Voices
半導体・デバイスへの想い
事業本部長インタビュー
仕事をする上で大切にしてほしいのは、「情熱」と「遊び心」
半導体の「進化」と「革新」で社会の変化を先導している半導体・デバイス事業本部。そのトップが抱きつづけている半導体や事業への熱い想いを伺いました。
Profile
竹見 政義TAKEMI, Masayoshi
上席執行役員半導体・デバイス事業本部長
| 略歴 | 1991年4月 | 三菱電機株式会社 入社 |
|---|---|---|
| 2016年4月 | 半導体・デバイス業務部 次長 | |
| 2018年4月 | 高周波光デバイス製作所 副所長 | |
| 2019年4月 | 高周波光デバイス製作所長 | |
| 2022年4月 | 上席執行役員 半導体・デバイス事業本部長 |
インタビュアー
宇賀 優馬UGA, Yuma
半導体・デバイス事業本部半導体・デバイス業務部 企画グループ
| 略歴 | 2018年4月 | 三菱電機株式会社 入社 |
|---|---|---|
| 半導体・デバイス第一事業部 パワーデバイス営業部 | ||
| 2024年1月 | 半導体・デバイス業務部 企画グループ |
INDEX
三菱電機を選んだ理由は関西弁?
宇賀竹見さんが三菱電機に入社した理由を教えてください。
竹見まずは、半導体業界に入った経緯から話しましょう。大学の研究室で化合物半導体※1の材料研究に携わっていました。当時の助手であった先生は、三菱電機入社後、数年で研究室に戻られた方で、後に紫綬褒章を授与されるなど、素晴らしい指導者が多く在籍している研究室でした。このような環境下で化合物半導体の奥深さを実感し、生涯をかけてこの分野に取り組みたいと決意しました。
では、なぜ三菱電機へ?という話になりますね。私はもともと関西出身で、標準語に対して多少の抵抗感がありまして…。そうしたところ、三菱電機は化合物半導体の拠点が関西にあったので、自宅から通勤が可能で関西弁でイケる!ということで三菱電機に入社しました。
※1:2つ以上の元素から成る半導体。材料特性により、高速処理や低電圧動作など、高い性能を持つ。単一元素(シリコンなど)と比較して製造や均一な特性を出すことが難しいとされる。
宇賀志望動機について、最近の学生の皆さんと違いを感じられていますか?
竹見最近の学生の皆さんは、社会貢献について深く考えて入社されていて、感心しています。私は志望動機が“しょうもない”ので(笑)。
新人時代に共感した話が今につながる
宇賀ちなみに新人時代の失敗談はございますか?
竹見これが、失敗はしていないと思っていまして…。なぜかというと、仕事は半導体プロセス※2開発だったので「実験をした、うまくいかなかった、いくつかの選択肢のうちのこれを排除する」を繰り返しながら成功に近づいていきます。そういう意味で、失敗はしていないのです。
※2:ウエハ上に半導体を作る為の工程
宇賀目的に向かっている間は失敗ではないということですね。
竹見そうです。若い頃はいろいろ試行錯誤を重ねていても、ゴールに近づいていると思えれば、苦しくなることはありませんでした。自身が進んでいる状況を、ちゃんと把握しておけばよいという思いが当時から一貫してありました。
宇賀新人時代の印象に残っているエピソードはありますか?
竹見私に大きな影響を与えた上司がいました。その上司は「会社で与えられた仕事は税金のようなものだと思いなさい」と。さらに「与えられた仕事で結果を出したら、残りの時間は自由に使いなさい」と言われました。当時、私の考えととても似ているなあと思いました。今、私が従業員の皆さんに「会社の仕事は納税だと思って。無駄な業務をぐっと圧縮しながら結果を出し、やりたい仕事をする時間を自分で作りましょう!」と話しているのは、実は新人の頃に言われたこの言葉がずっと頭に残っているからなのです。
宇賀これから三菱電機に入社される皆さんへ、伝えたいアドバイスはございますか?
竹見私は28歳の時、阪神・淡路大震災を経験しているので、いつ何が起こるかわからないという思いが強くあります。人生80年から100年としても、睡眠時間もありますし、時間は意外と限られています。焦る必要はないのですが、学生や若い世代の皆さんには密度の濃い人生を歩んでほしいなと思っています。あとで後悔しないように、「やりたいことをやる!」っていう意識を持って、入社してほしいと思います。
我々の事業が負っている特別な使命
宇賀ありがとうございます。では、半導体・デバイス事業について、竹見さんの想いを伺います。まず、脱炭素社会の実現に貢献する「パワー半導体」が持つ、社会的な価値についてお聞かせください。
竹見電気には、つくる、送る、貯める、使う、この4つのエリアがありますけど、「パワー半導体」はこの4つのエリアで、いかに電力のロスを減らすかということにすごく役立っています。1%でも2%でも電力のロスを減らすことは、CO2排出量を減らすことにもつながるので、脱炭素社会の実現に向けてど真ん中にある製品だと認識しています。私たちの地球がこれからも存続していくために、まさに「パワー半導体」は極めて重要な事業と思っています。
※パワー半導体の解説は
宇賀「高周波デバイス」や「光デバイス」についてはいかがでしょうか。
竹見皆さんがスマートフォンやPCなどでネットショッピングや動画やドラマなどを見ている時、それらがサクサクと快適に行える環境に貢献しているのが「高周波デバイス」や「光デバイス」です。現代の快適な通信により、便利で豊かな生活を支えている事業なのです。
※光デバイスの解説は
社会課題を解決しているという実感
宇賀竹見さんは、これらの事業を通じて、地球規模・世界規模の課題に日々取り組んでいるという実感はお持ちですか?
竹見例えば「パワー半導体」では、従来のシリコンウエハ材料に比べて格段に電力ロスの削減が可能なSiC※3を使用したパワー半導体を世界で初めて※4エアコンや電車に搭載したのは三菱電機です。脱炭素社会実現に向け、SiCパワー半導体が活用され始めている実感を持っています。また、ChatGPTなどの生成AIへ質問すると即座に答えが得られるのは、データセンター内外のデータ通信に用いられている当社の「光デバイス」が超高速動作をしているためで、世界シェアは1位※5です。
三菱電機では、全社を挙げて地球環境のため、世界中の人々が快適で便利で豊かな生活を過ごせるために、研究開発や製品を製造、販売までを実施しているということを強く感じてもらえると確信しています。
※3:炭化ケイ素、シリコンカーバイド。シリコン(Si)と炭素(C)の化合物。
※4:広報発表時点での当社調べにおいて
※5:データセンター向けEMLにおいて(23年度実績、当社調べ)
宇賀私も、日々の業務を通じて、社会を支える仕事であると強く感じています。営業部門に所属していた際、自然災害によって交通インフラに影響が出てしまった時に、お客様にいち早くパワー半導体を届け、復旧をサポートしたことがありました。入社間もない頃でしたが、人々の生活に身近で、影響力の大きい仕事に携わっているということを感じましたし、モチベーションの向上につながったことを今でも記憶しています。
竹見自身の仕事が社会を支えている、地球規模・世界規模の課題解決に貢献しているという実感を半導体・デバイス事業に携わっている皆さんは、本当に強く持っていると思います。
「社会の変化を先導」指針に込めた想い
宇賀つづいて半導体・デバイス事業の指針にある“半導体の『進化』と『革新』で、社会の変化を先導する”という言葉に込めた想いについて教えてください。
竹見半導体が誕生したのは1940年代です。まだ100年も経っていないのですが、真空管からトランジスタになったことで、例えば、コンピューターなどの電子機器の小型化・高性能化を促進し、自動車の電動化や再生可能エネルギーの電力利用といった、急速な社会の変化をもたらしました。こうした社会の変化は、新しい半導体が誕生した時に起こっていると私は考えています。ですからこの言葉には、我々が新しい製品を創り出して、世の中をどんどん変えていくのだという、私が長年抱いてきた想いを込めました。半導体・デバイス事業に携わっていると、自分達の力で世の中が変わる瞬間に立ち会えるので、ぜひ学生の皆さんにもこの体験をしてもらいたいです。
宇賀私も仕事をしながら、今後の半導体・デバイスの技術革新に、関わることができる可能性の大きさを日々感じています。
半導体・デバイス事業のこれからを担う皆さんへ
宇賀それでは少し話を変えまして、半導体・デバイス事業が求める人材について、竹見さんはどんな人と一緒に仕事がしたいかをお聞かせください。
竹見やはり半導体・デバイスで社会をどう変えていくかに関心を持っている方と一緒に働きたいですね。半導体・デバイスを通じて社会課題を解決したいという熱い想いがあれば、どのような仕事にも対応ができると思っています。
宇賀竹見さんがおっしゃったように、やりがいや想いを大切にして、仕事を選ぶのがよいだろうなと私も個人的に思います。
竹見そうですね。学生の時に得られる知識は実はわずかで、会社に入り先輩達と交流して、多くのことを伝承されるとレベルも上がっていきますし、始めからスペシャルな技術や知識を持っていないから無理かなって考える必要は全くありません。実際に、学生の頃に半導体に触れていない人もたくさんいます。熱い想いを持ち、一緒に取り組んでいきたいですね。
宇賀今日は竹見さんの想いをたくさん伺うことができて、私自身にもすごくいい機会になりました。最後に、学生の皆さんにメッセージをお願いします。
竹見「パワー半導体」、「高周波デバイス」、「光デバイス」は、日本が得意とする領域だと思っています。その中でも、三菱電機の半導体・デバイス事業は、グローバルシェアでナンバー1やナンバー2の製品をたくさん持っていますので、ぜひ皆さんと一緒に社会を変えていきたいなと思っています。やはり自身の仕事が社会課題の解決に貢献しているという実感は、きっと人生を豊かなものにするでしょう。学生の皆さん、ぜひやりたい仕事と遊び心をいっぱい持って、私たちと一緒に働いていただければと思っています。一緒に社会の変化を先導していきましょう!
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