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読む宇宙旅行

2011年4月 vol.02

「Space Rock」 シャトルの「目覚まし曲」を選ぼう!

エンデバー号に乗り込む宇宙飛行士達。4月1日に行われたリハーサルで。先頭が船長のマーク・ケリー宇宙飛行士。下院議員の妻が1月の発砲事件で重体となり一時は飛行が危ぶまれた。(提供:NASA)

エンデバー号に乗り込む宇宙飛行士達。4月1日に行われたリハーサルで。先頭が船長のマーク・ケリー宇宙飛行士。下院議員の妻が1月の発砲事件で重体となり一時は飛行が危ぶまれた。(提供:NASA)

 宇宙で流す「Wake up Call(ウェイクアップコール)」って聞いたことありますか? スペースシャトルや国際宇宙ステーションは90分で地球の周りを一周するため、時間の感覚が狂いがち。地球と同様に24時間で生活をするのだが、たとえ窓の外が真っ暗でも一日の始まりには起きないといけない。そこで「目覚まし」用に地上の管制センターから、宇宙飛行士が大好きな曲をかけて、気持ちよく仕事を始めてもらおうというわけだ。 アポロ時代から続いているNASAの粋な計らいの一つ。

 コレ、けっこう名曲が多いのですよ。例えば「What a wonderful world」(ルイ・アームストロング)、「Beautiful Day」(U2)「Imagine」(ジョン・レノン)などなど。飛行士の家族らが、愛する人との想い出の曲、エールを込めた曲を送る。時にはサプライズがあったりして、宇宙飛行士の毎朝の楽しみであり、地上と宇宙をつなぐコミュニケーションツールにもなっている。日本人宇宙飛行士の飛行でも、例えば野口聡一飛行士の時には「さんぽ」(野口さんが大好きな映画「となりのトトロ」オープニング曲。子ども達の合唱を録音した特別仕様)が流されたりしている。

 NASAはシャトルの引退に際して、「Wake up Call」スペシャル企画を進行中だ。その名も「Space Rock」。二つの部門があり一つは「Top40」部門。過去のWake up Callで流された人気40曲から投票を行い、2月末に打ち上げられたディスバリー号で流された。246万人の投票で選ばれたのは「ブルースカイ」と「スタートレックのテーマ」だった。

打ち上げを待つスペースシャトル・エンデバー号。(提供:NASA)

打ち上げを待つスペースシャトル・エンデバー号。(提供:NASA)

 そして現在進行中なのがもう一つの「オリジナル部門」だ。世界からオリジナル曲を募り、そのうちの2曲を4月末打ち上げのスペースシャトル・エンデバー号の飛行中にかけようというのだ。自作の曲が宇宙で流される! NASAは一般人にとって夢のような企画を立ち上げてやっちゃうところがカッコイイですよね。専用サイトの入り口も凝ってる。

 オリジナル部門には2010年8月20日〜2011年1月31日までに63カ国から1350曲の応募があった(日本からも27曲の応募が!)。選ばれた10曲が現在、NASAのサイトにアップされ視聴できる。作曲した人のプロフィールや曲に込めた想いも見ることができて、気に入った曲に投票できる。私もさっそく視聴してみた。

 曲調はわりと似ていてカントリー調や軽いロック調が多い。一日の始まりに、「がんばるぞ〜」とやる気をブーストする音楽で全体的に仕上がりのレベルは高い(と思う)。面白いのは応募者一人一人のメッセージやプロフィール。発射場のあるココアビーチに住んでいて、「シャトルの打ち上げは全部見たわ!」とか、「ISSから撮影した写真をフォローしてるが、信じられない写真ばかり。宇宙はいつも晴天だね〜」(スペイン在住のバンドリーダー)とか家族で応募してる人とか、当然ながらみんな熱い。曲のタイトルも「I want to be Astronaut」など超ストレートで、アメリカ的だなぁ・・。投票のランキングも見ることができて、「えっ、これが一位?」など楽しめる。

 応募の締め切りは、エンデバー号の打ち上げ日まで(現在の予定では4月29日)。エンデバー号は毛利衛宇宙飛行士が1992年9月12日、日本人で初めてスペースシャトルに搭乗し、その後若田飛行士や土井飛行士も搭乗している、日本にとってゆかりのある機体。アナタもこのプロジェクトに参加して最後の飛行を楽しんでみてはいかがだろう。