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星空の散歩道

2014年7月15日 vol.85

夏の流星を楽しもう

 夏休みになると、星空も夏祭り。七夕の星をはじめとして、明るい星たちが夜空を飾るだけでなく、まるで星の花火のように流れ星も夜空を彩るからだ。それもそのはず、夏休みに入るやいなや、多くの流星群が活動するので、たくさんの流星が見られるのである。

 流星群は、国際天文学連合で名称が決まり、確立されたものだけで95もあり、現在でも増え続けている。ただ、年間を通して多い時期と少ない時期がある。春は少なく、夏になると多い。たとえば2月の流星群はたった三つと年間最少である。3月には四つ、4月には五つ、5月には六つと増えていくものの、10は越えない。これに対して、7月の流星群数は13と、年間の流星群数で言えば、12月の15に次いで第二位なのである。8月は八つとやや減ってしまうが、なんといっても8月中旬のペルセウス座流星群があるので、流星数そのものは断然、多い月になる。したがって7月から8月の夏休みの時期は流星を眺めるには最高の時期なのである。

 さて、夏の主役となるペルセウス座流星群は、残念ながら今年は8月11日が満月で、その極大期にあたる11日から13日にかけては明るい月灯りに邪魔され、観察条件は悪い。(この流星群の詳しい話は、vol.20「夏休みの星花火:流星群を眺めよう」を参照のこと)こんな年は、ペルセウス座流星群の前座として活動する7月の流星群にぜひ注目してほしい。13もある7月の流星群の中でも注目は、みずがめ座に放射点(放射点についても、vol.20「夏休みの星花火:流星群を眺めよう」を参照)を持つ流星群である。みずがめ座には5月にもハレー彗星を起源とする流星群があり、そちらを「みずがめ座η流星群」、7月に活動する流星群を「みずがめ座δ南流星群」「みずがめ座δ北流星群」と呼び分けている。南北どちらも出現数はそれほど多くはない。南の流星群の方が、活動は明瞭で、理想的な条件で観察できれば、一時間に10個程度である。とはいえ、なにしろダブルで活動することもあり、この時期の流星数増加に寄与している。その活動は7月中旬頃から眺められ、8月上旬まで続く。極大は7月の27日から29日頃だが、流星数が極大時期に急激に増えるタイプの流星群ではない。その放射点はやぎ座の尾の少し東側、秋の一等星フォーマルハウトの上にあり、21時過ぎには上ってくるので、明け方までほぼ一晩中眺めることができる。

やぎ座流星群の写真。何度も爆発的に増光している様子がよくわかる。撮影:1980年8月12日 0時41分46秒(提供:工学院大学)

やぎ座流星群の写真。何度も爆発的に増光している様子がよくわかる。撮影:1980年8月12日 0時41分46秒(提供:工学院大学)

 もうひとつ、7月の代表的な流星群が「やぎ座α流星群」である。なんといっても、この流星群に属する流星は特徴的で、印象が強い。かなりゆっくりと流れる上に、とても明るく輝くものが多いのである。中には、流れている途中で何度も爆発的にあかるくなったりするものもある。流星の中でも特に明るいものを火球と呼んでいるが、この時期に見られる火球は、やぎ座α流星群に属するものが少なくない。極大は7月30〜31日頃とされている。一時間あたりの出現数は、せいぜい5個程度と、みずがめ座δ南流星群よりも小規模なのだが、なにしろ一つ一つの流星が印象的で、とても目立つ流星群である。放射点はやぎ座の頭部のやや北側にあるため、夕方日が沈んで暗くなった時には、すでに地平線上にはのぼっている。そのため、宵のうちから明け方に明るくなるまで、ほぼ一晩中眺めることができる。

 今年は、ペルセウス座流星群の極大期が満月となるが、これらの流星群が活発になる7月下旬はとても観察条件が良い。7月27日が新月となり、月の明るさに邪魔されずに、じっくりと暗い流れ星まで観察できるので、星のよく見えるところに出かけて、これらの流星群を眺めてみよう。