震・台風・津波・火災等の大規模災害について

三菱電機グループは、製造・販売拠点、研究開発拠点及び当社本社を含む主要施設を日本国内に多数有しています。日本は、過去より多くの自然災害(地震、台風、津波等)の被害を受けており、今後も自然災害の発生により、三菱電機グループの事業活動が大きな影響を受ける可能性があります。また、海外でも、自然災害によって、各拠点での事業活動やサプライチェーン等に被害が生じる可能性があります。

さらに、気候変動に起因して、地震・台風・津波等の大規模な自然災害が、今後よりいっそう深刻化する可能性があります。かかる大規模な自然災害や火災等により三菱電機グループの施設が直接損傷を受けたり破壊された場合、三菱電機グループの事業活動が中断したり、生産や出荷が遅延する可能性があるほか、多額の損失が発生する可能性があります。また、大規模な自然災害により三菱電機グループの施設が直接の影響を受けない場合であっても、調達に支障が生じ、生産活動に影響が出る可能性があります。

これらの多様化するリスクに対応可能な柔軟かつ持続性のあるサプライチェーンを構築し、生産活動の継続が可能となる「安定調達」に向けたBCP対策を強化してまいります。

⑥株式相場について

三菱電機グループは、取引先との関係の維持・強化等を勘案し、事業運営上、必要性が認められると判断した株式を保有することとしていますが、株式相場の下落は、三菱電機グループが保有する市場性のある株式の価値の減少や、年金資産の減少をもたらす可能性があります。

かかるリスクへの対応として、保有株式については、採算性、事業性、保有リスク等の観点から総合的に保有意義の有無を判断し、毎年、執行役会議及び取締役会にて検証・確認を行っています。保有意義が希薄と判断した株式は、当該企業の状況等を勘案した上で売却を進めるなど縮減を図ることとしています。

⑦情報セキュリティーについて

三菱電機グループの営業情報や技術情報、知的財産等の企業機密や顧客・ステークホルダーの皆様からお預かりした情報等が、コンピューターウイルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、滅失もしくは社外に漏洩した場合、または工場の生産に影響を与えるようなサイバー攻撃事案が発生した場合は、三菱電機グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

加えてソフトウェア又はハードウェアの大規模障害、三菱電機グループ及び三菱電機グループ管理外のシステムに未知の脆弱性があった場合や外部事業者が提供する情報通信サービスの停止、大規模災害等により、情報システムが機能不全に陥る場合は、三菱電機グループの事業が影響を受ける可能性があります。

かかるリスクへの対応として、情報セキュリティー基盤強化活動を推進し、高度化・巧妙化する最新のサイバー攻撃パターンへの対策強化及びレジリエントな情報システムの維持・強化を進めてまいります。

なお、上記における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月29日)現在において当社が判断したものです。